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写真

(こいつもしかして……)


「麻美姉のこと好きなんですか?」


 僕は敬語を使うのがやっとの状態で彼に訊いた。


「そうだ、好きだ。そして彼女の彼氏になれるのは僕しかいないと思っているぐらいだ」

「はぁ……」

「君はどうなんだ?」

「え?」

「彼女のことは好きなのか?」


 ずきっとくる質問が来た。


「そうですね……。好きです。いや、愛していると言って良いーっ」

「そうか。なら、どう愛しているんだい?」

「え?」


 どうって言われてもな……。しかし彼は僕をじっと見てくる。


「やっぱり小さい頃から一緒に遊んだ仲だから家族みたいな存在です!」

「なるほど……家族か。しかし子供の時から家族として大切なら、彼女を異性として見れるのか?」


 その的確な質問に僕は何も答えられず、彼を見ることが出来なかった。


「……そうか」


 彼は少しの間を持たせてからため息をし、そして僕に言う。


「まぁしかし、恋は盲目という。だから彼女の熱の入れようをどうにか冷まさせないと」

「……!」

「そして僕は、君のような中途半端で何も決意がなさそうな男が嫌いだ」


 そう言って彼はそのまま去って行った。僕はもの凄い不愉快な気持ちを持ち続けたまま家に帰る。

(何だあいつ!? 腹立たつ~~っ!!)

 こっちの苦労も知らないで!! あの三人から一人を選ぶなんて大変なんだぞ! ……けど好きな人か。異性として好きな人……。だいたいいままで僕が異性として好きだった人なんて果たして美希以外いただろうか? 好きって一体なんだろう……。性行為したいということだろうか? 僕が一人もんもんと悩んでいると、ラインの音がした。見ると美希からでついドキッとする。

『よう美希。どうした?』

『どうしよう。困ったことがあって』

『? どうした?』

『あのね、男子に今日告白されたの』

『え? そうなのか?』

 僕はまたしてもドキッとしてしまう。

『で、どうするんだ?』

『勿論、断るつもりよ』

『そうか』

『でね、要君にお願いがあって』

『何だ?』

『彼をしっかりと断るために貴方が私の彼氏役になって欲しいの』

『え?』

『どうかな?』

『まさか!? だってこっちは許嫁の一歩手前の女達がいるんだぞ!? そんなこと出来るはずないだろ!!』

『そ、そうだよね。ゴメン』

(全く、一体何を考えているんだ美希のやつ……たく……)

『そういうこと出来る相手は他にいないのか?』

『いない! 貴方しかそれくらいを頼めるのはいないの!!』

 僕はため息を吐き、

『分かった。その時の一回だけだぞ?』

『うん、ありがとう。明日彼を断るつもりだから、うちの学校に来て』


 そして翌日。学校終わりに僕は彼女の学校に行って彼氏役を無事務めた。


「しかしなかなかの好青年じゃなかったか?」

「そうだけど、好みじゃ無いんだよね?」

「そうなのか?」


 それにしても久しぶりに美希と会ったが、可愛くなりやがって。ショートヘアで目がぱっちりして少し猫系みたいだから、男に言い寄られるのも無理はない。確かに小学校の時から可愛かったけど、今の方がより可愛さが増してやがる。


「どうしたの要君?」

「いや、別に」

「そ……」

「……」

「家近いから一緒に帰ろう?」

「え? あぁ」


 そして僕達はたわいも無い話をしながら帰った。その写真を撮られたにも気づかずに。そして翌日、朝ご飯を食べていると、外から自転車の音がする。そしてピンポーンと鳴った。


「要。出て頂戴」

「僕が? 何で?」

「菊地姉妹じゃないの?」

「まさか?」

「良いから出てっ」


 見ると確かに彼女達だった。しかしなにか怒った顔だ。


「どうしたお前た……」

「どういうことかしら要ちゃん!?」

「そうよどういうこと要!?」

「説明して欲しいわお兄ちゃん!」

「一体何の話……?」


 麻美姉からバッと手に持っている物を見せられた。それは写真だった。見てみると昨日美希と僕とが一緒に帰っている写真だ。


「え? ああ、昨日小中の時の友達と会ってさ」


 しかし何で写真なんか? と思っていると、三人は怒りを抑えられずにいた。


「何で私達とは違う女と帰っているの!?」

「それは偶々会って……」

「どこで!?」

「この家の近くでだよ」

「この背景を見て!」

「えーっと?」

「ここから4km先のショッピングモールよ! そして貴方の自転車が写ってる! これのどこが近くなのよ!?」


 しまったっ!


「私達に嘘をつくなんて許せないわ要ちゃん!」

「なんで今そんな嘘をついたのよ!?」

「それは……」

「考えたくないけど彼女と良からぬことをしたんじゃないでしょうね!?」

「断じてそんなことはしてない!!」

「じゃあ、なんで嘘をついたの!?」

「それは……」

「それに距離を取った矢先に他の女と会うなんてどういうことよ!?」

「うっ……」

「もしかして距離を置いてって言ったのも彼女と会うためだったんじゃ!?」

「ちが……そんなことは……」

「お兄ちゃん最低!!」


 三人の怒りは収まることを知らない。困った、一体どうしたら良いんだ~っ??

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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