納品物との再会?
彼は頑張っているようです。
少しお腹が落ち着いたので、今後の予定を考える。
ダルマンは頑張っているようだから、顔でも出してみるか。
オーガさんにダルマンの居場所を確認してもらい、タブレットに案内図を入力してもらう。
これで、広い敷地内でも迷わずに歩けそうだ。
タブレットに導かれてダルマンの居場所を探すと、今はプールにいるようだ。
「お!元気に……」
「大老師! こちらに来られるとは聞いていましたが、ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
俺が声を掛けるよりも早く、俺を見つけたダルマンが挨拶をしてきた。
「大老師のおかげで今度のオリンピックではメダルを狙えそうです。すでに世界大会ではメダルを取りました」
「よかったなぁ、君の活躍はニュースでも見かけたよ」
「ありがとうございます。おかげさまで政府の要職に就くことができて、報奨金ももらえて家族が住める豪邸ももらえました」
「いや、それは君の努力の賜物だよ。努力しなければ結果はついてこないからね」
今日は休養日だが、柔らかい筋肉をつけるために水中でのウォーキングを取り入れているようだ。
合間にジャグジーでのマッサージ効果で回復しているらしい。
「体の調子はどうかな? 不具合とかはない?」
接合部を見せてもらったが全くわからない、さすがに不自然な傷があればメダルを取った時に問題になっただろう。術後の接合部に俺の培養液を塗り、ラッピングをして乾燥を防ぎ回復を促進させたようだ。
「他にも大老師の手術を受けたい人間が多くいて、誰が受けるか争っているようです」
「俺に言われても、決められないしな……。もし、閣下から話があったら考えておくよ」
「その際はよろしくお願いします」
ダルマンと話している間もカネルは俺の後ろをついてくる。
そろそろ太陽が頭の上に来たので部屋へ戻ることにしよう。
午後からは閣下にカネルの件でお願いをしなければいけないから、満腹になることは避けたいので昼食は軽めで良いだろう。カネルは3人前注文すれば良いし、俺が食べきれなければ喜んで食べるだろう。この小柄な体のどこに入るのかは不思議だ。
部屋へ戻るとオーガさんが待っていた。
「金剛寺様、今日の昼食ですが、重くない物が良いかと思いまして天ざるをご用意いたしました。また、少しですが和牛のサイコロステーキもご用意いたしました。カネル様には3人前とジョッキをご用意しております」
できる執事はちがうね……、こちらの心情を読み取ったかのようなチョイスだ。
ちゃんと大根おろしもついている。胃もたれ防止にも配慮されているようだ。
さて、お昼を食べて午後の会談に備えるとするか。
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