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第九話 ~蒼井さんとの初めてのお出掛け~ ①

 第九話 ①





 日曜日。朝。俺は洗面台の前で自分の身だしなみを確認していた。

 髪型はいつも通りだが、コンタクトレンズにしている。


 理由としては、髪型に拘っても今日は身体を動かすのが主になっている。なのですぐに乱れてしまうだろうから、整えてあまり意味は無いと思った。


 メガネではなくコンタクトレンズにしたのもそのためだ。

 メガネで運動するのは流石にメガネが破損するリスクが大きい。


 そうして身だしなみを整えていると、後ろから雫がやってきた。


「おはようございます。お兄さん。また『朝帰り』ですね?」

「…………はい」



 そう。これは朝帰りした帰りの朝。昨夜はかなり不道徳な夜を過ごしてきたと言える。


「どなたと過ごされたのですか?」

「朱里と詩織さんです……」

「二人と!?」

「はい……」


 その言葉に、雫は頭を抱えた。


「私は朱里ちゃんが何を考えているのかがわからない……」

「あはは……俺もわからない……」


 そう言う俺を雫が睨みつける。


「ちょっと待って、昨日は二人と過ごしたってことは、今こうして身だしなみを整えてるのは……」

「そう。蒼井さんと出掛ける予定だよ」


 その言葉に、雫が膝を着いた。


「どうなってるのよ……」

「うん。もうなるようになれーって思ってる」


 なんか、寝てないせいで思考回路がちょっとバグってる気がする……


「はぁ……それで、今日はどこに行くの?」


「駅前にあるラウンズに行ってくる。そこで一日身体を動かしてくる予定だよ」


「ふーん。なんでそうなったの?」


「予算会議の時に、蒼井さんを『悲劇のヒロインとして祭り上げる』そんなことをしてしまったからね。やっぱりどうしても、俺の中に罪悪感みたいなのがあったんだよね」


「まぁ、おにぃの性格ならそうだろうね」


「それのせいで、俺と蒼井さんは少しギクシャクしててね。好意を寄せられてるとか関係無く、少し身体を動かすことでそう言うのを忘れてこよう。そんな話になったんだよ」


「あーなるほどね。つまり朱里ちゃんは、『おにぃがそういうことをするような危険があっても、出来ないようにする為』に、わざわざ敵と手を組んででもおにぃを枯らしに行ったのか……」


「か、枯らすって……」


「昨日は何回されたのですか?お兄さん」


「な、七回です……」


「まぁ、新記録ですね」


 おめでとうございます。


 お、男としては夢のような時間だったけど、やっぱり適度という物があると思うんだ……



「とりあえず、帰りはそんなに遅くはならないと思う」

「そうだね。朝帰りなんてなったら私はおにぃをアンタって呼ぶから」

「は、はい……」


 俺は荷物が入ったバックを手にして玄関へと向かう。


 そんな俺の後ろを雫が着いてきてくれる。


 よ、良かった……見送ってくれるんだ…… 


「行ってきます」

「うん。行ってらっしゃい、おにぃ」


 俺は雫に見送られ、玄関への扉を開ける。


 外は少しだけ曇っていたが雨は降っていない。


 カッパを持っておこうかな。


 俺は玄関に置いてあるカッパ手にして、愛車のポチの座席の下に入れた。


「よし、行くか」


 目的地までは電車ではなく、バイクで行こうと思ってる。


 俺はカバンを肩にかけ、愛車を目的地まで走らせた。

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