地球の気温がマイナス50度になるAIの予測
2100年1月11日
今日は家族で刺身の料理を食べていた。
松平家は刺身を購入したら、2日以上冷凍庫に入れたから食べるというルールがあった。
冷凍庫の2日間で、寄生虫のアニサキスが死ぬらしい。
実は若い頃、早希がスーパーで購入した刺身にアニサキスがついており、食中毒にかかったことがあり、ものすごく痛かったみたいだ。
そのため、松平家は冷凍してから食べる習慣がついている。
「醤油に隠し味のめんつゆを入れてるから美味しいね」
海人が母親を褒める。
「そうよね、解凍した刺身でも十分美味しいよね」
「そうだな。母さんの料理はいつだって美味しい」
実は、早希、料理の専門学校を社会人になってから1年間、通ったことがある。
今でいうと、リカレント教育だ。
父親の透は、母さんの美味しい料理と優しさで結婚を決めた。
実は、透は父親になるつもりはなかった。
一生、独身でいようと思っていた。
しかし、早希の手料理と優しさに触れ、結婚に前向きになり、二人は結ばれた。
早希は社会人になってから、料理の専門学校に通って良かったと思っている。
料理教室の先生になりたかったから、料理の専門学校に通い、有料物件に出会えたのだから。
今、早希は高い時給で料理教室の先生をしている。
教え甲斐があるとウキウキしている。
家族にも恵まれ、こんなに楽しい時間はないと思っている。
「こんにちは。7時のニュースです」
「緊急速報です。只今、ニュースが入りました」
「えっ、どうしたの」
「しっ、静かに」
紗夜の疑問に母親が注意する。
「昨日ニュースになりました、隕石が南太平洋に落下するとの報道ですが、
隕石の数が多く、AIで解析したところ、大気圏内で多くがチリになると科学者が発表致しました。
科学者によると、チリで太陽が隠れてしまい、急激な寒冷化が始まるとのことでした。
この後、田中(たなか)首相から緊急記者会見が始まります」
田中首相がお辞儀して、登壇した。
「現在、隕石群が南太平洋に向かっています。
天文科学者によりますと、2100年3月23日に隕石群が落下するとのことです。
この隕石は大気圏内でほとんどが、消滅するとのことですが、その時に、大量のチリが発生します。
このチリは人体に害はありません。
ですが、チリが太陽を覆い隠し、地球の気温がマイナス50度になるとのことです。
しかし、我々は悲観するべきではありません。
なぜなら、私たちは十分に準備ができているからです。
2070年の野間(のま)首相の気候生存戦略が我々にはあります。
その上で、私たち政府はこの3ヶ月間、準備します。3月は桜が芽吹く季節です。
絶対に、桜の開花までに、必要な準備を整え、この苦難を国民一体で乗り切りましょう」