隕石の落下予測のニュース
2100年1月10日
高校3年の海人は遅めの夕食を家族と一緒に取っていた。
姉の紗夜(さや)は唐揚げを美味しそうに食べながら、就活だと、給料のいい会社に入るんだと意気込んでいる。
母親の早希(さき)は希望のもてる会社に入って、ボストンのバッグをちょうだいと言っている。
父親の透(とおる)は、記念に飯を奢ってくれと言っている。
透は早希と比べて欲がない。早希はパートをしながら、掃除をして、料理もいつも作っているのだから当然だと思っている。
「こんにちは、7時のニュースです」
テレビが始まった。
「天文学者たちは隕石が地球にぶつかることを予測しました。
隕石の落下地点は南太平洋とのことです。
そして、隕石は非常にたくさん落下するとのことです。津波に気をつけてください」
「気をつけんさいよ、海人」
「いやいや、姉ちゃん落下地点聞いた。南太平洋だから、大丈夫だよ」
「からがいかいのないやつ」
「こら、煽らないの」
母さんがいつものように納める。
「隕石ぐらい大丈夫に決まってるじゃないか」
父さんが笑いながら安心させるように言う。
「母さんの作るチャーハンはやっぱり美味しいよ」
紗夜は話題転換に移る。父親の透はその話題に乗る。
「このエビと隠し味の唐辛子、美味いんだよな」
そして、海人も便乗する。
「そうそう、母さんってやっぱり料理上手いよね」
「それほどでもないわよ」
満更でもなそうな顔で微笑む早希。
海人の家庭、松平(まつだいら)家はこのように暖かい家庭である。
家族は一家談笑しながら、今日この日を過ごしていた。
3ヶ月後、苦難が待ち受けてるとも知らずに、今この時は過ぎていく。




