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プロローグ

注意、原作から発展させた異変の二次創作です。

原作ゲームの内容のネタバレを含みますので、まだプレイしていない方、ストーリーを知りたくない方はすぐに戻ることをお薦めします。

 幻想郷にいると、現実と非現実の区別がつかなくなってくる。何せ、化物はいるわ異能バトルはあるわ人間が魔法を使うわで――、だが、それらは慣れの問題で、自分自身もそれと同じ体験を毎日していると、『そうなんだ』くらいにしか思わなくなってくる。そう思い始めると重症だ。そうなると僕は既に非現実に侵された、非常識の住民になっているのだろうか。

 人間を襲わないチート級の半人半吸血鬼。

 見ただけでその技術を盗めてしまう魂喰い。

 古代竜の精神と共に生きる人間。

 神聖な神の傍らから下賤な地上に堕とされた元天使。

 辺鄙へんぴな村で人柱として祀られた双子の空亡様。

 傷を操り、重力を無視する永遠を生きる蓬莱人。

 なるほど確かに幻想郷は非常識の宝庫だ。しかも、例外なく、全てが非常識で構成されている。常識という概念――、そう言ったピースはなく、非常識というピースだけで創られたパズルのようだ。

 世界=パズル。

 稗田の令嬢さんが同じことを言っていたと思う。『この幻想郷という世界は黒いピースで出来ているのです』。何故黒いピースなのか、それは、幻想郷とは言ってしまえば、隔離された場所だからである。

 世界に拒絶されたモノの集まる場所。

 幻想郷。


 さて、この非常識で構成された幻想郷で、仮にこんなモノが出たとしたらどう思うだろう。

 ――空飛ぶ宝船。

 多分、多くの者が信じないだろう。残りの少数の内の半分以上も『ああ、そう』で終わるかもしれない。――しかし、余りの皆はどんなモノを想像するだろうか。多分、神話のノアの箱舟に出て来た箱舟が、そのまま空を飛んでいるイメージが多いだろう。少なくとも、今回の主戦力三人はそう言ったのを想像した。

 木製の大きな大きな箱舟が、オールを翼の代わりにして風を切り、空を飛んでいるのを想像した。

 実際、外に出て上空の青空を見上げてみれば、本当にその通りに箱舟が飛んでいた。――その光景には眼を奪われ、心を奪われ、それと同時に思った。手も届かないような、遥かな高みに、強く願った。


 ――絶対に捕まえてやる、と。

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