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魔王をたおした真面目な勇者は、グレました‼︎  作者:
3章:元魔王の孫、アイ
42/97

アイとの昼食。魔王学校 1年目(4月22日。12時すぎ)

アイは馬車の窓から外を見ていた。

薫も外を見ると森林の中だった。

太陽の位置を見ると昼を過ぎた頃だと思われる。

そう考えていると薫はお腹が空いてきた。

アイはそのことを気づいたのか、

「昼食にしましょう。

お弁当を作ってきましたの」

と言ったのだった。


森林の木陰の中で、2人で昼食にした。

「あれ、俺の箸は?」

「必要ありませんわ。

私が食べさせてあげますから。

王族である私が食べさせてあげるのだから、感謝してくださいね」

「いや、俺は自分で箸を持って食べたい」

「えっ。

私がお嫌いですか?

それに、ナナさんの時は、全部食べさせてもらったと聞いてますのに……。

私の時は、そんなに嫌がるなんて……」

アイはとても悲しそうな顔をしている。

薫は、この雰囲気だと、箸は1膳しか持ってきてないだろう。

「わかったよ。

食べさせて欲しい」

「薫君のためなら、毎日でもして差し上げますよ」

と、アイは嬉しそうに言ってきた。


弁当を半分ぐらい食べ終わった頃だろうか、薫は魔力の発動を察知した。

アイも気づいているのだろう箸を動かすのをやめ、真剣な表情になった。

2人でしばらく何が起こるかあたりを観察していると、空に大きな氷の塊ができており、落下しながら薫達に向かってきたのであった。


薫は、その氷の対処をしようと、魔法を発動させようとする。

が、アイが、

「私がやりますわ」

と言って、手を開き、氷にの方に向ける。

すると、氷は落下をやめ、くるくると回り出し、回転が止まったと思ったら、砕けていた。

アイが氷の支配権を奪ったのだろう。

森林の中、攻撃してきた者達が木で隠れていて見えないが、ある程度、位置ならわかる。

アイは、砕いた氷を、攻撃してきた者達がいると思われるところに落とした。

すると、森林の中から、

「ぎゃぁー」

という声が聞こえてきた。

自分が作った氷が、まさか戻ってくるとは思っていなかっただろう。

「さっ。

薫君、どうなっているか行ってみましょう」

と、アイが無表情で言って、そっちの方に向かって行った。

おそらくアイは、こういう場面に慣れているのだろう。

薫はアイの魔法を見て、アキよりも力があるのでは?と感じた。


アイが氷を落としたところに行くと、ナナをいじめていた奴らがいた。

ところどころに氷の粒が当たっているところがあるが、致命傷になっていない。

アイが力を加減したのだろう。

アイが、

「どうしてこのようなことをしたのですか?」

と、落ち着いた声で聞いた。

アイは怒っているのであろう。体を震わせている。

「うっ。

……、……。

そこにいる薫に復讐したくて襲った」

ナナをいじめた奴らは、全員退学となっている。

その腹いせで、薫を襲ったのだろう。

だが、ここにいるのは、退学になったはずの人数より少ない。

「復讐はこれだけで終わりか?」

「……、……」

いじめた奴らは、横を向いたまま答えない。

薫は、再度聞きながら、剣を抜いた。

すると、いじめた奴らは、殺すことができるくらいの攻撃をしたのだから、殺されるかもしれないと思ったのだろう、

「今、他の奴らが、ユイとナナを襲っている。

殺さないでくれっ。

助けてくれっ。」

と言ったのであった。

薫はそれを聞いて、アイの方に向かって、

「すまない。アイ。

ユイとナナでは、こいつらの攻撃を防げない可能性がある。

これから、学校に戻ってもいいか?」

薫の表情は、とても焦っている。

アイは、表情には出てないが怒りのオーラが出ている。せっかくのデートを邪魔されたと。

そして、攻撃してきた奴らに、アイは無言のまま攻撃魔法を使おうとした。

その瞬間、薫達は別の誰かから攻撃されたのであった。

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