表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒトノモノ  作者: Kusakari
本田 パート2
34/120

ヒトノモノ その34 友達

三十四

 やっと、本田は藤原の実家に着いた。

「お久しぶりです」

「どうぞ」

そう言って、藤原の母は本田を家に上げた。


 本田は藤原の仏壇に線香をあげて、手を合わせた。本田は故人の写真を見て、十五年という長い月日に想いを馳せた。


 「ありがとう、来てくれて」

「いえいえ」

「毎年、あの橋に行ってらっしゃるんですか?」

「はい。今年も行きました」

「あの子のためにありがとうございます」

藤原の母は丁寧に本田に応じた。

「あの」

本田はどのように本題を切り出すべきかが分からなかった。


 「電話でおっしゃっていた話ですか?」

「そうです。橋に僕以外の人が花を手向けに来たんです。誰か分かりませんか?」

「分かりません」

「そうですか」

「でも、今さら、どうしてあの子のために花なんか持ってきたのでしょうか?」

「僕もそれが不思議なんです。こんな十五年も経ったあとに」

「気になるんですか?」

「はい」

「もしかして、今でもあの子がどうして、ああいうことをしたのかを気にしてらっしゃるんですか」

「ええ。後悔しているんです」

「本田さん、あなたのせいじゃないですよ。もう十五年経ったんです。あの子のことで思い悩まないでください」

藤原の母は懇願するように言った。

「そういうわけにはいかないんです。前日に一緒にいたものですから。僕がずっとそばにいれば、あんなことにはならなかった」

「誰もあんなことになるなんて予想できなかったはずです」

そう言われればそう言われるほど、本田は自分の責任を感じた。

「知りたいんです。どうして、あんなことになったのか」

「知ったところで、本田さんのためになるんですか?」

「何もしないで時が過ぎるよりはマシです」


 「あっ」

藤原の母は思い出したように声を上げた。

「あの子の友達に長岡さんという人がいます。会ったことありますよね?長岡さんが花を手向けに行ったのかもしれません」

「ありますよ」

 

 本田は法事のときに、長岡に会ったことがある。けれども、長岡は藤原については何も知らないと言うだけだった。

「ええ。ちょっと、待ってください」

藤原の母は年賀状を持ってきた。

「今でも、同じところに住んでいるか分かりませんが」

本田は長岡の住所をメモした。


 「ありがとうございます」

「何か分かるといいですね」

 本田は長岡に会うことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ