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失望者の異世界転生  作者: コバヤシ アキラ
第1章
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ある男の遊び

「おい、グレイトドラゴンの詳細は分かったか?」


帝国のある屋敷の地下に蝋燭の灯りだけが揺らめく。

低い声で龍の詳細を聞いてきた男は、その蝋燭の灯りだけでは表情も読めない。


「それが・・・その・・・グレイトドラゴンを倒したのは、あのヒューグという情報があります。」


そう報告した男は脅えていた。自分がヒューグを始末したと、冒険者を辞め、辺境の地に逃げ帰ったと報告していた。

そしてその手柄からこの男に取り入ったのだった。


「ほう・・・ヒューグはお前が始末したと聞いたが?」


男は冷酷にそう言った。その禍々しいオーラに気圧されてしまう。


「も、申し訳ございません!奴の腕は使い物にならないよう後遺症を残しております!再度私の駒を用いて暗殺しましょう!!何卒、私目にもう一度信用を取り戻す機会をお与えくださいませ!!!」


ヒューグというA級冒険者は魔法を使えもしない雑魚。最初はそう思っていた。だが、A級まで上り詰めた実績があり、決して油断することなく、職業暗殺者を送り込んで抹殺計画を組んだのだ。余裕だと思っていた。


だが結果は殺せず。暗殺者は逆に死んでしまった。

相手の腕に致命傷を負わせられたものの、奴はあろうことか冒険者ギルドの教官として残ってしまった。


これでは王国から追い出すという目的は達せられず、若手の冒険者を育ててしまう。

王国は冒険者に対して冷遇で、なんの保証すらもしていない。

魔物の脅威から国を守っている一番の功労者を理解していないのである。


だからこそ帝国はそこをつく。


王国の定住冒険者を排除し、魔物への対策に追われさせる。そこに帝国を動かさせ、戦争へと持ち込むのがこの底知れぬ男の考えであった。


だからこそ二つ名持ちの冒険者を暗殺する。それが無理ならば何らかの策を労して排除する。


そこで二つ名の戦闘狂を生かして、教官は不適切だと思わせる。狂ったやつだとの認識を広げる。

それに貴族を用いた。結果うまくいったのである。

裏から情報操作を行い。さらに貴族をぶつける。思った以上の成果を上げて排除できたのだ。


そしてグレイトドラゴンを王国へ追いやり、人を襲わせる算段を整え実行にうつした。


最初はテイムするために陥れたテイマーを用意したのに・・・失敗し、龍を追いやることにしたのだ。時間を取られたものの、追い出しは成功。

そこからの計画は順調に思われた・・・。だが、この結果である。


そして王国からヒューグの足取りは消えてしまった。

暗殺者という職業は貴重である。

弓と短剣を極め、シーフをⅦにしなければなることはできない。

このことを知っている者もごく一部しかいないし、極めるというのは生半可なものではない。その道に長けた者、一生を費やすほどに努力した者でなければ到達できない極地。


最早息のかかった暗殺者はいない。今いる駒で使えるのはシーフらへんだろう。

だが腕も満足に動かせない奴に劣る程、軟な鍛え方はしていない。


「ふん、いいだろう。次はないぞ。」


その男はそれだけ言う。話は終わり。さっさと行けという事だろう。


「感謝いたします。必ずやご期待に応えて見せましょう。」


任された男はその場から去った。

だが、この屋敷の主にとってはそれもまた遊びの一興にすぎない。


王国と帝国を争わせる。

ただのゲームであった。魔法も使えない冒険者がグレイトドラゴンを倒したなどとにわかに信じがたいが、そいつだけは今後邪魔な存在になるかもしれない。


生き残るならそれはそれで今後のゲームの駒となるだけ。


「クックック」


思わず乾いた笑い声が漏れていた。


――――


澄み渡る青い空に似合わない、漆黒のローブを着た男が一人。


極小の火球を放ち、ゴブリンを次々に瞬殺していく。

その小さな火球1発で的確に急所を当てていく。


魔物の核となる場所を見極めて放つその芸当は狩人の心眼あってのものだろう。

対単体戦における彼の戦闘能力は群を抜いている。


その軽い身のこなしと高速で放たれる魔法は誰にも見られることもない。

王国ではヒューグとエリーにより噂も広がらぬように処理されていた。


とはいっても、そのジンという若者も噂が広がらぬように依頼最低限の納品だけをすまし、残った魔石は収納している。


ギルドのカード履歴の討伐数を見なければその無双はわからない。


「ふぅー」


煙草を吸いながら小さな森でコーヒーを飲みながら休憩していた。


この世界にもコーヒーがあったのだ!紅茶が高級品なのに対し、コーヒーは貴族からは嫌われていたため、値段は物凄く安価であった。


これを飲むなら水を飲んだほうが良いという意見が大半を占め、一種の罰ゲーム等で飲まれるものとなっていた。


だからこそ見つけるのが遅れたが、安価だったため大量買いできたことは素直にうれしい。


「これの良さがわからんとは・・・まぁブラックしかないわけだし、砂糖が高価だから苦手な人が多いのは納得できるけど・・・」


それはそれで悲しい。

ミルク混ぜればいいだけなんだけどな。


魔法もレベルは上場。魔術について調べたが、実用化するなら武器に刻印するのが良さそうだ。

魔法なんだが、昔の教科書だからなのか、火なら火球とか炎壁とかいろいろ書いてあったけど、ある程度俺の想像してたのと変わらなかった。

ただ複合はなかったので、俺が全属性使えるのは言わないほうが良いみたいだ。


これならば俺の火弾のほうが強そうではある。

それと無と闇の使い方はわかった。


無はバリアとか属性に頼らないものをまとめて無というらしい。闇は目くらましとかそんな魔法が中心だった。


とりあえず、火と風メインで2属性持ちということで、通していこうと思う。

まぁ、そこは臨機応変にだけどね。


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