第一章:1 アルタス・ジュガリア・フォンダルフォン
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「じゃあまずはテレビゲームを開発した人物でも考えてみる?」
「えっ!?考えるの??」
「そりゃ考えるでしょ?」
「私キャラクターのプロフィールとか性格考えちゃうと愛着持っちゃってこれから考えてそのキャラに有利な歴史に捻じ曲げて変な悪影響与えるかもしれない!」
「だからあくまでも私達は神様!神話的なところとか世界デザインとか変わらない運命とかだけにしよっ!誰が何を為したとかは考えない方がいいの!ねっ!ねっ!」
「そういうもんかなぁ…?まぁ君がそう言うならそれでいいけど…」
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時は大魔歴671年
幾度魔王が討たれ、幾度人間の王国が滅びようと終わらぬ数百年にも及ぶいつ終わるとも知れぬ人間と魔族の泥沼の戦争が続く中
「ーー…はぁ…父さまはいつになったら迎えに来てくれるのかなぁ…」
魔王国の小さな村の奥
戦乱とは程遠い静かな森の中に佇むそれほど大きくはない館、汚れやくすみが目立つものの立派な調度品や豪華な内装などから身分の高い者の別邸か何かだと推測できるその館に魔族の少年が一人、日課の剣を素振りしながら呟く。
歳の頃は5歳ほど
この館の主人だろう。
身なりのいい格好、利発そうな顔の額から覗くのはやや癖毛の髪に隠れそうなほどの2本のかわいいツノ
「にひゃくきゅうじゅうきゅう……さん…びゃく!」
日課を終えまだ体力には自信のない少年ははぁはぁとその場に倒れ込んで空を見上げる。
そこには田舎によくある濃い魔素の霧が立ち込め、ぼんやりしているが太陽はすでに昼近くまで昇っているのがわかる。
「これだけの魔素、父さまや魔王さまだったらどれだけすごい魔法が使えるんだろ…?僕もせめて魔法が使えたらこんなに退屈せずに済むのに…」
魔王国辺境伯シーザー・ジュガリア・ファンダルフォンの三男である少年はまだ幼く、近く大きな戦になるかもしれないと噂のファンダルフォン領を離れ、メイド一人と料理人だけという本当に最低限の人数を伴って五ヶ月前からとこの地へと訪れていた。
そんなどうしようもない事情があったにせよ何もない田舎暮らしは少年にとって退屈でしかなかった。
「どうせ行くなら姉様の嫁ぎ先の方が色々ありそうで楽しそうだったのに…」
そんな現状に不満を抱き口を尖らせていると、もうすでに秋口の冷たい風が稽古後の汗をかいた体を通り抜け、少年はブルっと震え、慌てて立ち上がり
「しょうがないエディにお湯でももらいに行こう」
と、昼食の準備をしているであろう料理人の元へと向かう。
「ーー…やぁエディ稽古の後で体を拭きたいんだけど冷えてしまったからお湯をくれないか?」
昼食のいい匂いが漂う厨房を覗くとエディと呼ばれた人の良さそうな料理人がおり、忙しそうに昼食の準備をしていたが、少年の顔をみると作業の手を止め
「あぁ坊ちゃん、すぐに沸かしますね。それにしても湯くらいガリアに持ってこさせてお部屋でお待ちになればいいのに」
「…ガリアはまだ寝てるようだからね、しかたなく」
少年が苦笑いしながら答えると、今までニコニコしていたエディは目は見開き、怒りに震えガッチリした太い腕は血管を浮き上がらせピクピクしている。
「あいつ…今日という今日こそは…」
と、包丁片手に腕まくりするを危ない料理人を何とかなだめると
「ぼっちゃんはガリアに甘すぎです!昼食ができるまでには叩き起こしますんでぼっちゃんはお部屋でお待ちください!」
と鼻息荒く言うエディにとばっちりを受け、少年は湯を抱えて逃げるようにそそくさと厨房を後に自室へと戻って行った…ーーー
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自室へと戻った少年は汗とお湯をこぼして濡らしてしまった稽古着を脱ぎ捨て、湿らせた布で体を拭きながら今日のこれからを考える。
「今日は何を読もうか?本当は魔法の練習がしたいけどまだダメっだって言われるだろうし、今日は歴史書でも読もうかな…」
見た目通り聡明な少年は5歳にしてもう字の読み書きができ、そこそこ難しい本も理解できるほど優秀であった。
少年は田舎の退屈さも相まって本来7歳頃から少しずつ覚えていく魔法をすでに本の知識で覚えてしまいそれを試したくてうずうずしていた。
しかしいつもは不真面目でヘラヘラした教育係兼メイドが
「魔法を半端な知識で使うと痛い目見るっス」
と、妙に真顔で言っていたので少年は渋々我慢をしている。
「でもガリアだし、うまいこと言いくるめれば魔法の練習させてくれるんじゃないか?」
などと5歳に似合わぬ悪どい笑みを浮かべ体を拭き終え、着替えをしようと思ったその時だった。
ーー…ドタドタドタ!!
貴族の住まいに似つかわしくない粗野な足音を立て少年の部屋に叫び声が近寄ってくる。
「ぼっちゃまーー!!アルぼっちゃまーー!!朝っスーーー!!早く起きないと朝食下げるっスよーーーーー!!」
どうやらエディに叩き起こされる前に起きたそのメイドは、まだ朝食の時間内だと妙な勘違いをしていようで、ドアを蹴破らん勢いで開け放ち着替え中の己が主人を見るなり
「いやーん!ぼっちゃん!お着替え中だったんッスね!えっちぃ!」
と、わざとらしく手で顔を覆うも隠し切れない立派なツノを生やし赤い皮膚をしたメイドがそう言った
ーー…しかも指の間からこちらを覗いているという古典的なボケまでかまして…
そんなボケには特に触れもせず少年はにこやかにかつ嫌味たっぷりに
「やぁガリアおはよう!着替えの手伝いも君の仕事だろう?それにもう昼だからね。僕は朝食も剣術の稽古も終えて今から昼食にしようと思うんだけど君もどうだい?」
「わーっ!自分朝食べてないからもーお腹ペコペコッス!それにしても5歳でもう一人で何でも出来るなんて天才ぼっちゃん!愛してるッス!」
ガリアと呼ばれたそのメイドは特に気にする様子もなく、白々しく拍手しながら着替えを手伝い
「何で貴族様の服はこんなめんどくさい作りになってるんスかねぇ?」
とブツブツ文句を言う駄メイドを眺めながら
少年こと後の魔法世界のテレビゲームの開発者の一人アルタス・ジュガリア・ファンダルフォンは思う。
何で父さまはこのメイドを雇ったんだろう…と。
・忙しい方向け今回のポイント
・魔族と人間はずっと戦争をしている。
・本作の主人公は魔族のアルタス。かしこい。
・実家が戦地になりそうなので使用人2人と田舎に居る
・使用人の名はガリアとエディ




