ぬくもり
大変、ご無沙汰しておりました。
私もまた、生きている身。
ゆっくりと、遅遅としたものではありますが、またエルピスと共に、皆様に癒しをおおくり出来れば――と、思います。
ほっと、一息。
太陽の温かさに包まれて、ひと呼吸。
手の背に射す光。
髪をさらい揺らす風。
木の葉のせせらぎ。
誰かの祝福の歌声。
それらに満たされたこの場所が、私にはとても心地よい。
生者には各々、それぞれに心がやすらぐ場所やものがあることでしょう。
私が、成すことが出来ればよい、と願うことのひとつは、やはりその癒しを生きている時間の内に、より多く感じていただくことです。
ある人は、私が手を握り微笑むと、それだけで、
「ありがたいなあ」
と微笑みを返してくださいました。
また、ある人は、聖歌の響きに耳を傾け、
「この歌声が、わたしの一番の癒しですの」
と小さくも嬉しげに呟き語ってくださいました。
手を重ね、この掌のぬくもりを差し出すとき。
微笑みを向け、この心のぬくもりを注ぐとき。
癒しの力と言の葉で、《アクティース教》の神官としてのぬくもりを、生者たる方々におくる、そのとき。
確かな心のやすらぎが――ぬくもりという名の癒しが、そこにあることを、私は願わずにはいられないのです。
――どうか、今日もまた。
生きとし生ける、全ての命に――この祝福が届きますように。




