fragment-1
つけっ放しのテレビ、暗い部屋。
悪臭さえも漂う部屋に可憐な少女が一人。
この部屋に似つかわしくない少女には清純さも感じさせる。
辺りの悪臭さえも近寄らせない。
『――いてのニュースです。昨日もまた連続殺人事件が起こりました。』
少女は不敵な笑みを浮かべる。
「あの人何言ってるんだろうね?」
『――顔をのぞく全てが発見されており――』
■ココロノカケラ■
それは昔の話。
ワンピースを着た女性が赤子を抱え、既に村人のいない廃村にいた。
「私に貴方を育てることはもう無理なの…」
そういうと女性は赤子を人の住んでいない家に置き去りにした。
それからいくつきも赤子は泣き続けた。
泣き続け泣き続け、ある日から赤子はなくことはなくなった。
とある日、ホームレス達が廃村に冬を越えるための寝床を探しにやってきた。
そして一人の男が赤子を見つけた。
男は全くなこうとしない赤子を不思議に思ったが、男は育てることにした。
それから数年、ホームレスの男でも手がかからなく、あまり金もかからず育てることが出来た。
「お父さん、今日はどこへ連れてってくれるの?」
「あぁ、今日はお前にも仕事をしてもらおうとな…」
少女はなんだろうと首をかしげた。
「でもその前に、俺も楽しみたくてな…悪いけど…」
そう男は言うと、少女の両手を押さえた。
「お父…さん?」
「俺だってこんなことしたくねぇーよ?でも金が要るんだよ…でもお前のはじめてぐらい俺がもらってもいいよな?」
少女は両足をばたつかせ逃げようとするが、所詮は子供。
逃げることなどでない。
男は少女を犯し、そして、少女を売春させ、金を手に入れた。
少女の方は知らないおじさんたちにきれいな服や、プレゼントをたくさんもらった。
但し、心には大きな穴が開いていた。
そんなことを繰り返しているうちに、男は立派な家を買うほどの金を手に入れていた。
そして、ホームレスから普通の人になり、ホームレス生活とはおさらばだった。
「お父さん?久しぶりにヤラナイ?」
少女の目に生き生きとした輝きはなかった。
男はしょうがないなあというように、服を脱ぎだした。
そしてベットに横になり、おいでというように待ち構えた。
少女は男に飛び込んだ。
手に包丁を握り締め。
男は一瞬で心臓を刺され、抵抗をする暇さえなかった。
少女は既に常軌を逸していた。
それからも様々人々に目をつけて、殺していった。
年齢を問わず、理由もなく。
そんなある日、街中でとある男を目にした。
一目ぼれだった。
だからどんな手を使ってでも彼と近づきになりたかった。
そのためには情報収集を怠らなかった。