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プロローグ:世界創造




あの世界は僕ら夫婦の何気ない会話からはじまった






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ねぇ?もしも魔法がある世界でテレビゲームがあったならどんなゲームが作られると思う?」





 夕食後、諸々の事を片付け、いつものようにリビングのテレビでゲームに興じる僕に後ろで見ていた妻から声が掛かる。


 「ーーー…ん?どういうこと?」

 唐突で意味不明な問いに僕は少し困惑し、手を止め振り返ると、イタズラっぽい笑みを浮かべた妻はこう続ける。



「だって私たちの世界には魔法がないでしょう?だから魔法に憧れてゲームで擬似体験するわけで……それなら魔法が最初からある世界でもしゲームが作られるならどんなものが作られるのかなって…」



 「ふーむ…魔法世界でゲームねぇ…」

 ーーー…元々妻とは創作系オタクサークルで知り合い昔からたまに突拍子のない『たられば話』を仕掛けてくる。

 ……なるほど、妻は退屈らしい。

 僕は僕で、今遊んでいるゲームに少々飽きはじめ、今月は新しいタイトルを買うほど生活に余裕はなかったところだ。

 退屈しのぎに丁度いい。少し考えてみようか?



 ーーー…まず前提としてこういう話を振ってくる時、妻は自分を楽しませて欲しいだけだ。


 そのため単純に銃などの近代兵器を扱うものが魔法に置き換わるだけで逆にジャンルが狭まるのでは?…ーー…などと、いきなり会話を終わらせかねない答えを打つのはダメだ。


 「うーん…………」

 しかしそうパッと面白い答えが出せるほど僕の頭の回転も早いわけではない。

 とりあえずジャブのような答えで様子見してみようか……



「ーーー…とりあえずコントローラーはなくて魔法空間でVRみたいな…」



「えーっ!それだと魔法感薄くない!?なんか…魔法世界って言うより未来っぽくない?解釈と違うなぁ…あくまであなたが今やっているような感じのテレビゲームだとして!」


 解釈か…お気に召さなかったようだ…

 テレビやゲーム機があるなら魔法の他に科学もある程度発展した世界として考えよう。

 あくまで『未来っぽさ』とやらが出ない程度の……


「科学と魔法のファンタジー世界か…」


「おっ!確かにテレビゲームがあるなら科学もある程度発展してなくちゃね!それでそれで!」


「魔法で色々代用利くから21世紀ほどの科学力は必要ないと思うんだ。ざっくりいうと20世紀はじめくらいの科学力?って感じの世界かなー?」


 「それからやっぱり娯楽より軍事の方が優先的に発展していくだろうからやっぱり銃や兵器なんかもあるんだろうなぁ」


「うんうん!ノッて来たね!」


「それから…ーーでーーなるからーーーーーすーーー」


「ーーーー…だー」


「ーー…に…」


「…ーー…」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ーーー…その日大いに盛り上がったこの世界の話は僕たち夫婦の密かな楽しみになった。


 食後の数十分、多い時は数時間、新たな設定や世界観を思いつくたびに夫婦で話し合った。

 時に理屈臭く、時に屁理屈を交え、そしてオタク的願望を込めたその世界の話を時に茶々を入れつつ、誰に話すでも見せるでもないのに妻はニコニコとノートにメモをとりながら…



 ーーー…そんな日々を何年か続けた。







 ーーー…そしてそれは突然終わった。



 妻を(うしな)った。





 ーーー…アルタスさん。


 ……そしてヤエ・ヤマギシさん。

 僕の身勝手であなた達の世界に随分迷惑をかけたね。ゴメン。



 だけどわかるわけないだろ?

 まさかあのふたりだけの妄想とも言える異世界がどこかに本当に現れていただなんて…ーーー


  






 …この物語は神が創造をやめ、見放した魔法と機械の異世界にそれでも強く生きた魔族と人間のファンタジー!





はじめまして読んで下さりありがとうございます!


二話目からは二人が生み出してしまった異世界での話となり、主人公も全くの別人ですのでよろしくお願いします。


まだまだ拙い文章で分かりづらい所も多々あるかもしれませんが、批判でも大歓迎なのでコメント、評価、ブックマークなどしていただけたらとても嬉しいです!

頑張っていきますのでこれからも読んでいただけたら嬉しいです!


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