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使える魔法はセーブとロードとリセットです。  作者: ちさめす
小説世界 白城町編
16/45

旅立ちの前日③

タイトル回収です。

それと編を導入しました。


しかし、バトル物を書きたいのにバトル要素が全く無い・・・。

会話を終えた僕たちはデットエンドを出て広場へ向かっていた。


イアはハルの顔が見れたので満足して帰るという。

僕とロイはニマの件があるので領主館に戻ることにした。


デットエンドでの会話で、イアはハルに好意を持っていることが分かった。


けれども、イアが好意を向けているのはあくまでハルだ。

僕じゃない。


イアはハルの中身が僕であることを知らない。

その事で何だかイアを騙しているような気分になる。


僕の胸中は、イアに対して罪悪感と申し訳の無さでいっぱいになっていた。


3人は広場に入った。


「それじゃ僕たちはこっちに行くね。また明日・・・イア?」


一緒に歩いていたイアの姿は消えていた。


「ロイ、イアを知らないか?もしかしてもう帰ったかな?」

「あの人混みの中だよ」


ロイは中央の噴水に集まる人だかりを親指で示した。


「どうしてあんなところに?」

「まったくもう毎度こうだよ。イアは好きな物には目が無いんだ」


呆れた口ぶりでロイがそう言うと、芳醇な香りが漂っていることに僕は気付いた。


「この匂いは・・・芋か?」

「コトが起きなければいいのだが」


それはどういう意味かを聞こうとした時、コトが起こった。


急に中央の人だかりの一部が、縦のライン状にばったばったと倒れていったのだ。


あちゃ~、という声を出すロイと共にそこへ近づくと、ドミノ倒しの様に多くの人が横たわっていて、イアはその一番手前で倒れていた。


なんだなんだ?と人々はざわつく。

トレイに焼き芋を載せていたシェフの恰好をした女の子も動揺していた。


「ご、ごめんなさい。皆さん・・・だ、大丈夫ですか?」


そう言ってイアはゆっくりと立ち上がり、倒れている人に手を貸していく。


「あ痛たた・・・。ほんとお嬢ちゃんとは思えないタックルだったよ」

「ごめんなさいごめんなさい!その、躓いてしまって・・・ごめんなさい!」


「ははは、大丈夫だよお嬢ちゃん。気にしなくていいよ、あ痛ててて」


他の倒れている人にもイアは声を掛け続ける。

その姿を見守りながらロイは僕に説明してくれた。


「イアは好きな物を見ると他の事に気が回らなくなって、よくこんな感じにコトを起こすんだ。その度にハルはイアのことをプロブレムメーカーと呼んだりしてからかっていたな。・・・ああ、すまん。覚えてはいないよな」


「いや、大丈夫だよ。記憶が戻るきっかけになるかもしれないから、今後もいろいろと教えてほしい」

「そうか?ハルが言うならそうするよ」


それから少しの時間が過ぎて状況は収まっていった。

倒れたみんなは起き上がり、謝り続けたイアはこちらに戻って来た。


そして、タイミングを図るかのように、シェフは噴水を背に集まっている人々に声を掛ける。


「ちょっとしたアクシデントもありましたが、皆さん準備はいいですか~!!!」


「おおお~~~!」


「何か始まるのか?」

「焼き芋のじゃんけん大会だよ。この町の復興に向けてね、みんなを元気付ける為に芋杏いもあんが焼き芋を配っているんだよ」


きらきらとした瞳でイアは答える。


「せっかくだから食べて帰るか」

「うん!食べて帰ろうね!」


「本日分の芋杏特製の焼き芋は残り1個です!最後の焼き芋を懸けて、勝者が1人になるまで何度もじゃんけんをしていきます!皆さんは焼き芋への想いをその手に宿して、信じる3つの剣で私まで突きたててください!よろしいですか~!!!」


「おおお~~~!」


「芋菓子で有名なあの芋杏のお芋だよハル!絶対勝って食べようね!」


イアは目を輝かせながら自身の前に握りこぶしを2つ作って臨戦態勢を整える。


そんなイアを見て、僕は焼き芋を勝ち取りたいと思った。


僕はポケットに手を伸ばした。

栞の玉を取り出して握ったまま自分の胸に当てる。


(セーブ!)


目の前が真っ暗になった。


・・・


気が付くと僕は小舟に乗っていた。


風も無く、波も無い。

どこまでも続く薄暗い空間。


僕は握りしめていたその手を目の前で開いた。

手のひらの上で栞の玉が眩しく輝いている。


「あまり進めていないから、このセーブデータは上書きでいいか」


薄暗い空間には1つだけふわりと浮いた光る玉があり、僕はその玉のそばまで小舟を漕いだ。


その玉にはテーブルを囲う3人の姿が映し出されていた。


僕は手に持っている栞の玉を、3人が映っているその玉にあてがった。


すると、栞の玉が光を失うのと同時に、テーブルを囲っていた3人の景色が、横並びで立っている3人の景色へと変わっていた。


「上書きセーブ完了っと。さて、じゃんけん大会は絶対に勝つぞ」


意気込む僕は景色を映した玉に触れる。


玉は輝きを強め、僕の視界は真っ白に染まった。


・・・


「芋菓子で有名なあの芋杏のお芋だよハル!絶対勝って食べようね!」


イアは目を輝かせながら自身の前に握りこぶしを2つ作って臨戦態勢を整える。


「ああ、絶対食べような」


シェフの恰好をした女の子は、噴水の縁に上がって大きな声を出す。


「勝った方はその場に残ってくださいね~!負けた方は少し離れたところまでのご移動をよろしくお願いします~!それとそれと~!参加される方が予想以上に多いので、あいこの方も負けとみなしま~す!」


広場に少しの沈黙が流れる。


僕たちを含めて、みんながシェフを見ている。


「それでは始めま~す!さいしょはグ~!じゃんけん・・・ パ~!!!」


シェフの掛け声とともに参加者たちは大きくそれぞれの手を上げた。


喜ぶ声や悔しがる声が飛び交う中、隣からは悲痛な声が聞こえてきた。

振り向くと、手をグーにしたイアは目を潤わさせながら下唇を噛み締めていた。


「さようなら・・・芋杏のお芋さん・・・」


「じゃんけんは運なところもあるからさ、こればかりはしょうがないよ。もし俺が勝てたらイアにもちゃんと分けるから応援していてくれよ」


負けてしまったイアとは反対に、チョキを出していたロイはイアを励ます。

僕もロイに同調して、同じような事を言った。


じゃんけんに参加していた結構な数の人たちはぞろぞろと後ろに下がっていく。

イアも後は頑張ってね、と言い残して後ろに下がっていった。


周りを見渡すと、ざっと20人くらい残っている。


「あのお姉さんやけにノリノリなところがあるから、多分同じ手は出さないと思うんだ。それを読んで・・・よし」


次の手を決めたロイの考えに、僕も乗ってみることにした。


(グーかチョキ、どっちが来る?)


「では2回目~!さいしょはグ~!じゃんけん・・・ チョキ~!!!」


パーを出した僕は負けてしまった。


ロイはグーを出していた。


「裏を読むためにあえて自分が出した手に負ける手を次は出す、ということまではあのお姉さんは考えないと予想してみたよ」


「さすがだな、ロイ」


結構考えてるんだなと僕は思った。


勝ち残っていた参加者からまた何名かが後ろに下がる。


その様子を見ながら僕はポケットに手を入れて栞の玉を掴んだ。


握ったまま手を出した僕は目を閉じて、心の中で唱えた。


(リセット!)


・・・


目を開けると僕は小舟に乗っていた。

風も波も無い空間。


手に持っていた黒い栞の玉をポケットにしまう。


僕はこの場所で唯一光を放っている玉の場所まで小舟を漕いだ。


「えっと1回目がパーで2回目がグーだったな・・・というか最後まで手を見てから戻れば良かったか」


横並びで立つ3人の景色が映る玉に僕は触れる。


玉は輝きを強め、僕の視界は真っ白になった。


・・・


「芋菓子で有名なあの芋杏のお芋だよハル!絶対勝って食べようね!」


臨戦態勢のイアに僕はもちろんだ、と答えた。


シェフの恰好をした女の子が噴水の縁に上がるの見た僕はイアの方を向く。


「イア、これは直感なんだけど、あの人は多分パーを出すような気がするんだ」

「そうなの?ハルがそう言うならチョキを出してみるね!」


「それでは始めま~す!さいしょはグ~!じゃんけん・・・ パ~!!!」


僕たち3人は全員チョキを出した。


「やった~!勝てた勝てた~!さすがだねハル!」


にこやかに喜んでいるイアに僕は笑顔で応えた。


「全員勝ちとは幸先がいいね。この調子で行けば誰かは勝てるかもしれないな」


周りでは半数に近い人数がぞろぞろと後ろに下がっていく。


「ロイ、次はどんな手を出す?」

「次はそうだな、同じ手は無いと思うよ。それにあのお姉さんは本気で勝ちに行くわけでも無いだろうから・・・グーで勝負してみようか」


「いい考えだと思う。僕もグーでいこう」

「2人ともグーなら私もグーを出すね」


「それでは2回目いきますよ~!さいしょはグ~!じゃんけん・・・ チョキ~!!!」


3つそろったグーを見て、僕たちは喜んだ。


「ロイ!流石だよ~すごいすごい!」


どうってことないよこれぐらい、とロイは涼しい顔をした。


周りではまた何人が後ろへ下がっていった。


「ざっと数えると参加者は僕たちを含めて10人くらいか。あと2、3回で勝負が決まりそうだね。ロイ、次の手はどう予想する?」


「単純に考えるとまだ出していないグーだと思うけど、単調を避けたい考えなら他の手もあり得る。回数が重なると裏の裏なんてこともあるな。悩んだ時は同じ手か?いや、最初に戻るパターンもあるか。んーそうだな、あのお姉さんは結構楽しんでいる節があるから、前向きな思考と予想してグーかチョキかだと思う」


「グーかチョキが来るのね。わかったよ」


イアは自身の右手のパーと左手グーを見つめる。


1回目がパー、2回目がチョキ。確率はどこまでいっても33%かもしれないけれど、その人の性格や心理的、外的な状況でいろんな思惑が生まれる。


読みすぎると裏目に出てしまうし、けれども考えないで勝負をしても、負けた時に考えれば良かったと後悔するのも嫌だ。


(相手の性格・・・あの女の人の性格は・・・)


と、考えがまとまらないうちにアナウンスが流れる。


「じゃんけん大会もそろそろ佳境です~!一発勝負の第3回目~!準備はいいですか~!いきますよ~!さいしょはグ~!じゃんけん・・・ チョキ~!!!」


僕はグーを出していた。


最初はグーで始まるじゃんけんは悩むほどグーが出やすくなるという噂を聞いたことがある。

もしかするとそれは本当なのかもしれない。


「あちゃーいい線いっていたのにほしいな。おお!ハルは勝ったのか。ここまで来たんだ、最後まで生き残れよ」


「負けちゃったあ・・・お芋さん・・・」


周りの敗者に合わせるようにロイはイアを連れて後ろへ下がっていく。

勝つほどに負けた時の落ち込みは大きいのか、イアは遠目でも分かるぐらいにがっくりと肩を落としていた。


(人数も少なくなってきたな。早ければ次で勝負が着きそうだし、せっかくならこのまま勝ちたいな。最悪それが叶わなくてもリセット出来るし気負いせずに行くか)


「1、2、3・・・4人!はいは~い皆さ~ん!いよいよ勝負がつきま~す!最後の芋杏の焼き芋は誰が手に入れるのでしょ~か!勝者はこの4人の中にいます!それでは運命の瞬間です!最初はグ~!じゃんけん・・・」


少しの静寂が流れた。


そして。


「おおお~~~!!!」


広場全体を飲み込むほどの歓声が響き渡った。

投稿してから気付いたことがあります。

会話の最後の。っていらないんですね・・・。

「おなかすいたー。」の「。」←コレ

後で全部修正しなきゃ・・・。


面白いと感じて下されば是非とも評価の程よろしくお願いします!

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