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綾羽家

【綾羽家】


『どうだい、最近変わったことはないか』


 そういうのは九条雅人。

 綾羽の父親だ。


 前にもいったが、オレの両親と綾羽の母親は例のバス事故でいない。

 それ以来、彼がオレの法定後見人をしている。


 夕食はいつも綾羽たちととる。

 綾羽は学業もできるが、家事全般にもスキがない。


 綾羽父は以前は軍の特殊部隊にいたらしい。

 身長は185。体重も80kgの大柄でタフな外観を持っている。


 しかし、綾羽が生まれて軍を退役、普通に働いている。

 綾羽の家事能力が高いので、再婚を考えたこともないらしい。


『変わったことって言うか、最近やたらとスポーツ関係に誘われる』

『ああ、君は運動神経いいからな』


 綾羽父はさすが特殊部隊にいただけあって、

 体のキレがすごい。

 オレがスキルマックスでようやく動きがとらえられるぐらいで、

 現役を退いた今も毎日修行しているらしい。

 家にもトレーニングルームがある。


 何の格闘技なのかはわからない。

 綾羽父が言うには、軍格闘術だといっていた。

 かなり実践的である。


 格闘術だけではなく、サバイバル全般に習熟していて、

 時々一緒にキャンプにいくと、嬉々としてオレに色々教えてくれる。


 ただ、ゲテモノの味を解説してくれるのは勘弁して欲しい。

 それ聞いただけで、オレは軍には絶対就職しないと強く心に誓う。



『格闘技もいいけど、怪我しないでね』


 綾羽は格闘技が嫌いだ。


 だが、オレは知っている。

 綾羽は父親から護身術を伝授されていることを。

 だから、そこらへんの不良とかだったら、軽く撃退する。


 中学生の頃だ。

 突然、後ろから痴漢に抱きつかれたことがある。


 綾羽はあわてず踵で足を踏んづけた。


『いててっ!』


 痴漢が離れたら、腕をとって痴漢を投げてしまった。

 あれは、合気術みたいな技だな。

 コンクリートに叩きつけられて、全身打撲。

 骨も何本か折れたかもしれない。


 そのあとは碧空が倒れてる痴漢にエルボー。

 痴漢は完全に沈黙した。


 オレは綾羽たちの後方を歩いていて目撃したのだが、

 オレは密かに綾羽には抵抗しないでおこうと誓ったのだった。



 もっとも、綾羽はいつでも正しいので、

 オレも綾羽父もしょっちゅうお小言をもらっている。


 食器を片付けろ、とかトイレは綺麗に使え、とか。

 ものを使ったら、ちゃんと元通りにしろ、とか。


 いちいちごもっともだし、時々はオレの家まできてチェック始める。

 で、大掃除の開始だ。

 もちろん、オレは隅から隅まで働かされる。

 お前はオレの母ちゃんか。


 お陰で、オレの家は概ねピカピカだ。

 概ね、というのは綾羽チェックのあとは汚くなる一方だからだ。



 綾羽は学業も高校でトップクラスだ。

 順位が一桁からおちたことがない。

 あんまり勉強しているところを見たことはないが。


『授業を真面目に受けること』


 そうはいうが、それで点が取れるのなら苦労はしない。

 まあ、オレはあんまり真面目に授業を受けてないのは認める。



 その点は碧空もオレと同意見である。

 ただ、碧空は綾羽と同じ大学に行きたいらしい。

 このままだと全く無理なので、少し焦りがあるらしい。

 オレには関係のない話なんだが。


『キーくん、高2の後半になったら先生と面談があるわよ。進路を少し真面目に考えなくちゃ』


 オレの希望としては、海外に行きたいんだが。

 留学か、海外をうろつきまわるのもいいな。



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