受精卵の選別?
今回もかなり科学要素ぎっちりになってしまいました。
難解と感じたところは雰囲気だけ感じてください。
ある程度成長すれば物語っぽくなるかな?
人間のiPS細胞は約200種類ともいわれる人間のどんな細胞にも分化が可能だ。全ての分化に成功したわけではない。まだまだ多くの研究者が研究中であり、その中でも俺は最先端を走っている。
そんな俺でもまだiPS細胞から生殖細胞を作り、受精させ、子供を誕生させたことはない。過去に亡くなった男性の体細胞から作った精子で妊娠したいという未亡人からの依頼を成功させたことはある。その時は性別は問題ではなかった。
今回は性別の指定があるから難問である。
まず男性化は後回し。
過去に生殖細胞に分化させ、精子を作ったとおりの手順で今回も精子をつくる。並行して卵子も成功させる。活発に動く精子を選ぶ、動きの悪い精子は何らかの欠陥を抱えていたり受精率が下がるからな。数ある卵子の中から少し大きめで、細胞質が円形でそれを覆う透明帯もきれいな円形のものを選びだす。これが受精率を高め、より良い成果を出すコツだ。
とりあえず選び出した精子と卵子を受精させる。俺の予想が外れ、男性が誕生したときは男性化開祖として納品すればよい。ようは男女のどちらでもよいのだ。
受精は成功し、いくつかの受精卵が出来上がる。それらを培養し成長させる。細胞分裂が始まり、4細胞期胚、8細胞期胚になったものを選別する。分割した細胞の大きさに差があるものや細かい粒粒があるものも排除する。
ここまで選別されても終わりではない。さらに分裂が進み、胚盤胞と呼ばれる状態になっても選別が行われる。成長の度合いが進んでいるものを選ぶのだが、内部細胞魂が密で数が多いもの、栄養外肺葉が密で多いものを選ぶ。これらを顕微鏡で眺めながら選別を行う。
ベストな状態のものでなければこれから先の成長に不安をぬぐい切れないからだ。
ここまですればかなりの確率で胎児になり、赤子になるだろう。
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