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引きこもり勇者がダンジョンマスターになったら  作者: ニンニク07
第三章 勇者強襲編
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戦力分析

「 えっ!?あいつら何?」


 森は消え、魔王は去り、勇者も立ち去った様子をモニターから眺めていた僕達。激しい戦いが集結し、何もかもが吹き飛んだ光景を見て、しばらく皆言葉一つ出せなかった。


 魔王アドラメレクを倒しダンジョン内を大幅に改良して、新たにガチャを引き金卵ユニークモンスターを増やした僕はこの世界で屈指の戦力を持っているだろうと思っていたがどうやら間違いのようだった。


 僕が持つアルカナ能力は難航不落の要塞も作れるチート能力でアルカナ能力中最強だと思っていたが、朝倉達の持つアルカナ能力も〈塔〉に負けないくらいチート能力で僕の〈塔〉が最強と呼ぶには無理があると感じた。


「他のアルカナ能力も大概だけどそれ以上に〈審判〉は反則だろう。死んだらパワーアップして復活とかチートも大概にしろと言いたい」


 いくらなんでも強すぎると叫んだが、アルカナ能力に詳しいガブリエルは僕の考えに反論する。


「〈審判〉は全アルカナ能力中最強クラスの能力だからあれくらいでは驚きはしない。アタシが驚いたのは〈星〉の方だ。まさか、あんな使い方があったとは」


 確かにガブリエルが驚くのも無理はないだろう。どうやら、前回の〈星〉の勇者は隕石を落とすなんて芸当しなかったようだ。だが、それ以上の驚いたのは、


「正直、隕石を見た時に死んだかと思ったぞ!」


 僕の言葉に通信室にいた全員が頷く。当然だ、広大な森を跡形もなく吹き飛ばすほどの威力だ。隕石が落ちてくるのを確認した時、僕達全員悲鳴を上げ我を忘れていた。しかし、衝突時にダメージはおろか揺れ一つすら起きない。ダンジョンのルールに、いかなる手段を用いても塔は物理的に破壊不可という一文がある。それに救われたようだ。


「本当によく無事だったな」

「ええ、流石に終わったかと思いました」

「全くだね」


 ガブリエルとガイアールが同意する。当然だろう。誰だってあの光景を見て死んだと思うに違いない。だが、恐ろしいことにあれだけの破壊が引き起こされたのにも関わらず、魔王も勇者も誰一人死ななかった。本当に驚愕すべき点はそちらかもしれない。


「あらゆる物理的ダメージを一度だけ無効にする魔法イージスと魔王が持つクリフォト能力か、まさか隕石落としを耐えきるとはな」


 あのガブリエルでさえ頷くばかり、それほどこの戦いは彼女にとって衝撃的のようであった。


「マスター、一階層に集結した戦力ですが、如何されますか?」


 ガイアールが問う。余りの戦いぶりに忘れていたが、当初は隙を見て魔王を襲撃する予定であった。だが、魔王も勇者もこの場にはもういない、戦力を終結させたのは無駄足になってしまった。


「無駄足になってしまったが、せっかく集まったんだし、一応、様子を見に行くか!」


 ガブリエルはここに残るというので、僕はガイアールのみを伴って一階層に階層転移する。




 新生第一階層、この階層は大幅に改装された。かつて草原エリアであったこの階層は、今はローマのコロッセオを彷彿させる巨大な闘技場となっている。


 その闘技場の舞台上にすべての金卵モンスターが集結していた。


「「「マスターご指示を!!!」」」


 外の戦況を尋ねてくるモンスター達に僕は戦いは終わったので、君達の出番はなくなったことを告げる。

悔しがるモンスター達だが、僕は正直言って出番がなくて良かったと思った。とてもじゃないが、こいつらでは太刀打ちできなかったと判断できたからだ。


 僕は集結した金卵モンスターを改めて確認する。


 すでにいる、スカルドラゴン、ビッグ・タートル、女帝蜂、ポイズンスライム、サクラに加え、新たに増えた金卵モンスターは七体。リッチーの上位種であるエルダーリッチ、次に三王と呼称した、ゴブリンキング、オークキング、コボルトキングの三体、アンデッドの騎士デュラハン、九つの尾を持つ妖狐クーアン、そして竜人ガイアールの七体だ。


 金卵モンスターは外の世界のレベルでいうとユニークモンスターと呼ばれ一体でも出れば国中が大騒ぎになる存在だ。それが合計十二体。己惚れるのは仕方ないだろう。だが、それはさっきまでの話だ。


 確かに強いが、それはバズさんのようなこの世界に住む戦闘員を相手にした場合だ。強力なクリフォト能力やアルカナ能力を持つ勇者や魔王には歯が立たないだろう。その証拠にアドラメレクに対しては時間稼ぎにしかならなかった。


 やはり、戦力の底上げが必要だろう。幸いな事にアドラメレクから回収した〈貪欲〉には殺した相手の力を奪う以外にも自分の力を他者に渡すという機能がある。アドラメレクは部下のオーガロードに自分が殺したセレンの冒険者の容姿を与えることで変装を施し調査隊に紛れるという使い方をしていたが、容姿ではなくもっと強い力、魔法や剣術、アルカナ能力だって与えることができるはずだ。


 とはいえ、当たり前の話だが、与えた力が僕の中から消えてしまうというデメリットも当然存在する。それにビッグ・タートルのような非人型のモンスターに剣術の技能を与えても意味がないように相性というものもあるだろう。そこらへんも慎重に考えなければならない。


「戦力の強化、モンスターの数を増やす以外にも、強い力を奪う必要があるな」

「でしたら、やはりガチャを引いてみてはいかがでしょうか?〈貪欲〉の力で個々の強さを高める以前に、基盤となるモンスターの種類を増やす必要があるでしょう」


 事情を理解しているガイアールが提言する。やはりこいつは参謀役に向いているな。


「確かにそうだ。ちょうど一週間経ったそろそろピックアップの内容も変わっているだろうから見てみるか」


 実はまだポイントを150000近く温存している。前々回のピックアップである妖狐と前回のピックアップあるガイアールがあっさりと出てしまったからだ。ガチャの精が同じ金卵モンスターは二度と排出されないと言ったので回すのを控えていたのだ。


「よし、ではガチャを回すか!」


 僕は金卵モンスター達にそれぞれの持ち場に戻るように伝えると、ガイアールを伴い最上階に戻った。


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