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第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ⑤

 第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ⑤





「このハンバーグはとても美味しいですね!!一流レストランでもここまでの味は出来ないと思います」

「ははは。詩織がそこまで言うのは珍しいね」


 悠斗くんはそう言いながら、ナイフとフォークを使ってハンバーグを綺麗に食べていきます。

 食べ方が綺麗な人には好感が持てます。


「でも、これは確かに美味しいね。ご飯時を外して正解だったね。もしかしたら並ぶ必要があったかもしれないからね」

「ふふふ。これなら多少並んででも食べたいと思えてしまうかもしれません」


 そんな話をしながら私と悠斗くんはハンバーグに舌鼓を打ちました。





 そして、昼ごはんを食べ終わり食後に冷たいお水を飲みながら、私は彼に問いかけました。


「この後はアクセサリーショップに行くと言う話でしたよね。直接向かう感じですか?」

「いや、実はちょっと君に紹介したい本があったんだ。良ければ先に本屋に向かいたいと思ってる」


 私と悠斗くんは椅子から立ち上がり、紙コップをゴミ箱に捨てました。


 そして、プラネタリウムの出口へと向かいながら話を続けます。

 手を繋いで歩くことはもう当然です。


「紹介したい本。なるほど、それはライトノベルですか?」

「そうそう。最近の詩織は『不道徳』なライトノベルを好んでると思ったからね」


『不道徳系ライトノベル』


 ふふふ。そうですね、最近増えてきましたからね。


 二番目の彼女はこのラノでも上位に入賞してました。


 妹は彼女に出来ない話や先輩に彼女をNTRる話。

 彼女に浮気をされたら小悪魔な後輩に懐かれる話や元カノに恋を提供される話も好きです。


 悠斗くんは甘々なラブコメがお好きなようですが、私は少し毒のあるラブコメも好きです。


「そうですね。愛人でも構わないから。を読んでから、甘いだけのラブコメだけじゃなくて、そう言ったのも嗜むようになりました。ふふふ。別に悠斗くんの好きなお砂糖たっぷりのラブコメが嫌いな訳じゃないですよ?」

「ははは。知ってるよ。俺も別にそう言うラノベは嫌いな訳じゃない。ざまぁ系やもう遅い系とかも読んだりするよ」


 トラウマを与えてきた女の子がチラチラ見てくる話も好きだからね。


 そう言いながら悠斗くんは笑っていました。


 ふふふ。本当に、好きなライトノベルの話をしている彼の表情は明るいです。

 朱里さんには出来ない話が出来ていて楽しいのでしょうね。


「小説家になっちゃおうでも、最近はざまぁ系が多いですからね。今のトレンドですよね」

「異世界転生物もまだまだ強いけど、現実恋愛ではざまぁ系やもう遅い系が増えてきたよね」


 そして、二人で手を繋いで歩いていると、私と悠斗くんの前に大きな本屋さんが現れました。


「わぁ……大きな本屋さんですね……」

「品揃えも豊富でね。俺も来たいと思っていたんだ」


 店内に足を踏み入れると、紙の匂いが身体を包みます。

 ふふふ。本当にこの匂いは落ち着きますね。


 隣を見ると、悠斗くんも同じように落ち着いた表情をしていました。


「ライトノベルのコーナーに行こうか。最近人気が出てきたけど、まだまだマイナーだから棚刺しだと思ってるんだ」

「なるほど。了解です」


 私と悠斗くんは店内を進み、ライトノベルのコーナーに向かいます。


 そして、悠斗くんはお目当ての作品を見つけたようです。

 少しだけほっとしたような声を出しながら本を手に取りました。


「実はこの本なんだよね」

「なるほど。これは初めて見るライトノベルですね」


 可愛い双子の女の子が表紙を飾っています。

 一人は朱里さんのようにお胸の小さな女の子です。

 もう一人は対照的にお胸の大きな女の子です。


「主人公の男の子の揺れる心が良く描かれていてね。共感出来る部分がたくさんあるんだよね」

「ふふふ。そうですか。ちなみに悠斗くんも揺れてるんですか?」


 私はそう言いながら、彼の腕を抱きしめます。

 朱里さんには無いお胸の部分を押し当てるようにして、ですよ。


「詩織にこんなことをされて、なんとも思わない。そんな枯れた人間じゃないよ」

「そうですか。そう言ってくれると私も自信が持てます。では、悠斗くんのオススメの本を買ってきますね」


 私が欲しいと思ったものにお金を出してもらう訳にはいきません。

 それに、もっと高価なアクセサリーのお金を出すつもりでしょうからね。

 ここでのお金くらいは私が払います。


「四巻まで出てるからね。気に入ったら続刊も読んでみて欲しいかな」

「わかりました。ふふふ。今から楽しみです」



 私はそう言って恋は双子で割りきれない話のライトノベルを手にして、カウンターへと向かいました。


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