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52話 新学期

「ん〜….はぁ….学校なんて久しぶりだなぁ」


 一月と言う長いようで短い夏休みが終わりエナは眠気、疲れを振り払うように伸びた。


「なんで君は此処にいるのさ….」

「別にいいじゃないですか〜」


 ルシラーが校長室に入った先には何故かエナが入り浸っていた。


「一体何処から….」

「実は最近この街….と言うか別の空間に引っ越しまして、ほら!こんな風に」


 エナがそう言って人差し指を前に突き出し縦に切るように下ろすと、裂け目が現れた


「私が元々住んでいた家….もとい洞窟からその周辺を空間ごと切り取りコピーし、私が作った別の空間に貼り付けました。どうです!すごいでしょう!?」

「これまたとんでも無い事を….」


 ルシラーは早口にとんでもない事を喋るエナに驚きつつも何処か呆れたような反応を見せた

 

「では、私はこれで」


 そう言ってエナはテレポートによって一瞬にしてその場からいなくなってしまった


「あまり魔法の乱発はやめてほしいんだけどね…」





 時を同じくして…..



「ねぇ?まだなの?」

「それがー….我々も世界中探しているのですが….」

「いいよ、もう貴方達には期待しないから….あとは好きにして?分かった?」

「はっ、はい!分かり….ました。おい!いくぞ」

「あ、嗚呼….」


 そう言われ2人は恐怖と焦りを感じながらその場を離れた


「はぁ…私、何をしたいんだろ….ねぇ….教えてよ….」


   ぽろっ…..パキキキキ、カチンッ!




 さてと、流石にそろそろ教室に行かないと遅刻して怒られるのは嫌だし

 そんな事を考えているうちに教室に着いた


「おはよー、久しぶりだねミズキ」

「おはよう….エナ、時間ギリギリじゃない。もう少し時間に余裕を持たせたら?」

「間に合ったらそれでいいじゃん」

「いつか怒られても知らないわよ」


 そんな心配しなくてもいいのに….

 そんなこんなで私達の新学期がスタートした。とは言っても基本的には何ら変わらない1日だった

 魔法使いを育成する学校なのにペースがかなり遅いんだよなぁ

 後でルシラー校長に聞いておくか….


「エナ?一緒に帰る?」

「今日は1人で帰るから」

「そう….それなら仕方ないか、カノン、一緒に帰りましょう」

「う、うん…じゃあねエナちゃん」

「うん、バイバーイ….さて….どうもルシラー校長」


 私は2人と別れた後にルシラー校長の元までテレポートした。


「朝に続いてなんだい?」

「いや、魔法使いを育成するのになかなかペースが遅いなって思ったので」

「あー….一年生はまだそんなに大きい舞台には立たせてあげられないんだよ。怪我、最悪死が待ってる世界だからね。でも新学期からは一年生もする事が増えてくる。もちろんそこまで危険じゃないものばかりだけどね」


 なるほど、そりゃそうかあんな血も見た事ないような子供達にはこれが一番って事か….


「魔法界も考え方が随分変わったみたいで。魔法使いや若者が消耗品だった時代が懐かしいですよ」

「君がいない間にこの世界は大きく変わった。君も今の世界に置いていかれないように」

「分かりましたよ…後、話が変わるんですけど今も王族はいるんですか?」

「あぁ、いるとも」

「チッ!」

「ん?」


 エナはそう言われた瞬間に舌打ちが漏れた

 エナのその反応にルシラーは少し疑問を持ったみたいだった


「….どうしたんだい?」

「昔色々あったので、王族は嫌いなんですよ」

「へぇー、聞いても答えてくれないんでしょ?」

「そりゃーまぁ….」


 その返答にルシラーはやっぱり….と言った感じに反応した

 もう言ってくれないって思ってるんだ….


「まぁ聞きたいことが聞けたんで私は帰ります。それでは、オラァ」


 エナは唐突に何もないところを殴った瞬間ガラスが割れるように空間に穴が空いた


「さよならー」


 エナが入った後に何事も無かったかのように空間の穴が消えていた


「はぁ….問題児だ….あの子….」



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