第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ①
第十一話 ~悠斗くんとの二回目のデート~ ①
詩織視点
朝。私は自室の鏡の前で身だしなみを整えていました。
前日の夜はかなり早めに就寝しました。
そして、親友の彩さんからは『二回目のデートの心得』をしっかりと教えてもらいました。
ふふふ。そう言えば、彩さんにも良いご縁があったと知りました。
同じクラスの石崎くんと仲良くなってるという話です。
二回目のデートの心得を話し合ったあと、彩さんは私に話を切り出してきました。
『一年の時から好きだった。そう言って体育祭の後にあいつから告白されたんだよねー』
『そ、そうなんですか……その、彩さん的にはどうなんですかね……』
石崎くんは、悠斗くんや脳筋と一緒に『シモネタ談義で盛り上がってるグループの一人』と言う印象しかありません。
『告白の返事はすぐにしなくていい。とは言われたよー。まぁ私としては『付き合ってもいい』とは思ってるかなー』
『そ、そうなんですか……』
い、意外です。
彩さんは面食いなところがありますからね。
石崎くんは所謂『フツメン』かと思います。
まぁ制服は着崩して居ますが、この年頃なら普通かと思います。それに髪型や眉毛なども整えてますし、最低限の身だしなみは意識していて清潔感はあります。悠斗くんや脳筋程ではありませんが、背も低くないです。
良くも悪くも『並』と言った所でしょうか?
た、大変失礼な思考かと思いましたが……
『一緒に居て楽なんだよね。気を使わなくて良いって言うのかな?』
『なるほど……』
『まぁ、桐崎くんと違って変なライバルとかも居ないしさ。夏休み前くらいには返事をしてあげようかと思ってるよ』
『親友の彩さんに、春が来て私は嬉しいです』
私は本心からそう言いました。
『しおりんから親友なんて言って貰えるなんて、私は涙が出るくらい嬉しいよ!!あいつに告白されたことより百倍嬉しいかな!!』
『ふふふ。それは石崎くんが可哀想ですよ』
そして、私は彩さんとの通話を終えて、ベッドで眠りにつきました。
鏡に映った私は、睡眠時間をたっぷりと取ったのでお肌もツヤツヤです。
見目良く産んでくれた親には感謝してますよ。
少なくとも、見た目のレベルでは朱里さんには負けていません。
お胸のサイズでは圧勝してます。
ふふふ。悠斗くんに『御奉仕』してる時の朱里さんの悔しそうな顔は、私にとってはとても心地よいものです。
「ふふふ。それに、今日は悠斗くんから心を少しだけ頂けることになってます」
いったい何処まで私にしてくれるのでしょうか?
ふふふ。今から楽しみです。
そして、冷蔵庫の中には『新鮮な食材』をたくさん入れてあります。
今日の夜。私は彼をこの部屋に呼んで『手料理』を振る舞う予定です。
最後のデザートには『私』を用意してあります。
「悠斗くんの『初体験』も私が貰ってしまえるように、しっかりとアプローチを掛けていきましょう」
この部屋で朱里さんより先に『悠斗くんの性処理』は私が奪うことが出来ました。
彼は夏休みに朱里さんと『初体験』を済ませるつもりみたいですが、別に『悠斗くんの方から私を求めてくれるのなら』話は別です。
ベッドの近くには『淑女の嗜み』も用意してあります。
もしもの時もこれで安心です。
「ふふふ。さて、今日はどこに連れて行ってくれるのでしょうかね?」
駅に九時に集合の予定です。
そこから彼と合流して電車で移動することになってます。
デート場所は悠斗くんのサプライズになってます。
私は今から楽しみです。
「さて、ではそろそろ向かいましょうか」
私はお化粧を終え、着替えを済ませてからバッグを肩から掛けました。
中にはデート用具一式が入っています。
お財布にはそれなりにお金を入れてあります。
ある程度は彼が出しそうな気もしますが、全部出してもらうのは流石に失礼ですからね。
玄関へと向かい、お気に入りのミュールを履いて、外に出ます。
外は快晴。絶好のデート日和です。
梅雨も開けて、夏の気配が漂ってきています。
私は白いワンピースに麦わら帽子をかぶっています。
『狙ってる服装』ですよ?
ふふふ。こういうベタな服装。悠斗くんは大好きですからね。
「いっぱいいっぱい、楽しませてくださいね。悠斗くん」
私は扉に鍵をかけてから、彼との待ち合わせ場所の駅へと向かいました。




