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第十一話 ~詩織との二回目のデート~ ④

 第十一話 ~詩織との二回目のデート~ ④





 プラネタリウムの上演時間が終わり、俺と詩織はお土産を買う為に手を繋いで館内を歩いていた。


「かなり満足のいく時間が過ごせたね」

「はい!!プラネタリウムも綺麗でしたし、何よりもソファベッドのような席で悠斗くんと寝そべりながら楽しめたのが満足です」


 前半は星について楽しめた。後半はどちらかと言うと、詩織との蜜月の時間を過ごしていたと思う。

 そうしたいと思っていたからこそ、あのソファベッドの席をチョイスしていたとも言える。



 そして、そんな話をしているとお土産ショップへと辿り着く。


「私は彩さんにクッキーとかを買って帰ろうかと思います」

「良いね。俺も健に食べ物を買って帰るかな」


 朱里に何かを買って帰る。なんてことをするつもりは無い。何が楽しくて自分以外の女と行ったデート先のお土産が欲しいと思うのだろうか。


「今日の記念に悠斗くんとのお揃いのストラップとかが欲しいです」

「いいね。俺も欲しいと思ってたんだ」


 俺はそう言って、詩織にストラップを見せる。


「これなんかどうかな?」


 そう言って俺がみせたのは夜空がはめ込まれた星型のストラップだ。

 個人的にはこれが一番おしゃれだと思った。


「わぁ!!とても素敵ですね。私もこれが好きです」

「気に入ってくれて嬉しいよ。じゃあこれを買ってこようか」


 こうして俺と詩織は各自のお土産と自分用のストラップを買ってお土産ショップを後にした。




「この後はお昼にするんだけど、実はこの中のイートインスペースにはとても美味しいハンバーグを出してるお店があるんだ」

「ハンバーグですか!!私、大好きです!!」


 イートインスペースへと歩いている最中。俺は詩織にそう話していた。


「詩織がお肉を好きなのは知っていたからね。外で食べることも視野に入れていたんだけど、このプラネタリウムの施設を調べていたらそういう話を目にしたんだよね」

「ふふふ。女の子なのにお肉が好きなのは少し恥ずかしさを覚えてしまいます」


「そんなことは無いよ。俺は食べ物を美味しそうに食べる君の姿を見るのはとても好きだからね」


 ダイエット。なんて言って食事を取らないような女の子より、美味しそうにたくさんのご飯を食べる女の子の方が、俺は見てても好きだ。


「ありがとうございます。悠斗くんにそう言って貰えると嬉しいです」



 そんな話をしていると、イートインスペースへと到着した。


 そして、俺と詩織はハンバーグを出しているお店の前にやって来る。


 看板には『スペースハンバーグ』と言う名前が付けられている。


 目玉商品のハンバーグは150gから50g単位で量を決められる。


 最大1000gまで行けるけど、そんな量を頼むつもりは無い。



「俺は300gのハンバーグにご飯を大盛りかな」

「でしたら私は200gのハンバーグにご飯を大盛りにします」


 ハンバーグの寮は俺よりは少ないけど、結構食べる感じだな。


「ふふふ。いっぱい食べる女の子が好き。と言ってくれましたので、ご飯は大盛りにしました」

「いいと思うよ。そしてら椅子に座って出来上がりを待とうか」


 俺と詩織はお店からそれほど離れていない席に座る。


「じゃあちょっとお水を取ってくるね」

「はい。お待ちしてます」


 俺はそう言って席から離れると、紙コップを二つ用意して飲料水を注いでいく。


「……ふぅ。やっぱり彼女と出掛けると特別な緊張感があるな」


 絶世の美少女。それほどの女の子が俺だけに好意を向けてくれている。

 正直な話。心臓が何個あっても足りないレベルだと思うな。


 少しだけ額に浮かんだ汗を拭い、俺は紙コップを二つ持って席へと戻る。


「お待たせ」

「ふふふ。わずかな時間ですが、悠斗くんが離れてしまって寂しかったです」


 カップをテーブルに置くと、詩織がとても可愛いことを言ってきた。


「ははは。寂しい思いをさせてしまってごめんね。これは罪滅ぼしをしないといけないね」

「そうですよ、悠斗くん。私に寂しい思いをさせてしまったんですからね?どうしてくれるんですか」


 いたずらっぽく笑う詩織に、俺はそっと近寄る。


 そして彼女の唇にキスをした。


 飯時を外している。とは言ってもそれなりに人は残っている。


 俺と詩織のキスはイートインスペースにいる全ての人間の視線を集めた。


 そして、たっぷりと詩織の味を楽しんだあと俺は彼女から唇を離した。


「どうかな、少しは君の寂しさが癒えたかな?」

「はい。ありがとうございます、悠斗くん」


 少しだけ赤く染った詩織の頬。


 いけないな。これ以上を求めしまいそうになる。


 だが、こんな場所でそんなことは出来ない。


 詩織の乱れた姿は、俺だけが独占したいからな。

 他の人間に見せるつもりは微塵もない。


 そんなことを思っていると、ハンバーグが出来上がったとアラームが鳴った。


「おや、アラームが鳴りましたね」

「そうだね。それじゃあハンバーグを取りに行こうか」


 俺と詩織はそう言ってハンバーグを取りに向かった。




「これはかなり美味しそうですね!!」

「そうだね。見ただけでもうわかってしまうね」


 販売を貰って席に戻ってきた俺と詩織。

 白い湯気と暴力的な匂いがハンバーグから漂ってくる。


「じゃあ、早速だけど食べようか」

「はい!!」



 そして、俺と詩織は「いただきます」と声を揃えてからハンバーグをひと口大にカットして、口に入れた。

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