表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルテンの剣  作者: 刺身
第一章 『冒険の始まり』
7/14

第六話『暴走』

第六話『暴走』


大きな動物が北に向かう鳥を追うように日の落ちかけた夕暮れの空を飛んでいく。


「アハハハ…!アタシ飛んでるんだ…!速い速い!」


空を激しい勢いで飛ぶハーピー、変身したノアは人が変わったようにハイテンションで高笑いをしていた。


先ほどは変な騎士どものせいでそれどころじゃなかったが、今こうしてアタシは生まれて初めて外に出ているんだ!!

今見える景色は本で読んだような、また屋上から見えていた平原そしてその先に見える大きな森!

その更に奥には大きな水たまり、これが海か…!?

ハーピーの視力のおかげか遠く彼方の水平線まで見える!

そして狭苦しいあの敷地内では絶対感じられなかった清々しいほどの空気!

アタシは横を見ると今後は大陸の地平線の先にある沈みかけた燃えるような赤色の太陽を見ることができた

その上を見ると朝の青空とその夕日の色が混じったような薄い紫色の空に指輪についている宝石のような美しい星々が見えた!

何て素晴らしい景色だろう!

このままずっとこの空を飛んでいたい…!


「…?どうしたんっすか!?ノア!あの、様子が明らかにおかしいっすよ!?」 


急に人が変わったノアの首元の近くの羽の根元にめり込んだようにある青い宝石、カエサルはその様子を心配し話しかけた。


「うるさいなあ!折角こうやって気持ち良く飛んでるんだからさあ邪魔すんなよ、アハハ!」


(どういうことだ…?さっきのノアとは全く性格が違う!まさか変身の際の強い想像に暗示が働き、性格や思考判断にも影響を与えたというのか!…だとしたら変身はできるもののそれを制御できないのか。

いや、これは何か他にも干渉するものがありそうだ)


今度は急に話していた声のトーンが一気に落ち、カエサルはふと目のない視線をあげると…。


「アハハ…、そういえばスライムに変身してすぐ意識失ったせいで忘れてた…。

アタシをあの騎士達に告げ口したレイルスの当主ってアタシのご主人様なんだ」


「?」


「アタシを支えてくれたご主人様、でも今まで追っ手はアタシのご主人様が騎士にアタシが犯人だって言ったのは…、なんでなんだろう?

アタシがいつも迎えの際に御寝坊さんだったから…?それともいつも勝手に先にお土産を見ようと勝手に倉庫を覗いてたりなんかしてたから?それともアタシがソフィア姉さんに比べて役立たずの出来損ないだったから!?」


声が震え始め、日が落ちた薄暗い空にノアの涙が風に飛ばされ後ろへ流れていく。


(ノアは地下水道を出る前はああ呑気にしてたものの、記憶が曖昧であっただけであって連続で変身したことによる魔力の消費に加え、今まで一気に起こった出来事によるストレスで今の変身の状態をコントロールできていないのか…!)


「確かに外に出たかったし碧眼の勇者みたいに冒険もしてみたい…でもご主人様はアタシのことを見捨てたんだ、もうこれからどうすればいいんだろうね…アハハ、でも都合がいいや!アタシいいこと思ついたんだ!こうしてあそこの奥の鳥みたいにずっと空を飛んで冒険したらもうアタシを殺そうとする騎士に追いかけられてこんな複雑なこと考えなくてもいいって!だから…!」


ノアは口で羽根の根元にある宝石、カエサルをついばむと引きはがそうとした。


「まずい!今までの所有者にいたが変身した状態で私自身を外すと二度と元の姿に戻れなくなりますよ!」


「へえやっぱり?本能ってやつかな、これを取ればそういう感じになる気がしたの。でもいいんだアタシは」


「どうすることもできないのか私は…!。」


カエサルは腕も足もない体に力を入れようとしたが入らない。

そしてノアはそのまま口に力を入れたが急に…!


「あ!頭が痛い…!うああ!」


と苦しみはじめそのまま滑空した!


「ノア!」


カエサルは大声で口のない声で呼びかけるが返事はない。

そして二人は地面に向かって落ちていった。




  

肌がほとんど見えない黒色のフード付きのコートを着たとても背の高い青年が歩いていた。大きめのリュックを背負い深めに被ったフードからぎりぎり見える目は鋭い赤い眼光を放っていた。

ゆっくりと目的の北のイーストの港町へと歩いているとふと空を飛んでいる鳥がうるさく泣いているのに気が付いた。


「一体なんだ…?」


フードを上に少しずらして見上げると飛んでいる鳥たちの群れのすぐ後ろをとても大きな鳥が追いかけている。


「おいおい、随分物騒じゃねえか。まったく先ほどのレイルスの盗人事件の噂といい物騒なのは人だけじゃねえみたいだな」


昼頃休憩にレイルスの街によろうとしていた彼であったが、いざ入ろうとしたときにイーストの王国騎士に足止めを受けてしまっていた。

王国の秘宝を盗んだのであるらしい。どんなもんなのかは詳しくは教えてはもらえなかったがただ犯人は子供と聞いた。どうやらここの貴族の使用人であったらしい。

イースト王国の騎士団長が部下からその使用人が盗んだと聞いて騎士団を動かしたというが…


悪名高いイースト王側近の騎士団長ブロードさんのこったその小さい子が連続国宝窃盗犯なのかどうか怪しいもんだぜ。実際の犯人の特徴は全く違うってのによう。



追いつめられたところ逃げ出したため捜索していて俺もそれなりの時間を取られてしまった。

全く王国といい上を飛んでいる獲物を狙っているでっけえ鳥といい大きい力を持ったやつが子供や小さい鳥をないがしろにして生きてるざまを見ると腹が煮えたぎるぜ…!

そう思いつつ空を睨みつけていると


「…!?」


急にその大きな鳥が失速し始めた。


「な、…なんだ!?あの大きな鳥こっちに向かって飛んできてる!?…ってかこっちに落ちてきあがったぞ!?」

読んでくださりありがとうございます

少し遅れ気味になってしまいましたが第六話目を投稿させていただきました!


前回プレシアとディルの率いる騎士たちに追いつめられて二つ目の変身をしたノアですが今回この変身でノアの精神的な面が暴走してしまいました。

先ほどまではその兆しを見せなかったノアですが連続の変身から起こった体への負荷に加え自分でも気づかなかった今までの出来事による精神的な負荷のせいで起こったものです。

第三話目の後書きに紹介でも述べた通りノア自身感情は豊かであり基本ポジティブではありますが心の芯が弱い面があります。

今回はその面が強く出たという話ではないかと思われました。

話の後半でお察しの通り新たに物語において主要な登場人物が出ますがこれは次回でのお楽しみに


次は前回でも述べていたノアの変身についてです。

今までの話出た変身の紹介だけさせてもらいたいなと思います。


NO.1スライム

色としては一般的なイメージの水色で形状としては第三話のカエサルが言った通り液状に近いものです。

体の中に核のような感じで宝石(カエサルの本体)が浮いているのが透けて見えます。必ず変身の際には剣自体は消えることが多いのですが体のどこかの部位にカエサルがくっついています。この宝石を無理やりに外すと今回の話でも合った通り大変なことになります。

この変身にあたってまだ一回しか変身していないですが今のノアの魔力では頭の形をぎりぎり保てるくらいで某ゆっくりみたいなことになってしまいます。

形状の自由な変化等はスライムの特権ですが先述した通り頭の形を保つのが精いっぱいでありこれ以外に変身しようとするとただの液体になってしまいます。

ちなみに移動等もできないようです。


NO.2ハーピー

前回の話と今回の話で登場した姿です。手は羽に服は羽毛に代わり方の付け根辺りにカエサルが付いています。ちなみに羽等の色はノアの髪色と同じく金に近い茶色です。

この形態だとスライムとは違って形をしっかりと保っているかつ自由自在に体を動かすことができるのですが普段と比べ高飛車で傲慢な性格になります。

元々この姿の場合はそのせいもあり精神面的にコントロールが難しくノアが暴走する原因ともなりました。


次回は新しく登場するキャラについての解説を加えたいと思います!

なんか毎回後書きが長くなってすみません><

ですが今回の話で感想等がありましたら些細なことでも頂けたらとても励みになりますのでどうかよろしくお願いいたします!


最後に次回の更新ですが3日後前後を予定しております。

後書きも最後まで見てくれてありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ