第四章 その1
第三章の終盤で夕輝達の事務所を破壊する形で現れた新たな敵!!
その人物は一体、どのような存在なのか……。
その男は裸だった。
いや、正しく言うならばフンドシを身につけているので、全裸というワケではないのだが。
全体的に見れば露出している面積がほとんどをしめているので、四捨五入して裸と表現しても過言ではないだろう。
まあ、更に正確に言うならば。
彼は脚に網タイツ……ではなく鎖帷子か? あれが何という名前なのか、俺の知識には存在しないものなのでこれ以上表現しようがないのだが……ともかく。
彼は金属質なもので作られた網のような感じのものを脚につけていたのだった。
あの防具というべきか装飾品というべきかよくわからないものは、弱点を守る為にわざわざあの部分だけ取り付けられているのか。
あるいは彼の趣味として、特に実用性はないけれどつけているのか。
前者だとしたらこれから戦うかもしれない俺としては非常に有用な情報になるが、後者だとすれば戦う気力が削がれるのでなるべく知りたくない情報だ。
そんなほぼ裸男。体格は端的に言ってしまえばマッチョだった。
筋骨隆々。全身、無駄な脂肪は無い代わりに、無駄に筋肉がついているという感じだ。
しかも、そんな筋肉男の背丈はどう見ても二メートルは軽く超えている。
この国の平均的な背丈の俺にとって、彼が立っている姿というのはまるで筋肉でできた山がそびえ立っているように見える。
こんな、別段何もせず突っ立っているだけで周囲の人々の体感温度を最低五度は上げてしまいそうなほどの存在感を持っている彼だが。
さらに暑苦しく、そしてむさ苦しいことに、さっき部屋に飛び込んできてからずっと得体の知れないポーズを取り続け、自身の筋肉質な肉体を強調していた。
その上、顔には何とも表現しがたい、不気味なスマイルを浮かべているのだった。
一目見ればわかる。こいつは恐るべき強敵だ。
気持ち悪さと暑苦しさのせいで、俺が戦意を喪失しかねないという意味で。
「亜犯殿! 我輩が、この偉止めが助けに参上しましたぞ! 亜犯殿!」
見た目通りの野太い声で亜犯の名前を叫びながら、偉止と名乗った男は、自身が行った暴挙のために壁は崩れて瓦礫の山となり、ちゃぶ台は見事なまでに真っ二つに折れ、湯飲みは見るも無惨な欠片となり、煎餅は粉微塵に砕け散り、襖には大穴が空いたお茶の間の中を見渡す。
そして、襖に空いた大穴の向こうにある廊下に、探していた亜犯の姿を発見した。
亜犯は吹き飛ばされて意識を失った釉美さんに駆け寄り、どこから取り出したのかわからないがいつの間にか持っていた応急処置キットを使って、彼女の手当を鮮やかな手際で行っていたのだった。
しかし、アイツはどうやったらあんなに上手く手当ができるのだろうか? 拘束具をつけたままなんだが……観察してもどうやっているのかさっぱりわからない。
「おお、亜犯殿!」
亜犯の姿を見つけ、近寄る偉止。
亜犯は手を休めることなく釉美さんの傷の手当てを続けながら、偉止の方を睨み。
「貴様ッ! 偉止ッ! 貴様のせいで、釉美さんが傷を負ってしまったではないか! 謝れ! 今すぐここで謝れッ!」
謝罪を要求した。
もし、俺が偉止の立場なら、間違いなく亜犯の奴を自身の太い腕で掴み挙げ、「人のことを呼んでおいて何だ! その態度は!」と怒鳴りつけただろう。
が、偉止はそういうことはせず。
「む? それは申し訳ないことをした。我輩も急に呼び出さた上に、途中でもめ事に巻き込まれてな。焦っておったのだ」
亜犯の要求に従って素直に謝罪。更に。
「いや、本当に済まない。どうか、この通り、許していただきたい」
と丁寧にも土下座までし始めた。
普通、謝罪のために土下座などされては、された方としてはかえって迷惑なんだが。
今回の場合、その土下座があまりにビシッと決まった、見事なまでに清々しいものだったことと、筋肉質で大柄なフンドシ一丁の男が土下座をするというのがシュールな光景であったこと。
それに何より、さっきまで彼の取っていたあのむさ苦しく、気色の悪いポーズと不快極まりない笑顔を見なくて済むようになったということもあって、見ていてここまで丁重に謝罪をされたら、許さないと悪いかなあ……なんて、思えるような、そんな土下座になっていたのであった。
とはいえ、彼が謝罪するべき対象である釉美さんは気絶していて、彼のその土下座を全く見ることができないのだけど。
まあ、しかし。
この偉止とかいう男、こうも馬鹿丁寧に何の迷いもなく、彼から見れば仲間を捕らえた犯人の一味かもしれない人間に対して謝罪するというところを見ると、亜犯同様、変態ではあるが決して悪い人というわけではないのかもしれない。
いや、裸に近い格好で外を歩き回ったり、焦っていたという理由で人の家の壁に大穴を開け、その先にある部屋を丸ごと壊滅状態にするような人間を「悪い人ではない」なんて言っていいのかと尋ねられたとすれば、やや答えるのには戸惑うのだが。
少なくとも、自ら進んで悪事をするようなタイプではない、いうならば「迷惑な人」ではあるが、「悪人」ではないといったところなのだろう。
ならば、彼も事情を知れば亜犯のように、こちら側に協力的な態度を示してくれるかもしれない。
あるいは、そこまでは無理でも無意味な争いを避けるぐらいはできるかもしれない。
今回の事件について、ここにいる中では一番事情を知っているであろう釉美さんが気を失っているというのが、事件を説明するに当ってやや不安ではあるけれど、まあ、それでもさっき亜犯に説明したときの経験を活かせば何とかなるだろう。
こうして、俺と観基は偉止に対して事情を説明することにした。
釉美さんの事情について、今回の事件がもし小説などの物語になったとすれば、説明が行われる場面はこれで三回目。当然、二回目同様、省略されるのだろう。
しかしもし、そんな事情説明シーンについて、あえて描写されるべき要素があるとするならば、偉止のヤツが、観基に対して、彼らのボスが釉美さんの住んでいる世界でやった悪事について、あれこれと高度に政治的、社会的、文化的、経済的、統計学的、思想的、哲学的な質問をしたということだろうか?
それに対して観基は、懇切丁寧に答えていたのだが……俺には二人が、何を喋っているのか、まるで外国語で高度な数学的問題を解説をされたみたいに分らなかった。
この偉止とかいうヤツ。
筋肉質な見た目や、登場シーンの雰囲気から俺はてっきり脳みそまで筋肉、いわゆる「脳筋」なタイプだと思っていたのだが、どうやらかなりハイレベルな頭脳を持つ、博識な人物だったようだ。
いや、あるいは、脳筋の人間が筋トレとかして鍛えていると、それが脳トレにもなって賢くなるのかもしれないけど。
ともかく。
そんな頭脳明晰な偉止は、観基に対してあれこれ訊ねたこともあって、今回の事件に関して、かなり深いところまで詳しく理解した。
そして。
「ふむ、なるほど……確かに、それが正しければ我らのボスは悪党ということになりますな」
といいながら、納得した顔でうんうんと頷いた。
この様子を見た俺は、「やった。上手く説得できた。これで俺はこの筋肉質な変態と戦わないで済んだぜ。ラッキー」と思ったのだが。残念ながら偉止は。
「だが、別の言い方をすれば、我らのボスが悪党だというのはあくまでそちらの話が真実ならば……と、いうことでもありますが」
などと、続けやがった。
俺としては、「観基の超能力で釉美さんが嘘をついていないって読んだんだから真実に決まっているだろ」という気持ちではあるが、観基の能力について何も知らない偉止にそんなことを言っても無駄だし、仮に観基の能力のことを偉止に教えたとしても、敵の言うことを素直に信じるとは思えない。
「それに……我輩はボスに恩があるのでなあ。今すぐボスを裏切り、そちらにつけと言われても困る」
偉止は更に言葉を続ける。
恩というのはさっき聞いた例の変態扱いされた人々に対する支援の件なのだろう。
亜犯の場合は恩があると言いながらも、結局はこちらに協力していたが、あれはあくまで亜犯の「全ての女性に親切にする」という信条があってのこと。
偉止の場合、そういうこちらに協力する理由となるものは何も無いので、そう簡単にはいかないのかもしれない。
だが、ここですぐに説得を諦めるというワケにもいかないだろう。
「恩というのは、お前の力を目覚めさせた科学者が物資を援助してもらっているとかいう、あれか?」
俺は偉止も能力を持っているのかどうかさえまだ知らないんだが、彼が亜犯と同じクラスの扱いならば当然、ドクター宇焚から能力を貰っているだろうと推測したので、試しに言ってみた。
「む? その事を知っておったのか……しかし、我輩の場合、ドクター宇焚との関係は単に能力を目覚めさせてくれたなどというだけのものではない」
俺の予想は当たっていたようだが、偉止には他にも事情があるらしい。
この事情が偉止説得の鍵となったり、あるいは彼やドクター宇焚を攻略する時の有力な情報となったりする可能性もあるかもしれない。詳しく聞いてみる必要がありそうだ。
「だけではないというと……お前と、ドクター宇焚には何があったんだ?」
「うむ。我輩はドクター宇焚によって救われたのだ」
「救われた? どういう風に?」
「少しばかり、我輩の昔の話をすることになるが……我輩はかつて、一人山に籠もって研究をしていたのだ。内容は一般の人にわかりやすくいえば肉体美についてということになるだろうか?」
「肉体美ねえ……」
肉体美の研究というものが果たして一体、どういうものなのかオレのはさっぱり想像がつかない。強いて考えられるとするならば、ボディービルとかそういうものだが……それは山に籠もって研究するものなのだろうか?
「で、ある日、我輩が研究と肉体鍛錬のため、フンドシ一丁で山の深いところに入っていくと、巨大な熊に襲われたのだ」
「巨大な熊!?」
「うむ、熊。確か背丈が三メートルほどあったかなぁ……今の我輩なら熊など大したことがないのだが……当時はまだ単に〈ちょっと強い人〉程度だったのでな。ありゃあ、死ぬかと思ったぞ」
「当たり前だ! どんな無茶苦茶な山籠もりしているんだ!」
武術か何かの達人だったり、あるいは既に超能力の類を身につけていたりするんならともかく、偉止の話からすれば、当時の彼はまだそういうものは持っていなかったはず。
そんな彼が熊がいるようなところにフンドシ一丁で入っていくとか……命がいくつあっても足りない、無用心極まりない行為だ。
よい子は真似は真似しないでね……と、注意を促すまでもない。
まあ、悪い子でもフンドシ一丁で山奥に分け入ったりなんてしないだろうけど。
「で、もう駄目だと一度は諦めた我輩だが、それでも何とか助かろうと思ってな。逃げようとも考えたのだが、その時、背中を向けてはいけない、目線をそらしてはいけないと言うのを思い出した。で、仕方がないので一か八か、今まで練習していた技を試してみたのだ」
「一か八かで熊に技!? どんだけ無謀な事をしてるんだよ!?」
「すると何と、熊のヤツ、我輩の技の威力に恐れおののいたのか、慌てて逃げて行ったのだ。こうして我輩は助かったというワケだ」
「……よかったな。助かって」
本心では、「熊のヤツ。変な技なんかの実験台になって、お気の毒に」と思ったのだが。
一応、相手を説得しようとしているのだ。相手が不快に思うかも知れないことは、口には出すまい。
「で、この経験から自分がそれまで研究していたものの想像以上の威力に気がついた我輩は、三年かけてその技を磨き上げ、下山して人々にそれを広めようとしたのだが……」
「駄目だったと」
「うむ。その通り。技を教えるために向かった道場やジムは何処も説明をちょっと聞き、技を一目見ただけで戸を固く閉ざし、我輩を相手にしなかったのだ」
「道場やジムって……ん? そういえばお前、格闘技じゃなくて、肉体美を研究してたんじゃなかったか?」
技で熊を追い払ったとかいっていたから、いつの間にか武術の鍛錬をしに山に籠もっていたというイメージになっていたが、確か最初は肉体美がどうとか言っていたはず。
それなら道場やジムに行くのはおかしいのではないだろうか?
「いやな、やはり美というものはそれだけで力であり、強さであると思ったので、そういうところで身につけたものを試してみようと考えたのだが……」
「相手にされなかったと」
「まあ、そういうことだ」
「それは……きっとあまりにお前が強そうで、ビビってしまったんだろう。多分」
本当は単に怪しいヤツと関わり合いになりたくなかったのだろう。
常識的に考えて、真面目に格闘技を学んでいる人にそんなワケの分からない事を言ったら相手にされないのが当たり前だと思う。
まあ、下手な事を言って偉止の機嫌を損ねたくはないので、指摘はしまい。
「無論、肉体美を研究しているような人……ボディービルダーやモデル、ダンサーなどの芸術家にも見せに行ったのだが……やはり我輩を相手にしてはくれなかったのだ」
「それは……多分、お前の思想が新し過ぎて古くさい価値観の人間にはついてこられなかったんだろう。そういう世界ではよくあることじゃないか」
こっちも、やはり偉止とあまり関わり合いになりたくなかっただけだと思う。
おそらく、偉止は人々に己の技を伝授しに赴く時もフンドシ一丁の格好だったのだろうし。普通、そんなヤツは相手にしたくないだろう。
いや……とは、思ったがしかし、一方で身体を鍛えている人間なら偉止のあの筋肉を見たらどうやって鍛えたのか興味は持ちそうだ。
それに芸術方面は結構過激なパフォーマンスとかもあるのでフンドシ一丁ぐらいではむしろ〈普通の格好〉のような気がしないでもない。その格好で外を出歩いていたら流石に引くとは思うが。
とすると偉止は余程巡り合わせが悪かったのか。
あるいは本当に彼の思想が斬新過ぎたのか。
さっきの観基とのやりとりを見ていると「優秀すぎる頭脳のために、周りがついてこられない」という可能性もなきにしもあらずという感じがするし。
ううむ。
非常に気になるが……いや、今はどうでもいいか。
「で、そんな誰からも相手にされなかった孤独感と、三年も一人山に籠もって鍛錬していたのに認められなかったという絶望感に我輩が打ち拉がれていた時。そんな我輩を認め、さらに共同研究まで持ちかけてくれたのがドクター宇焚なのだ。よって、我輩にとってドクターは単に能力を目覚めさせてくれただけの人というワケではない」
「なるほど」
「そして、そのドクターの才能を認め、物資の援助をしているのが我らのボス。これはどう考えても裏切りようがないであろう」
「確かにそうだ」
「って、夕輝。納得しちゃ駄目だろう」
さっきまで黙って聞いていた観基がつっこむ。
だが、俺にはどう考えても偉止に裏切らせ、こちらに協力させるだけの理由が見つからないのだから仕方がない。
それに、彼の事情を考慮すると、そう簡単には説得できないと思う。
誰も認めてくれなかったという孤独感から彼を救ったドクター宇焚という男と偉止の間にある絆はおそらく、相当に、半端ではないぐらいに強いはずだ。
そのドクター宇焚というヤツを先に説得できるのならともかく、偉止の方を先に説得するというのは、場合によっては戦って彼を力尽くで従わせるよりも難しいかもしれない。
俺の意見を一応は否定してはいた観基だったが、偉止の感情を感じとったのか、いや、感じとるまでもなくその強い気持ちを理解できたのか。
「……が、まあ、ここは交渉決裂と見るしかないか」
と、偉止の説得を割とあっさり諦め。
「と、言うわけで偉止さん。私たちはあなたのボスの計画を止める必要があるから、あなたと戦ってでも研究所の方に向かわせてもらおうと思うのだけど?」
偉止に対して挑戦的な発言をする。
「ふむ。こうなっては仕方がありませんな。無闇矢鱈に争うのは嫌なのですが……」
偉止も観基の挑戦に渋々応じる。
「では、早速。勝負と行きましょうかな?」
そう言いながら、奇妙なポーズを取る偉止。見たことがないポーズだが、構えからしてそれが戦闘のためのものだということはわかる。
相手が戦う姿勢を見せた以上、これはもう戦うしかないのだろう。
ここまできて、今さら筋肉質でフンドシ一丁で、その上変なポーズを取り、不気味なスマイルを浮かべるヤツとなんて戦いたくないとは言えそうにない。
よし、仕方がない。戦うとするか。
そう思って俺も戦闘態勢に入ろうとした。
のだが。
「ちょっと。二人とも、ここで戦うつもり?」
観基が待ったをかけた。
「む? ここではまずいですかな?」
戦う姿勢を保ったまま、何か問題があるのかと疑問を浮かべた表情で訊ねた偉止に対して観基は。
「当たり前だよ。人の家……じゃなくて、事務所をこれ以上壊さないでくれないかな?」
と、「言わなければそんなこともわからないの?」というような呆れ顔で返答する。
まあ確かに、事務所の持ち主である彼女からすれば、ここで戦われるのはまずいに決まっている。
だが。
「しかし……緋暮殿と観崎殿はこの後、我輩たちの本拠地である研究所に戦いに向かうつもりのはず。ならばこちらとしても敵の本拠地で戦うのは別に問題が無いのでは?」
偉止もこう言っているように、相手からすれば何の問題もない行為である。
敵である偉止をここで戦わないように説得するのは難しそうなんだが、観基は諦めず。
「ここには君に負傷させられた釉美さんがいるんだよ。そんなところで暴れられたら困る」
と口にする。これに対して偉止は、
「そう言われても。不意打ちで怪我をさせたことは悪いとは思っておるが、弦城殿はあなたたちの仲間。つまり我輩の敵。敵が負傷しているのを理由に、我輩が戦う場所を変える必要性はないのでは?」
と、ある意味当たり前のことを言う。対して観基は。
「君の仲間の亜犯さんが一生懸命看護しているのに……偉止さん。あなたは仲間を裏切るつもりなの?」
と、指摘し、偉止にさらに追い打ちをかける。
もう、色々無茶苦茶な理由で場所を変えるように言っているような気がしないでもない。
だが、一方で観基の言い分を論破できるだけの理由を考えるのも大変な気がする。
亜犯がここで戦ってもよいと許可を出せば偉止としては問題が無いだろうが、亜犯の性格上、怪我をした女性のいるところで争いを始めるなんて事は絶対に許さないだろう。
亜犯の性格を俺たち以上に知っているはずの偉止も、やはり俺と同じように考えたらしく。
「ううむ、確かに。ここで戦うと亜犯殿が止めるでしょうから……仕方がありませんな」
と言って、観基の提案を受け入れ。
「では、我輩、広くて人の来ない場所に心当たりがありますのでな。そこに場所を移すとしましょう」
そう提案した。
相手から提案した場所というのは罠の可能性もあるが、こちらが先に場所を変えようと提案したので、相手が場所を選ぶ権利を認めないのはフェアではない。
それに仮に偉止が俺たちを罠に掛けようとしていたとしても、観基の能力があればその罠の存在に気がつけるはずなんで問題はないだろう。そう思ったので。
「ああ。じゃあそこで戦うとしようぜ」
俺は偉止の提案に了承する。観基も俺の意見に賛同して頷く。
こうして、俺たちは偉止に続いて、彼の案内する場所へと移動することにしたのだった。
(続く)
こうして、説得には失敗した夕輝達は偉止と戦うことになりました。
なのでついに次回、ここまで全く登場しなかった夕輝の異能力が明かされる……はず。
こうご期待!!




