57話 復讐のため
立体機動でマルセラを探すがどこにもいない。
「まさか建物の中に入ったとかじゃあないよね!?」
「それもあり得る……屋外に居てくれ!」
国の南側を探したがマルセラは見当たらなかった。
「北側を探してみるか?」
「そうだな、行ってみるか」
セラフィスは超高速で建物と建物の間を飛びぬけていき、北側を探していった。
「しかしマルセラの目の色が変わったと思ったらどこかに行くって……」
「速く探さないとな」
すると銃声がどこかで聞こえた。
「今銃声したぞ?」
「聞こえている……面倒だな」
セラフィスはどうやら事がめんどくさくなっていることに気が付いていた。
「銃声の場所に向かうぞ!」
セラフィスの触手は銃声のなった方向に向かって刺さり、そのまま飛んでいった。
「飛んでるぅ!!!」
「しっかり掴まっておいてね」
セラフィスが綺麗な着地をすると悲惨な光景が目に入った。
「一歩遅かったか」
そこにはマルセラと見覚えのある奴が倒れていた。
「頭に銃を撃たれたか……だが眉間を掠めているだけだ」
するとセラフィスは二人の頭に回復魔法をかけ始めた。
「敵はもう撤収したのかな……」
セラフィスは二人を担ぎ、その場から離れた。
「どうせ犯人はこの場所に戻ってくるんだ、一旦この場から離れよう」
「分かったけど……大丈夫なのかな」
「こいつらは死んではない。仮死状態ってところかな」
私たちは徒歩で安全な場所に隠れた。
「しかし、マルセラと……なんだか見覚えがあるんだよなぁ……」
「ニコラだ、だがどうしてニコラがここにいるんだ?」
ニコラの目的について分かっていない私とセラフィスは頭を抱えていた。
「一体なんだろうな」
「さぁ、起きたらすべて吐いてもらわないといけないかもね」
私たちは息をひそめ、マルセラとニコラが起きるまで静かに話をしてとにかく何かが来た時に対処できるようにした。
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