表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

それぞれの、帰り道会話

①将生と愛実の場合


「いやー、なかなかいい見世物だったねあれは」

「私は胸が痛かったぞ。千花をだますようなことをしてしまった・・・」

「大丈夫大丈夫、田中はそれくらいで怒るような奴じゃないって!それに、元晴的には美味しい結果になったと思うしー」

「どうしてそう、将生殿は楽観的なんだ」

「そこが俺のとりえですから」

「・・・」

「ん?」

「・・・もう1年も経っているのに、なぜ諦めようとしない?」

「何を?」

「その・・・私のことを」

「・・・諦めたら、愛実さんはどう思うの?」

「質問に質問で返すのは卑怯だと思うのだが」

「まあまあ、考えてみてよ」

「・・・・・・少し、」

「うん」

「・・・・・・何でもない」

「えぇー、言ってよ、ずるいよ言いかけたのにー!」

「そちらが先に卑怯技を使ってきたからな。まともに返す必要はないだろう」

「ま、いいけどね。答えは出てるから」

「え?」

「去年と全く同じ位置にいるとは、俺、思ってないよ。少しくらいは近付けてるんじゃないかなって感じてるわけ。違う?」

「・・・・・・違ったらどうするんだ?」

「その答えが、違うってことを否定しているからいいの」

「・・・将生殿は、案外策士だな」

「愛実さんにだけだよ。俺が頭使うのは」

「もったいないことを」

「そんなことないよ。俺にとっては十分なことだもん。・・・・あ、赤くなった」

「五月蝿い」

「そんなとこが可愛いんだけどな。さ、駅まで送るよ。帰りましょ」




②純太と夕子の場合


「楽しかったけど、いろいろ疲れた・・・」

「ジュン君、お疲れさま。緞帳ばっちりだったよ!」

「そんな風に言ってくれるのは、夕子さんだけですよ・・・。テツさんたら、『キーキーうるさい音が鳴ってた』だの『あと2秒早い方がよかったな』だの、文句しか言わなくて。自分は客席で観てるだけだったくせに」

「一応臨時コーチだから、観て批評するって言ってたけど」

「そんなの言い訳ですよぉ・・・」

「ふふ、本当にお疲れさま。カップルグランプリもおもしろかったー。皐月さんは大変そうだったけど。あと、千花ちゃんも」

「なんていうか、あの2人は被害者って感じでしたねー」

「審査方法とか、よく考えたなぁって、感心しちゃった」

「・・・夕子さんも、」

「え?」

「やっぱり、憧れたりしますか?あの、ああいうシチュエーション」

「『壁ドン』とかってこと?」

「はい」

「・・・うーん・・・。あこがれないって言うとウソになるけど、実際にやられたら、狙い過ぎって引いちゃうかも。ちょっと気障ったらしいっていうか」

「はあ・・・」

「私は、ジュン君はジュン君のままがいいな」

「え、えっ?」

「無理しなくていいってこと。そのままのジュン君が、」

「はい」

「・・・その、あの」

「・・・はい」

「一番好き・・・と、思う」

「・・・最後だけ少し弱気ですね」

「・・・ダメ?」

「いえ、その・・・夕子さんらしい答えだな、と思います」

「そう?」

「お、俺も、夕子さんらしい夕子さんが、その、あの・・・」

「・・・うん」

「好きです。一番」

「・・・ありがとう」

「あ、いえ、こちらこそ・・・」

「・・・」

「・・・」

「ジュン君のこと、ハル君や千花ちゃんに紹介できてよかった」

「そうですか?」

「うん」

「そう言っていただけると、ホッとします。・・・今度、うちの家族にも会ってもらえますか?」

「もちろん!私でよければ、喜んで」

「じゃあ、家に帰ってから連絡とってみます」

「おうち、ついて行ってもいい?」

「え!?あ、え、あ・・・き、汚いですけど、えと、はい」

「まだ行ったことなかったねージュン君の家。楽しみ」

「あまり期待しないでくださいね・・・」




③哲也と皐月の場合


「ああ・・・疲れた・・・」

「お疲れさまー!楽しかったねー文化祭!」

「ど・こ・が!誰のせいで疲れたと思って・・・!」

「でもほら、おかげですべてうまく行ったじゃない?」

「うまく行ったって言わないの!ああいうのは!・・・とりあえず、演劇部の公演が大盛況でよかった・・・」

「シンシンの名司会のおかげだね。なかなか才能あるかも。即興に強いタイプだからな。そのかわり演技になるとむらっ気があるというか何というか。んー、どうしたら伸びるかな」

「・・・」

「・・・何?じっと見つめちゃって。哲也、照れちゃう!」

「気持ち悪い言い方しないでください!・・・演劇のこと考えているときだけは、まともに見えるなって思っただけです」

「・・・かっこよかった?」

「・・・いつもよりは」

「かっこよかったんだ?」

「ちょこっとだけですよ!というより、いつもがひどいんです!かっこよさなんてマイナスですからね!マイナス!」

「ひどいなー皐月さんたら。『顎クイ』までした仲なのに」

「あれは、指示されたからでしょ!」

「あ、覚えてない?合宿の時したでしょ。一日目の夜、初めてキスしたとき」

「・・・・・・・・・!!!」

「あ、思い出した?」

「・・・あ、う、あ」

「せっかくだから、今度フルコースでやってあげるよ。『壁ドン』からの『顎クイ』からの『耳つぶ』?あ、『耳つぶ』が先かな?シチュエーション的に『肩ズン』は別口で」

「遠慮いたします」

「ええー、そんなつれないこと言ってると・・・ここでしちゃうよ?」

「やっ、やめっ!やめなさいこんな場所で!」

「そう?じゃあお望み通り、場所を移すとしますかね」

「・・・はめられた・・・」




④元晴と千花の場合


「なんか、いろんな人に会ったね」

「そうだね。姉さんと純太さんに始まり・・・」

「哲也先生と皐月先生、マナとマサキ君。あと校長先生とか」

「・・・あぁ」

「ほらほら、あからさまにげんなりしないの!ハルのお陰で、皐月先生は助かったんだから」

「校長、しつこいんだもん・・・」

「ハル姫の大ファンだからねー。よしよし、がんばったね」

「はぁ・・・」

「マサと、例の女の子も見れたし」

「ああ、キョンキョンって呼ばれてた子だっけ?」

「ふふふー、なかなかしっかりしてそうな子で、お姉ちゃん、安心だわー」

「まだ付き合ってないんでしょう?」

「時間の問題っぽかったよ。あれは、マサが押し切られる方と見た!」

「青春だね」

「若いよねー。卒業してからまだ1年も経ってないのに、大学生と高校生って違うなーって思ったよ」

「そうだね」

「あー、もう一回高校生になりたいなー」

「そうなの?」

「あれ?ハルは思わない?」

「んー。高校は確かに楽しかったけど・・・また振り出しに戻るのはなぁ・・・」

「振り出し?」

「・・・」

「ん?何?・・・・・・ちょ!ちょっと何でこんなところで・・・」

「いいじゃん軽いキスくらいー」

「よくない!」

「えぇー?じゃ、後にする。で、もっとする」

「いらない!その宣告いらないから!」

「じゃ、宣告無しでする」

「・・・」

「高校の時はできなかったから」

「・・・ううううう」

「ふふ。ね、ちぃちゃん」

「何よ」

「僕、そろそろ家を出ようかと思うんだけど」

「え!?だって、せっかく自宅から通える大学にしたのに?」」

「うん。やっぱり、1人暮らししてみた方が、社会勉強になるかなって。姉さんが、社会に出てから一人暮らししたけど、やっぱり大変だったって言うからさ。学生の、のんびりした内に自分で生活する練習しといた方がいいって」

「・・・でも・・・ハル、あまり家事できないんじゃ?」

「んー。掃除は好きなんだけど、料理がねー。で、ちぃちゃん」

「ん?」

「一緒に暮らしませんか?」

「!?」

「二人なら、家事の分担もできるし、支え合えるし、寂しくないし」

「え・・・あ・・・まぁ、そうだけど・・・」

「誰にも邪魔されず、好きなだけイチャイチャできるし」

「・・・ハルさん、本音漏れてますよ?」

「どう?」

「ど、どうって言われても・・・ハルと一緒なんて、親がなんて言うか・・・」

「他の人がどう言うかじゃなくって、ちぃちゃんはどうなの?」

「・・・・・・・・・」

「千花」

「・・・!そ、そりゃできるならしてみたいけど、家を出るなんて考えてなかったし、今すぐなんて考えられないよ!」

「じゃ、OK」

「え?」

「引っ越し屋さんが比較的空いてる、来年の6月以降に引っ越そうと思ってるから。それまでに覚悟しといてね」

「え、えっ」

「あ、おじさんとおばさんは僕が説得するから大丈夫ー。というか、すでに話はしてるし。陥落直前だし」

「は?えっ!?」

「さーて、どこらへんで探そうかなー。ちぃちゃんも場所とか間取りの希望とかあったらじゃんじゃん言ってねー」

「ちょっと、ハル!ついていけないんだけど!?」

「大丈夫。・・・攫ってでも、連れていくから。ね?千花」

「ひぃいいい!」

やっと終わりました。こんなに長くするつもりはなかったのに(笑)

あとがきで、登場人物紹介と、簡単な後日設定を語りたいと思います。


『お姫様は健全な男子高校生』元晴&千花


腹黒ギャップ萌え美人が書いてみたくて元晴が生まれたのですが、なかなかにケダモノになってしまいました。千花ちゃんになかなか個性を出せず、苦労しました・・・。

きっと2人は、このまま同棲して、元晴のことだからついでに学生結婚とかにこじつけちゃうんじゃなかろうかと思います。千花ちゃんは捕らわれの身の上です。元晴からは逃げられませんな。



『愛でたし愛でたし』将生&愛実


『お姫様は~』の将生が好きすぎて、「よっしゃ!おかんがあんたに相手作ったる!」的なノリで作った2話目でした。まともな相手じゃおもしろくないのと、個性を出したくて、愛実さんが謎設定になってしまいましたが、結構気に入っています。

愛実さんがねー、折れないですねーなかなか。でも、将生もしつこい子なので、最後は勝ち取ることでしょう。キスまでしたのにねー。そこからが長いとか・・・がんばれ、将生。

おまけの、4人のダブルデート話は、本編が完成する前からできあがってました(笑)



『年上女子と年下男子のありがちなお話』純太&夕子


「先輩にいじられる後輩」が書きたくて、哲也と純太が生まれました。あと、年上彼女にしたかった。でも、この話は難しかった・・・!個性も出しづらかったし(哲也だけは飛ばしてましたが)。

途中であきらめようかと思いましたが、短めにして何とか書き切りました。

この2人はねー、のんびりだから、たぶん、元晴と千花の方が先に結婚しちゃうと思う!

でも、ゆっくり着実に愛をはぐくんでいってくれればいいなと思います。



『5段階恋愛』哲也&皐月


最後まで読んでいただいた方は分かると思いますが。

作者はこのカップル大好きです!(←おい)だって書きやすいんだもん!

すいすい・・・とはいきませんでしたが、2人とも好きなことをしゃべってくれるので、結構順調に書けたお話でした。『文化祭だヨ!全員集合』でも、だいぶ暴れてますしねー。

『5段階恋愛』の後日談が、文化祭の後のクリスマスの話となります。だから、来年度当たり結婚するんじゃないかな。哲也さん、そういうの早そうだし。皐月さんがデレていくのが可愛かった!

4つの中では一番気に入っている話かもしれません。反省点は、多々ありますがねー。



----おまけ----


万里


知らなかったんです・・・将生と名前が被ってることに!(笑)

投稿して何話か書いてから、「あれ?」ってなって、取り返しがつかないことに。

愛実さんも「ま」だしね。なんですかね、「ま」好きなんでしょうかね。

千花ちゃんが「千の花」だから、弟も数字にしたくて、こうなりました。

あ、ちなみに、元晴と夕子は天気関係です。生まれたときの空でしょうかね?

キョンキョンとの仲がどうなるのかは、ご想像にお任せ。



鳥二高演劇部員たち


没!個性☆

あぁ・・・ごめんなさい。もっとちゃんと個性的にしてあげたかったのに・・・。

大反省です。もったいない。でも、そんなに多くの人数を転がせないんです・・・作者が未熟なばかりに。

義成くんが影の支配者っぽくしたかった。そういえば慎くんが文化祭で妙に出ばってたな(汗)

もっと上手に書いてあげたかった子たちです。





----最後に----


拙い話ばかりでしたが、可愛い我が子たちを読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ