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馬車の中での会話。魔王学校 1年目(4月22日。9時すぎ)
馬車の中は、4人程度であれば、ゆったりと座れるような広さがあった。
イスのクッションは、薫が今まで乗ってきたどの馬車より良かった。
薫とアイとの会話は、あまりはずまなかった。
初対面だと、どうしても過去の話になってしまい、アイからいろいろと聞かれても、薫が答えるのに困る内容が多かった。
聞かれた内容は、例えば、『出身はどこか?』とか、『高校に入学する前は何をしてたのか?』とか、『強いと聞いてるが、どこで力を身につけたのか?』とか、『ユイとはどんな関係なのか?』といったものだった。
薫としては、どの話も、正直に話したら元勇者というのがばれてしまう内容だったので、適当に嘘をつきながらやり過ごしていった。
馬車を走らせて、1時間過ぎると、田園風景になった。
その頃には、アイが考えてきた質問もつき、沈黙状態になっていた。
そこで薫は、
「そろそろ行き先を教えてくれてもいいんじゃいないかな?」
と、アイに聞いた。
そしたら、アイから、
「本当にせっかちさんですね。
元魔王、祖父の墓に向かってますわ」
との回答があった。
薫はその話をきいて驚いた。
元魔王は死んでいないはずなのに、なぜ墓があるのかと……。




