㉚ 大切な仲間たち
やがて、地下の研究室から、エレベーターで、伯爵と杉浦鷹志が戻って来た。
「おや、バステトさん、いらっしゃい。」
サン・ジェルマンが挨拶する。
「伯爵、こんにちは。今日も美味しいコーヒーを頂いてます。」
バステトも、慣れた感じで返事をする。
「どうぞ、どうぞ。ごゆっくりしていって下さい。アノ時(1999年7月4日)に集まったみんなも、解散してしまって、最近はココも、すっかり寂しくなりましたから……何時でも来客はウェルカムですよ。」
確かに、ココにはもう、雪女も巫女も、スフィンクスも鵺も、そしてメジェドも居ない。あの真田姉弟も、由理子の傍には居ない。
まあそれは、ついにスカラベのチカラを覚醒させた、鷹志がココに居るから、大抵の事は、大丈夫だろうという、伯爵の判断によるモノだった。チーム・サン・ジェルマンは、一時解散したのである。
「……また、2012年が近づいたら、皆さんに集合を掛けますよ。やっぱりマヤ暦の予言も、気になりますからね?それまでは、どちら様も羽根を伸ばしてもらって……鷹志君が、ココの守護神だからね?」
伯爵はそんな事を言って、隣の鷹志に、ニッコリと笑って見せた。
「はあ、まあ、善処しますけど……。」
言われた鷹志は、浮かない顔だった。
あのベルゼブブを、見事撃退したとはいえ、彼には、チカラを持つ者としての自覚も実感も、まだまだ足りなかったのである。第一、あの超ド級のチカラを、もう一度発現して、使いこなせるかどうか、怪しいモノだと思うのだ。
「雪村君とか、雪子さんとか……古代エジプトの、神々のチカラを受け継いだ、バケモノ級のメンバーは、他にたくさん居るのになあ。」
ブツブツ言う彼の肩を、伯爵が叩く。
「まあまあ。キミは、追い込まれると、チカラを発揮するタイプなんだから、みんな居ない方がイイのさ。」
「伯爵、そんなあ〜。」
「ははは、もしもの時は、もちろん、不肖この私めも手伝いますから、ご安心を!」
「そうですか……それ、本当にアテにしていますからね?」
しぶしぶ承諾する、スカラベの鷹志だった。
バステトは、彼等のそんな様子を見ながら、(ココも当分の間は、安泰かしらね?)などと思った。
それでもやはり、定期的に巡視せずには居られない。由理子はそれ程、三次元世界に生きる者たちにとって、極めて重要な存在なのだから。パートナーの、鷹志の負担を、少しでも軽くしてやりたい……彼女はそう思うのである。
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……以上で第1部の完結といたします。
姉妹編の「セーラー服と雪女」シリーズも合わせて読んで頂けると、色々と発見があるやも知れません。どうぞよろしくお願いいたします。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。他の拙作も、どうぞ御贔屓にお願い致します(>_<)




