ダンジョンに入る前。魔王学校 1年目(5月7日。昼ごろ)
薫とアイはダンジョンがあるという森に昼頃に着いた。
樹々が生い茂っており、薄暗くなっている。
『グォーーーン』
『ギャォーーン』
魔獣の鳴き声が時々聞こえてくる。
ダンジョンに行くまでにそれなりに危険がありそうだということがわかった。
「アイ。
本当に大丈夫か?」
薫がアイに『大丈夫か?』と聞いたのは、アイ自身で守ることができるのか?ということだった。
「大丈夫よ。
昔、ダンジョンの地下3階まで行ったことがあるわ。
それにアキは一人で地下5階まで行ったことがあるって聞いた。
私の方が兄のアキより力があるって知っているでしょ?」
薫は、アイとアキの戦っている姿を見たことがある。
アイの方が強いといと思ったことは確かだ。
「アキさんが単独で地下5階まで行っているのであれば、俺たちならそれよりも先に行けるだろうな」
「そうよ。
問題ないわ。
さっさとダンジョンに行きましょう」
とアイが楽しそうに言ったのだった。
その後、アイは虎型の魔獣が薫に飛びかかろうとしてたので炎魔法でたおしたのだった。
森に入ってからダンジョンに着くまで、半日かかった。
ダンジョンの前には、魔王城が管理しているため建物が建てられていた。
アイが、管理者に王族である印を見せて、建物の中に入ったのだった。
薫とアイは個室に案内された。
ちゃんとベットは2つある。
「今日はここに来るまでに力を使って疲れたから、ここで一晩休んでからダンジョンの中へ行きましょう」
とアイは本当に疲れた顔をして言ったあと、ベットの上にたおれて寝てしまった。
薫はアイが疲れて寝てしまって当然だと思った。
アイは森の中で魔獣を魔法でたおしまくった。
様子を見ていると、ストレスを発散させているようだったのだ。
ストレス発散に、家でマキをいじめているよりいいから、時々ここに連れてこようと薫は思ったのだった。




