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ルテンの剣  作者: 刺身
第一章 『冒険の始まり』
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第四話『下水道を照らすもの』

第四話『下水道を照らすもの』


「ボクは生まれた直後、医者に見てもらって理由についてはよく話してもらえなかったんだけれども男でも女でもないらしいんだ。ただ両性の象徴となるものを持っていないんだって。なんだろうね?」


ノアは腰のベルトにカエサルを鞘ごと入れ(かなり抵抗されたが)頭の後ろに手を組みながら薄ぐらの下水道を道なりにゆっくりと歩いていた。もちろんカエサルの柄の部分にある光る宝石が照らさなきゃ前も見えない。

こうしてみると独り言のようにも見える。


「養子に雇うなんてアンタのご主人様は胡散臭いほど人がいいっすねぇ…

ってか、なんっすかそれ!

男でも女でもないだって!?

…ああ、でも男でもないんなら女って言う理屈で使えたってことか…、う~んってかアンタ何もない!?あれだったりあれとか?」


「あれって言われても全く分からないよう」


「ハハ…そういわれればそうっすね。」


カエサルもやっぱ自然におんなじ人間みたいに笑うんだなあ。

でもなにを言いたいのか分からなかった。


ボクはカエサルのほうを向きたかったが顔を下げてわざわざ剣の方を向く気にもなれなかったので顔を天井のほうにむけるとノアはゆっくりと口を開いた。


「ボクの方は話したんだからさ、カエサルもなんか話してよ!」


「いきなり唐突っすなあ…」


「カエサルって人間なの?」


「見ての通り人間には見えないじゃないですか。私はただの通りすがりの剣すよ。」


「そうなんだぁ、珍しい通りすがりだね!」


「あんた疑いもせずに…」


「カエサルがタダの通りすがりの剣って言ったんだからタダのオンボロの剣なのさ!」


カエサルはノアに対して呆れてため息交じりの返事をしたがノアは相変わらず、視線を上げたままニコッと笑う。


「…、オンボロは余計っすけど!!」


カエサルは聞き逃さずにたしなめると


(…。でも今回の持ち主は随分と面白いやつだな。それに今までのより純粋と来てる…、前回の持ち主があまりにも酷かったが今回に関してはこの能力を正しい使い方をすることができると多少期待してもいいかもしれんな…)


と笑う口も持たないが心の中でほくそ笑んだ。


「そう言えば、結局あんたは自分の性別についてはどう思ってるんだい?」


カエサルの質問にノアは即答した。


「ボクは男さ!…、さっきも言ったけどボクが男って言ったからにはボクは男なのさ!

 お医者さんから赤ちゃんが産めない体だって言われちゃったのは残念だけど」


「はい?まあ、私が色々とそれについて述べるのは野暮なんでももういいでしょう。言ってもわからないと思うし…しかし納得いかないっすけど、まあどうしてそこまで男であることに憧れを抱くんっすかねえ」


「これさ!」


ノアは一冊の本を取り出した。題名は碧眼の勇者という名前である。


「ほほう、私手がないんで…いやいやわざわざ中見せんでいいっすよ。内容は知ってます。アイスバーグに落ちた隕石の衝撃の中の唯一の生き残り。実際に500年前以降が不明である歴史の中でもに唯一詩に残された古代の勇者。彼の名前は記載されてはいませんがその後現れた、晶と呼ばれる世界を統一しようとした国に対し世界をまとめ、反旗を翻しその晶王を打ち倒してイースト、アイスバーグ、カトレアの三国を築いたという。

今はカトレアはアイスバーグと併合してしまって存在ましないらしいですけどね。

 まあ、あの人について分かることといえば碧眼であることと中性的な顔、男であることぐらいですけどね。」


「そそ!だからボクはその勇者になりたいんだ!だからボクは男ってわけさ!」


「あんたガキかい?実際500年以降の歴史が明かされてない中、タダの童話かもしれないのに」


「うう…オンボロの剣のくせにぃ…。」


ノアは表情を曇らせてこちらをじっと見て不満そうにぶつくさ言う

はあ、とカエサルはため息をつく。しかし実際見た感じ15歳を行くか行かないかくらいであろう。

この歴史に関しては歌の詩で語り継がれてきたというだけで実際の根拠があるとは言えない。

しかしこの歴史に関しては…

とカエサルが黙っているとノアはパッと顔を明るくした。


「でもさあ!500年以降の歴史はまだ分からないんでしょ!?だったら千年ごとに復活するっていう晶王の怨念のことも嘘じゃないってことだよ!ふふん、じゃあ次復活するときはボクがその勇者になる番だね!」


「おお、そうかいそうかい…。」


カエサルはあきれて軽くあしらったが、ボクはこの本を読んでからずっとそうなりたいと思っていた。

確かに今起きていることは理不尽でとても危険だけど、もしかしたらこのピンチもこれから起こる何かの始まりかもしれない…!そう思うと胸が高まった!


「はあ、あんたは本当何があっても基本ポジティブで笑顔を絶やさないそうっすねえ。」


カエサルは嫌味のつもりで言ったがまだニコッと笑っている、流石にここまで来ると疲れるなと思っていると


「やった!カエサル!出口近いね!!」


という"彼"というより、やはり少女の声にしか聞こえないこの子供の声が聞こえた。

カエサルは動かす眼も無いが視線をあげると遠くに橙色に染まった夕暮れの光が差し込む。その光が当たったノアの横顔を見ながら、…この剣を扱えるのは少なくとも男ではないんだがなあとカエサルは心の中で呟く。

読んでくださりありがとうございます!

第4話を投稿させていただきました!


今回のお話なのですがノアの性別についてと物語のキーとなってくる碧眼の勇者についての簡単な説明が話題となっています。

現時点では碧眼の勇者の伝説は童話として語り継がれているお話ですがお話の通りいくつかある大きな伝説の一つに過去に絶対王政と力による弾圧で世界を統一しようとした晶の国の王に抵抗しうち滅ぼし現時点の三国を築いたという話があがっています。

このことは事実である事から本当に過去にあった歴史であるという意見とタダの童話であるという意見が分かれているようです。


次回の予告をさせていただきたいと思います。

第五話では前回あまりぱっとしない液状のスライムに変身したノアですが地下水道を抜け再び変身することになります。

その姿に関してですが次のお話にて…。


次話の更新は同じく2,3日後とさせていただきたいなと思います。

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