第6話 魔獣ミノタウロス幼体
騎士A「確認するが最優先は生徒の人命だ。」
騎士B「・・・うん。それが第一だな。」
騎士C「魔獣が出たら私が前に出るっす。硬さには自信があるっす。」
三人の騎士は急ぎつつも冷静に歩を進め、1分程度で複数の道がある広めの空間に出た。
騎士A「居やがる。」
そこにいたのは身長約250cmの人型の魔獣。ミノタウロスであった。頭は雄牛、筋骨隆々の体躯、興奮状態にあるようで荒い息をしている。
騎士Bが小さく言う。
騎士B「・・・あれはミノタウロスだ。しかし体が小さめだ。幼体だろう。」
騎士A「このままでは捜索どころではない。やつを倒してから向かうぞ。ミノタウロスについてもっと話してくれ。」
騎士B「了解。・・・ミノタウロスは通常、森に生息する人型の魔獣だ。群れで行動し、単純な道具や武器を扱える程度の知能もある。魔術は使わないが、魔力による身体強化を得意としている。」
騎士B「成体はあれより二回りほど大きい。群れで行動することも含め、種族としての危険度は中級下位から中級中位だが、単独なら下級中位から下級上位程度だ。」
騎士A「我々で対応できるのは下級上位までだろうから、ギリギリ何とかなりそうか。」
周囲にはほかに魔物はいない。第一、成体のミノタウロスなんていたら足跡なんかですぐわかる。この場にはあの魔獣以上の足跡なんてない。それに幼体だ。倒し切ると判断できる。
騎士A「行くぞ。」
騎士B「・・・うん。」
騎士C「了解っす。」
前進し陣形を整える。確かに彼らの装備であれば倒せると判断したのは間違いではない。しかし、一つ誤算があった。
ミノタウロス幼体「っ!」
騎士A「来るz
言い終わる前に魔獣の棍棒が盾役である騎士Cの盾と鎧をゆがませ、壁面にたたきつける。
騎士C「ゴフッ!?」
騎士A「後輩!」(馬鹿な!?強すぎる!)
騎士B「・・・っ」
AをBが突き飛ばす。Aがいた場所から軽い爆発のような衝撃が発生する。魔獣が再び攻撃を行ったのだ。
騎士A「すまん!油断した!」
騎士B「それよりCは!」
騎士AはBが魔獣の注意を引いている間にCに駆け寄り、容態を確認する。致命傷ではないが戦闘は不可能だ。
騎士A「Cは続行不可能だ!魔獣は倒せそうか!」
騎士B「っ無茶を言う!」
Bは敏捷性や援護には自信があった。魔獣に関する知識もあった。しかし、目の前に魔獣について大きな誤算があったことに気が付くのが遅かった。だがまだ間に合う。一が八かだ。
騎士B「このままでは生徒を救出できない。Cを連れて逃げてくれ。応援を呼んでくれ。」
騎士A「馬鹿を言うな!そんなことしたr」
騎士B「黙れ!」
騎士Bが吠えるように答える。
騎士B「わかっているだろ!特異個体だ!誰かが残って引付けなくてはならない!そして!俺にCを抱えて逃げるような力はない!お前にしかできないんだ!リーダー!」
騎士Aにもそれはわかっていた。騎士の見習い時代からの付き合いであるBは引っ込み思案で話すことが得意ではないが、こういう場面でなくとも間違ったことは言わないことをAはよく知っていた。
騎士A「ッ任せるぞ!!B!!死ぬな!リーダーからの命令だ!」
Bはサムズアップする。これ以上の言葉は不要。AはCを抱えて駆け出していた。




