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着ぐるみモンスター Another  作者: 内田紀人
セミスピーカー編 1

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第1話「最初の当たり」

着ぐるみモンスター


Another Story


「もし、最初の当たりが忘れ物小僧だったら」


第1話「最初の当たり」


内田紀人 作


※この物語は、本編とは異なる世界線の物語です。


さとるが人間の姿へ戻った、その少しあと。


人の世界から遠く離れた場所では、黄龍と四聖獣、そしてその配下の妖怪たちが、一台のガチャを囲んでいた。


四枚のコイン。


四回の抽選。


それぞれの結果が出揃うと、最後に四つのうち一つだけが淡い光を帯び始めた。


「おっ!」


最初に声を上げたのは白虎だった。


光に包まれていたのは――白虎の配下、忘れ物小僧。


「ぼく?」


忘れ物小僧は、自分を指さした。


「お前だ!」


「へえ」


「もっと喜べ!」


白虎が、その小さな背中をばんばん叩く。


「痛いですよ、白虎さま」


「初めての当たりだぞ!」


「そうですね」


「反応が薄いな、お前!」


そのやり取りを見ていた妖怪たちが、一斉に騒ぎ始めた。


「いいなあ!」


「人間に見てもらえるんだ!」


「次は俺も!」


「私も行きたい!」


期待と羨望の声が飛び交う中、忘れ物小僧だけは、自分の体を包み込む光を不思議そうに眺めている。


やがて、黄龍が静かに口を開いた。


「行っておいで」


「はい」


忘れ物小僧が答えた瞬間、その体を包んでいた光が強くなる。


そして光は、人の世界へと伸びていった。



その頃。


則人は、突然目の前に現れた小さな妖怪を、まじまじと見つめていた。


「…………誰?」


「忘れ物小僧です」


「忘れ物?」


「はい」


「何を忘れたの?」


「ぼくが忘れたわけじゃありません」


「じゃあ、なんで忘れ物小僧なの?」


「そういう妖怪なので」


「へえー」


則人が、じーっと見る。


忘れ物小僧も、じーっと見返す。


しばらく無言で見つめ合っていると、横から呆れた声が飛んできた。


「いつまで見つめ合っとるんじゃ」


ぬらりひょんだった。


「だって、また新しい妖怪だよ!」


「また?」


「今日は妖怪が多い日だなあって」


「怪人にも会ったじゃろうが」


「あ、そうだった!」


すっかり忘れていたらしい。


ぬらりひょんが深いため息をつく。


そんな二人をよそに、忘れ物小僧は周囲をきょろきょろと見回していた。


そして、則人の横に置かれている大きなバッグに目を留める。


「それ、何です?」


「これ?」


則人がバッグを指さした。


「KIDの着ぐるみが入ってたバッグ!」


「へえ」


忘れ物小僧が近づく。


そして何気なく――。


ぺた。


バッグに手を触れた。


「あ」


「ん?」


忘れ物小僧が、そっと手を離す。


「どうしたの?」


「ちょっと、やっちゃったかもしれません」


「何を?」


忘れ物小僧は答えない。


その時だった。


人間の姿へ戻ったさとるが、則人たちを振り返った。


「じゃあ、ぼく帰るね」


「うん。またね!」


さとるが歩き出す。


その進行方向には、例の大きなバッグが置かれていた。


ところが。


さとるはバッグのすぐ横まで来ても、避ける様子がない。


「さとる君」


「なに?」


「バッグ、踏まないでね」


「バッグ?」


さとるが足元を見る。


「……どこ?」


「そこ」


「何もないよ?」


「あるじゃん!」


則人には、ちゃんと見えている。


いつも通りの、大きなバッグだ。


「ほら! そこ!」


則人が指さす。


さとるも、その先を見る。


「あ……これ?」


「そう、それ!」


「こんなのあったっけ?」


「ずっとあったよ!」


「そうだっけ?」


さとるが首を傾げる。


そして一度バッグから目を離した。


「じゃあ、帰るね」


「待って!」


「なに?」


「バッグ!」


「バッグ?」


「また忘れた!?」


則人は目を丸くした。


さとるは不思議そうな顔をしている。


則人は、ゆっくり忘れ物小僧へ顔を向けた。


「……何したの?」


「ちょっとだけ」


「ちょっとだけ何したの!?」


忘れ物小僧は、少し申し訳なさそうに笑った。


「忘れられやすくしました」


「バッグを!?」


「はい」


「なんで!?」


「触っちゃったので」


「触っただけで!?」


ぬらりひょんが額を押さえる。


「当たり早々、何をしとるんじゃ……」


忘れ物小僧は、しょんぼりとバッグを見る。


「戻した方がいいですか?」


則人はバッグを見る。


それから、忘れ物小僧を見る。


もう一度、バッグを見る。


「…………」


何かを考え始めた。


その顔を見て、ぬらりひょんの眉がぴくりと動く。


「おい」


「なに?」


「今、何を考えた」


「別に?」


「その顔は絶対に何か考えとる顔じゃ」


則人はにやっと笑った。


「これ、もしかして――」


「ろくなことを考えるでないぞ」


「まだ何も言ってないじゃん!」


忘れ物小僧が二人を見比べる。


「戻します?」


「ちょっと待って!」


「待たんでよい!」


ぬらりひょんの声が響く。


こうして。


則人と忘れ物小僧の出会いは――


いきなり、忘れ物から始まった。


――つづく


――――――――――


【こんな作品も連載中です】


『着ぐるみモンスター』


『ビーストギア』

本作品を含む、凛監修×生成AI合作作品は、同じ世界観の中でつながるシリーズ作品です。

それぞれ単独でもお楽しみいただけますが、同じ出来事が別作品では異なる視点から描かれたり、一方で起きた出来事が、もう一方の物語へつながったりすることがあります。

一つの作品だけでも楽しめる。

けれど、複数の作品を読むことで、初めて見えてくるものもある。

ぜひ、それぞれの物語をあわせてお楽しみください。

【人間×生成AIによる合作作品】

企画・原案・設定・ストーリー構成:時根脱才

文章制作・構成補助:ChatGPT(OpenAI)

本作品の世界観、キャラクター、各エピソードの原案・展開は作者が制作し、それをもとにAIと相談・推敲を重ねながら、小説として文章化しています。

本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。

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