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友好の証

 サークラ様案内のもと、職人達のいる建物へ向かう。

 そこでは二十人ほどのエルフが、革を加工したり服などを作っている。一人のエルフが訪問者に気付き、近寄って来た。


「サークラ様」

「調子は如何ですか?」

「ええ!とても順調です!後ほど伺おうと思っていたのですが。アイル様にお渡しする品は、明日には完成すると思います。数点ですが、あとは微調整するだけの物もありますので、一度身体に合わせてみますか?」


 こちらへどうぞ。と、エルフの職人に案内され、建物の奥に進む。


「やはり、慣れない翼の付け根の部分に苦戦しておりまして。」


木の台の上に、リストバンドやレッグバンドなどの小物が置いてあり、革鎧が木筒の様な物に被さっている。革は、白に緑がかった色で、とても美しい色だ。

 既にリストバンドやレッグバンドは出来上がっており、革の靴と防具類があと少しのようだ。


 上半身に身につける革鎧は、横腹部分に紐の結び目があり、そこで背側と胸側を固定するようだ。翼の部分は、背側が翼の付け根下半分。腹側の鎧が翼の付け根上半分の位置まで覆っていて、革鎧をつけると翼の付け根の部分は重なるようになっていた。


「フォレストタイガーの革は、とてもしなやかの割に丈夫ですから。打撃には弱いですが、斬撃や魔法に対しては並外れた防御力ですよ。」


 エルフの職人は、楽しそうに解説しながら革鎧を身体に合わせてくれた。


「如何ですか?翼の動きは、阻害されませんか。」


 翼を広げ、動かしてみるが気になる様なところはない。


『ええ。大丈夫ですよ。』

「それでしたら、革鎧は、紐を通すところにカバーをしたりと微調整するだけです。次は、ブーツを見ていただけますか?」


最終的には、全てを試着することになってしまった。明日の昼前には、出来上がるとのことだ。朝一にもう一度伺って欲しいとのことなので、了承の意を伝えた。建物を出ると、アイサーから誘いが来た。


「アイル殿、お土産にするお酒を選びに行きませんか?」

「アイサー、貴方はお酒を飲みたいだけでしょう。アイル様、今晩の宴の際に何種類かお出ししますので、そこでお選びいただければと思います。メイサー、あとで選んだ物を教えてくださいね。」

「かしこまりました。」


 アイサーの企みは、サークラ様には筒抜けのようで阻止されてしまった。アイサーからの提案に、私もワクワクしたが、夜にいただけるとのことなので我慢しよう。







 宴も終えた翌日の昼、職人たちから革鎧などの革製品を受け取り、身に付けている。

 サラ村の入り口では、サークラ様、メイサー、アイサー、それに戦士達や他にも複数のエルフが見送りに来てくれた。シールスとリンシーの姿は見えない。リンシーは、まだ引きこもっているのだろう。


「アイル様、こちらをお持ちください。」


 数名のエルフがフォレストタイガーの素材と三樽もの酒を運んで来た。サークラ様曰く、あの量の素材は貰いすぎです、とのこと。こちらとしたら、三樽も酒をいただけるので、フォレストタイガーの素材は全てエルフに渡したいくらいだ。サークラ様に感謝を伝え、魔法を発動する。宙に発現した黒い空間へ、運ばれてきた樽と素材を収納した。

 メイサーとアイサーは、この短期間では空間魔法を会得することはできなかったようだ。メイサーが、黒い空間を食いつく様に見ている。


「アイル殿、行き先は決められましたか?」

『ええ。まずは、南の方に行ってみようと思います。」

「スプマンですか。それは良いですね。」


 昨晩、戦士の一人がナバ王国では香辛料という物が作られており、とても美味しいと言っていた。エルフによっては、好き嫌いが分かれるそうだが。

 ナバ王国から流れてくる香辛料を、スプマンの街でも味わえるとの事で行き先を南にしたのだ。


『では、そろそろ』

「アイル様!」


 出発しようとしたところで、村の方からシールスが走ってきて、呼び止められた。シールスの後ろには、ソー爺とセン爺もいる。


「間に合ったようでよかった。こちらを、お持ちください。」


 糸のような物で編み込まれた紐を手渡される。


『えっと、これは?』

「エルフとの友好の証でございます。今後、エルフと関わりがあった際は役に立つかと。その身につけていただければと思います。」


 そういう事ならと、二の腕あたりにグルグル巻いて紐を縛る。


「あと、こちら。宜しければ、道すがらお食べください。」


 追いついたソー爺と、セン爺から大きな袋をもらう。中身を見ると、肉やチーズ、少しの魚の燻製が入っていた。


『ありがとうございます。』

「いえいえ。滅相もございません。道中お気をつけて。」


 そういうと、三人は膝をつき頭を下げた。

年長者三人の行動に、他のエルフが騒めき立っている。私も急に頭を下げられたら、どうして良いのかわからない。


 再びエルフ達へ感謝と、また村に立ち寄らせてもらうと伝えて、村を後にした。

エルフとの出会い編、終了です。次回は閑話です。

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