ハッピーエンドは週2で欲しい
超スピード完結
宙に浮かぶ淫魔リリスに真っ先に向かって行ったのは †ダークネス† ユーリだった
「†ダークネス† ”奥義” 無明絶影」
えっ、†ダークネス† 君、和風モダンなの? キャラブレてるよ
「ーーーーッ!? 重い......ですわねぇ♪ 無手でコレだけとは♡」
キャラブレどころか姿がブレたと思ったらリリスの背後から突如現れ、鋭い蹴りを見舞う†ダークネス† ユーリ君、えぇ......メッチャかっこいい......
「おいらも忘れねぇでくれよぉ、ほぉらいっちょ踊るべや」
いきなり盆ダンスやめろ あれ? なんかスゲー体から力が溢れてくるぅ〜↑
「......あらぁ♪ 踊りで仲間を鼓舞する”ハカ”と呼ばれる失われた秘術ですかぁ♡ とっても情熱的な手付きですわぁ♡」
どー見てもおっさんの盆踊りなんですがそれは......あぁ^〜力がみなぎってくるんじゃ〜
「みんなスゲェーっすね! 俺っちも負けてらんねぇっす! サイキックパワー全開ッ」
チャラ男ユーリから魔力とは異なるサイキックパワー的なものが発せられると周囲の地表がエグれ巨大な岩石がフワフワと宙に浮かび、リリスへ射出される
「ふふっ♪ 念動魔法なんて凄いわぁ♡ でも残念♪ ”対消滅呪文”で消えてなくなぁ〜......グビュ!?」
あっ......それ、魔法じゃなくて超能力なんすわぁ(笑) うわぁ、顔面に直撃だよぉ......まぁ! 顔面セーフってことで!
「まだまだ行くっすよ! オネェさん! 避けてくださいっす!」
「ご、ごのぉ! もぉう許さないわぁ! 泣いて許しを乞うまで可愛がってあげる!」
あちゃ〜、ガチおこだよあれ......うわぁ、スゲーヤバ谷園な魔法陣めっちゃ展開してるぅ〜↑
「ふふふっ♪ たぁ〜いせつな桃尻♡ ですものね......傷付けない様に抑えて......あ、あらぁ!? どうして”対消滅”を!?」
「妖の術理は誠、複雑怪奇......なれど、その術理......既に我が手中にあり」
陰陽師ユーリ! ”対消滅”とか俺でも実戦では使えない高速演算処理が必要な術を!? 一度見ただけでッ!?
「......皆様! 準備は整いました! 参りましょう!」
俺の封印魔法その名も禁忌魂縛りを発動させると禍々しい”幾重もの鎖が淫魔リリスへ向かって伸びる
「ヒィッ!? そ、その鎖は”魂縛り”その術は葬り去られた神々の”あ”ぁ”ぁ”あ”あ”! 」
鎖が淫魔リリスへ巻き付くと、リリスは絶叫を上げ地に墜ちた 堕ちろ! 墜ちてたな(指差し確認)
「皆様......これにて成敗は成就いたしました......何とお礼すればよいやら」
”魂縛り”で転がしたリリスを放置プレイしながら並行世界のユーリ達へ感謝の言葉をかける
「いやぁ〜何かあっけなかったっすね? 第三形態とか無いんすかね?」
やめて差し上げろ、後ろで転がってるリリスさんめっちゃビクンッビクンッしてるぞ
「踊ってただけだよぉ、まぁた呼んでくれりゃいくらでも踊っからよぉ」
マジで盆ダンスしてただけなのに縁の下の力持ちすぎたぜぇ......さすが追放系OJISANユーリ
「†ダークネス† この身は闇を追い求め忘れ去られた渇望を忘却の彼方に見た」
うん......†ダークネス† 我が闇の半身よ 歓喜の泡沫を抱き眠ろう
「万事、恙無く解決しましたな......また、お呼びとあらば馳せ参じましょう」
陰陽ユーリ......陰陽要素皆無だったけど一番スゲー活躍サンキューでぇ↑ す
言葉を交わし終えると同時にユーリ達は役目を終えたとでも言わんばかりに元の次元へ帰って行った
「さて......淫魔リリス......報いを受けていただくとしましょう」
「ヒィッ! や、やめてぇ! あぁ♡」
俺は”魂縛り”でリリスの魂を俺の魂と結んだ
リリスに巻きついていた鎖は俺の体に吸収されると同時に、淫魔リリスはその力の根源を俺に奪われた
「あらぁ? これだけ? ど、どうしてぇ?」
「......淫魔リリス、あなたには私の側遣リリスとしてコキ使わせて頂きます......期間は私の寿命が尽きるまで」
ヘッヘッヘ、こんなドスケベ淫乱サキュバスは俺がトコトン、セクハラしまくってやっからなぁ(ゲス顔)
「......ふふっ♪ 最初から......頼めば......よかったのですね♡......はぁい♡ このリリスお側近くご奉仕いたします♪」
「期待していますよ? リリス」
サービスで心からの笑顔をお見舞いするとリリスは卒倒しました ニコポッならぬニコドッっすね(口調移り)
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王宮の玉座へ戻った俺を待っていたのは目元を真っ赤に腫らしたマリー殿下とその取り巻きガールズ達だった
「マリー殿下......このユーリ、戻って参りました」
「ユーリ......ユーリなのだな? 妾の......ユーリ......」
ふらふらと覚束無い足取りで歩み寄る殿下を迎え入れる様にして抱きとめる
「あぁ......そうだ......この、大きな......暖かい......ユーリィ......すまぬ、妾はユーリに」
不敬と言われるだろうが俺は殿下の震える唇にそっと自らの唇を重ね、離れる
「殿下......私は婚約破棄された身にございます......今の不敬を持って我が未練たち切らせて頂きました」
「ユ、ユーリ? な、何を言って......?」
唇を重ねるだけのお子ちゃまキスだけで蕩ける様な顔を晒すマリー殿下マジウブ過ぎる
「......マリー、我が娘よ......判らぬのですか? ランドスター卿は其方から身を引いたのです」
玉座の間に厳格でありながら力強いマリアンヌ女王陛下の声が響き渡った
「は、母上!? 身を引いたとは......わ、妾の断罪が原因だとするならばッて、てっかーーーー」
「なりません......マリー、我が娘よ......ランドスター卿の献身を水泡に帰すつもりなのですか?」
「先ほどから一体、何を......おっしゃっておられるのです? わ、妾は......ユーリと......」
「殿下......既に平民イスパを妬んだユーリを断罪した殿下の話は国中へ広がっております......そして、イスパは既にこの世にはおりません」
真相を知らぬ者達からすれば破棄された婚約を再び戻せば、それはイデカ国へ一領主に過ぎないランドスター家が軍事的な圧力をかけて戻させたと思われかねない
そして、それはイデカ王国の沽券に関わる重大な問題となってしまう
「あっ......そ、それはッ! イスパは淫魔で! ユーリは! こんな妾を......あっ、そ、そ”ん”な”......妾の......わ”ら”わ”が......じぶん”で......い”、いあ”だ! ユーリィ! ユ”ゥ”リ”と”ーーーー」
「哀れで......可愛い......我が娘よ、誰よりも深く、傷付き......それでいながら気高く振る舞うランドスター卿を見なさい」
ファ!? いきなりキラーパスやめろぉ!
「ユ”、ユ”ゥ”リ”......妾は......ユーリと添い遂げたい”! い”あ”だ! い”あ”だ! ユーリーーーー」
「殿下......御免ッ......」
俺は半ば錯乱状態の殿下に催眠魔法をかけると、殿下はスゥーっと幸せな夢の世界へと旅立った
「陛下......不調法を平にご容赦の程を......」
先程までの泣き腫らした顔から一転して幸せな笑顔を浮かべるマリー殿下を抱き上げマリアンヌ女王へ頭を下げる
「......ランドスター卿、いえ......ユーリよ、話は全て聞きました 此度は我が娘のお遊びに付きわせてしまった様ですね?......ここから先は私の独り言故、答えずとも構いません......望めば、全てを手にできたはずです......なぜ?」
確かに......ランドスター全軍は既に一領主の私兵という枠組みでは収まらず、望めばこのイデカ国のみならず、人族の国々......ケイマーヌ大陸を統べることすら容易いだろう
「畏れながら......忠義とは形なきものにございます......愛も、喜びも、尊ぶべき多くのものが同じ様に......私は思うのです......形ある物はいずれ壊れると言いますが......それでは形なき物は忘れ去れてしまうのか? と......永遠に語り継がれる事はないのか? と」
「”永遠に語り継がれる”......ユーリ、そなたは見つけたのですね? それを」
「......ッハ!」
「......我が娘が其方を失ったのはイデカ王国最大の損失と言えるでしょう......ですが、其方がこれより歩む道はその損失を補って余りあるものとなることを願っています」
「マリー殿下にこの忠義を......たとえ伴侶として支えること叶わずとも......臣下としてお支えいたします」
「......大儀である」
マリアンヌ女王陛下は俺からマリー殿下を抱き受けると玉座の間から出て行った
ふっ......なぜ世界を統べないのか? なんて言われてそれっぽい事言ったが......俺が望むのはチヤホヤドスケベハーレム......スケべな男にゃ世界は重いぜ......早く帰って月影にセクハラしなきゃ(使命感)
「これから......忙しくなりますね」
誰に言うでもない独り言であったが、玉座の間にはやけに響いた
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「〜〜〜〜はいっ、おしまい」
煌びやかな王宮の中でも王が住う離宮の一室でイデカ王国の”王女リリー”は母である女王マリーから絵本を読み聞かせてもらっていた
「え〜! 母上! 続きは? ユーリ様は? どこへ行かれたのですか?」
英雄譚”ユーリ・ランドスター”の絵本は世界中で子供達に夢と希望を与えていた
「あぁ〜、それは〜......ま、また今度ね? ほらっ! 早く寝るのですよ!」
そう言うと女王マリーはそそくさと”愛娘リリー”をベッドに押し込むと足早に寝室を出て行ってしまう
「むぅ〜、母上はいつもユーリ様のお話をする日は冷たいのです」
愛娘の抗議の声を受けても女王マリーは戻ることはなかった
「ハッハッ、ユーリ! ユーリ! 今日はユーリが来る日!」
離宮の廊下を上機嫌で足早に駆けるマリーは自身の寝室の前に着くと手早く着衣に乱れがないか、髪が乱れていないかを確認する
「よしっ! ユーリ! 待たせたな!」
勢い寝室を開け放つとベッドには息を呑むほどの美丈夫が微笑みを浮かべ待っていた
「陛下......はしたのうございますよ?」
彼を知る者は少ないが、彼こそが国と添い遂げたとまで謳われた鉄血女王マリーの男夫、ユーリ・ランドスターであった
「えぇい! やかましい! お主の娘が素直に寝入らぬのが悪いのだ! 全く、いつもは半分も読まぬうちに寝入るというのに......お主の話となると最後まで寝入らぬ」
そう言ってユーリの隣に腰掛けるとユーリの肩へと頭を預け寄り添う
「マリー......愛してるよ」
「ふん! どーせ他の女にも言っておるだろう! ......今夜は寝かせぬぞユーリ♪......妾も、愛しておるぞ♡」
二人の影が重なり合う時、長い長い夜が始まる
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最後の一幕は婚約破棄騒動から10年後くらいのお話です
マリー殿下は女王陛下となりイデカ国を治め、ユーリはその統治を影ながら支える内助の功的なポジションです
リリーちゃんはマリーとユーリの愛娘