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詩集  作者: かいばつれい
14/25

疲労そして再起

 ぼくはひどく疲れていた

 

 疲労がぼくの身体を押さえつける

 

 ぼくの自由を奪い

 

 食事を 入浴を

 

 読書を 映画を

 

 一切合切を

 

 忘却の彼方に追いやった

 

 ぼくは手足と瞼の重さが増していくのを感じ

 

 薄れゆく意識の中で

 

 愛しき者の名を呟く

 

 アルテミス

 

 今宵はまだ貴方を見ていない

 

 永遠の友──銀色に光る星々よ

 

 まだ貴方たちに今日の話をしていない

 

 疲労がぼくを彼らに会わせまいとして

 

 羽毛の沼にぼくを引きずり込もうとする

 

 ぼくは抗った

 

 しかし虚しく引きずり込まれてしまった

 

 友よ ぼくを許してほしい

 

 疲労に敗北した弱きぼくを

 

 本当にすまない

 

 明日こそ 明日こそ必ず貴方たちに会いに行く

 

 きっと 必ず──

 

 ぼくは外界の扉を静かに閉じた

 

 

 明くる日の陽が沈んだ時刻

 

 ぼくはようやく目を覚ました

 

 休日は一日を終えようとしていた

 

 やれることはひとつしか無かった

 

 ぼくは夜空に浮かぶ

 

 大事な友人たちとの約束を果たしに外へ出た

 

 ぼくは昨夜会えずじまいだったのを詫びて

 

 望遠鏡を手にした

 

 星々はゆるやかに

 

 アルテミスはたおやかに輝いていた

 

 その輝きは

 

 愚かなぼくを許してくれているかのようだった

 

 明日ぼくは再び

 

 日常との激闘を繰り広げなければならない

 

 それは宿命であり運命である

 

 逃げることは許されない

 

 この世界に存在している限り

 

 安らぎは一瞬しかない

 

 それがぼくに課せられた定めなのだ

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