72話 試料採取
人食いスライムを倒したのはいいのだがまだまだ周りはいるようだ。
「さてと、周りにあのスライムがいるけどどうする？私に任せてもらってもいいけど」
「セラフィス、やけにやる気満々だけど、殲滅できるの？」
「大丈夫だよ、だって私って神だからさ」
セラフィスが触手を四方に伸ばすとぶんぶんと振り回していった。
「危ないよー！」
私たちは屈み、触手に当たらないようにした。どんどんとベチャベチャという音がしたが……これスライム殲滅出来ているのか？
「セラフィス、スライム殲滅出来てるの？」
「出来てる、これは確信して言える」
「そうなんだ……よくやったよセラフィス」
「にしてもスライムの習性、少しだけ見て見たかった気がするのに」
そうマルセラが言った。
（マルセラ……どうしてそんなことを言うのかな？）
「でも体をドロドロにさせられるよりいいかぁ」
するとニコラがこう言った。
「マルセラってそういう願望あるんだぁ……へぇ……」
ニコラは何かを企んでいるような顔をしていた。
「ニコラ……何を企んでいるの？」
「スイは……わからないだろうけどセラフィスならわかるはず」
「……わからないが？」
「セラフィスならわかるはずなんだけどなぁ……パディーリャってやつ知ってる？」
その時セラフィスが噴き出した。
「まさかあのパディーリャか!?」
「何言ってるのか分からないが……」
私はセラフィスが知っているパディーリャという人物について何も知らない。
「おっとスイを置いてけぼりにはさせてはいけないな」
パディーリャという名前を連呼している人がいた。
「パディーリャ様……パディーリャ様……」
「まぁ、多分だけどマレはパディーリャの信仰者だとは思ってるけど……あってる？」
「あってるけどそれがどうしたの？」
「ニコラがパディーリャと手を組んでマルセラにいたずらをしようとしてたでしょ？」
「そうだけど……何が悪いんだ！」
そんな話をしているとスライムたちが合体し、大きなスライムになった。
「って後ろ!?」
「でっけぇ……ビッグスライムだぁ」
私たちは戦闘態勢に入ったが上から何かが落ちてきた。
「これに入りなさぁぁい！」
スライムは上から落ちてきた人に吸い込まれ、瓶詰にされた。
「ふぅ、これでいいか」
「……噂をすればパディーリャってことか？」
「そうだね……」
「パディーリャ様～」
目の前に居る人はどうやらパディーリャという人らしい……服装は人前では絶対着られない服装だが……とっても近寄りがたいな……
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