第一話 女子が苦手
今日も授業が憂鬱だ。
朝のホームルームも終えいつも通りの授業が始まった。
僕、池田蒼煇は勉強も対してできるわけでもなけりゃ、スポーツができるわけでもなく、部活にも入っていない。
なるべくいい企業に就職したいというありきたりな理由で高校に入った。
本当は男子校に通いたかったが、近くにないしわざわざ遠くの高校に通うのも親に申し訳ない。
そんなことを思いながら黒板を見ながらノートに板書していた。
「教科書の108ページを開いてくれ」
先生の指示に従い僕は教科書を開こうとした。
「ねぇ、教科書忘れたからさ、見せてくれない?」
横から小さな声で聞こえてきた。
早良さんだ。
急すぎて驚いた。
正直に言うと今の僕が、しかもこんな完璧美女と近づくのは、ハードルが少しばかり高すぎだ。
「あ、あの、ごめん他を当たってくれないかな」
嫌じゃないよ感をなるべく出して返事した。
けど早良さんは1番右の1番後ろの席で、俺以外に借りれる人はいない。
「ふーん」
ニヤニヤしながらそんなことを口ずさんでいる。
「せんせーい、教科書忘れちゃったので池田くんに見させてもらってもいいですかー?」
やりやがった
「おー早良お前が忘れ物とは珍しいな。
池田見せてやってくれ」
こんな状況になれば断るにも断れず、早良さんはゆっくりと机をくっつけてきた。
僕の教科書を奪い取り開いて真ん中に置いた。
頼む勘弁してくれ。
「ありがとね」
笑顔で言ってきた
「、、、いや大丈夫」
全然大丈夫じゃないが、そう返事をした、胸の鼓動が全身で感じられるほどの緊張をしていた。
この距離で、しかもあの早良さんとこの僕が?
女子と話す事が苦手なこの僕が耐えられるわけない。
長い時間ずっと俯いて震えてる僕を見て少し不安を覚えたのか早良さんはゆっくりと話しかけてきた
「そんなに、嫌だった?」
僕は急いで答えた
「い、いや、あの、ぼ、僕女子と話すの苦手で、、」
僕は少しだけ早良さんの顔を見た。
納得の表情をしている。
「だからずっとそっけなかったのか〜納得納得」
「で、何で苦手なの?教えてくっ、」
キーーーンコーーーンカーーーンコーーーン
会話を遮るかの如く授業終わりのチャイムが鳴り響いた
「あ、あのその話はまた後日ということで」
僕はすぐに机を離し、挨拶をしてトイレに逃げ込むために教室を後にした。
「逃げられちゃった」
小さい声で早良さんは口ずさんだ。




