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第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ⑦

 第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ⑦





 悠斗くんが受け答えをしていたインタビューを引き継ぎ、私がキャスターの方と話をすることになりました。


『彼氏さん』と言うキャスターの方の言葉を悠斗くんが否定しなかったのは、彼の優しさですね。

 ふふふ。とても嬉しくなってしまいます。


 これは今夜のはたっぷりと彼に『御奉仕』させてもらわないと行けませんね。


 そう思っていると、キャスターの方が私に話しかけてきました。


『彼女さんに質問です』

「ふふふ。良いですよ、私に答えられる内容でしたらなんでも答えますよ」


『彼女さん』と呼ばれて私はとても上機嫌です。

 ふふふ。朱里さん、見てますか?

 私が悠斗くんの彼女です。


『彼氏さんが彼女さんの好きなところを『叱ってくれるところ』と言っていました。彼女さんから見て、彼氏さんの好きなところは何処ですか?』


 聞かれるとは思っていましたよ?ですので私はその質問に対して笑顔で答えます。


「そうですね。好きなところは悠斗くんと同じようにたくさんありますが、一番は『私を許してくれた』ところです」

「……詩織」


 ふふふ。こう言えばわかりますよね?

 悠斗くんは私の事をたくさん許してくれました。


 罠に嵌めて破滅させようとしたこと。

 朱里さんと言う彼女が居るのに私が隣に居ること。

 心以外の全てを私にくれたこと。


 貴方は私にたくさんのことを許してくれました。


『とても素敵な関係性ですね。羨ましくなってしまいます』

「ふふふ。ありがとうございます」


 私がそう答えるとキャスターの方は私に二つ目の質問をしました。


『もしよろしけれ、もう一つ伺っても良いですか?』

「えぇ、構いませんよ」


 私がそう答えると、キャスターの方は少しだけ目を細めながら聞いてきました。


『彼氏さんが通学路で貴女では無い女性とキスをしていたことに関してはどうお考えですか?』

「西川さん!!??」


 ……なるほど。彼女のことをどこかで見たことがあるような気がしてましたが、『あのニュース』のキャスターでしたか。


 だとすれば、悠斗くんが朱里さんとキスをしているのも知っているのは道理ですね。


 少しだけ焦った表情をしている悠斗くんに、私は微笑みを向けます。


「ふふふ。大丈夫ですよ、悠斗くん」

「……詩織」


「……西川さん、でしたね?質問にお答えしますよ」

『……はい』


 私の微笑みに少しだけ後退りをする西川さん。

 何ですか、そんな怯えた表情をしないでください。


「朱里さんと悠斗くんがキスをしてるのは私も許容しています。何故?と言う部分に関して言えば貴女方の理解の及ぶものでは無い。とお答えしますよ」

『……そ、そうですか』


「あとはそうですね……私と悠斗くんは正確に言えば『恋人同士』ではありません」

「詩織、良いのか?」


 悠斗くんのその言葉に私は再び微笑みで返します。


「ええ、構いませんよ?だって嘘を全国に広める訳には行きませんからね」

「そうか……」


 そう。だから私は『真実』を全国に広めますよ。


「悠斗くん。私に『キスをしてください』」


 私のその言葉を聞いた悠斗は、小さく笑みを浮かべました。

 そして、私の方に手を置いて言います。


「うん。いいよ」


 悠斗くんはその言葉と共に、私にキスをしてくれました。

 カメラの前で、全国の視聴者に見せつけるように、私は彼とキスをしました。


 そして、たっぷりと悠斗くんとキスをしたあと私は西川さんに向き合いました。


「悠斗くんとの関係性をご理解いただけましたか?」

『全く理解出来ません……こ、これは放送してもいいんですか?』

「俺は構いませんよ?詩織はどうだい?」

「私も構いませんよ。きっと朱里さんも笑って許してくれると思いますし」


 やってくれたね、詩織ちゃん!!


 って笑いながら言ってくれると思いますからね。

 あの人には『正妻としての器』が出来つつありますね。


『こ、今夜のニュース番組で放送予定です。よろしくお願いします』

「はい。その時間は悠斗くんと蜜月の時間を過ごしてるかも知れませんが、時間があえば見させてもらいますね」

「あはは……そうだね」


 こうして、私と悠斗くんはニュース番組のインタビューを終えました。



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