表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さっき一瞬死んだ話。  作者: おみがわ
10/15

寄生

長男が産まれてから、私達は自分たちの家を持とうと市営住宅と県営住宅を申し込んだ。

抽選の結果M地区の県営住宅に住むことが決まり、築年数もかなりたっていて少々カビっぽい1階だったけれど、ご近所さんは気さくだし、なにより独立を果たしたことが誇らしかった。

6畳が2部屋、3畳が1部屋の3K。


母親に甘えて自立する力をなにも鍛えてこなかった私は、一人暮らし経験のある夫にダメ出しされながらも少しずつ料理を覚え、今思えば努力も根性も知識も覚悟も全く足りてはいなかったけれど、自分なりに精一杯やっていたつもりだった。


長男が歩くかどうかの頃だったと思う。

夫が「Kをうちに呼ぶ」と言い出した。

結婚をしたが嫁とそりが合わず、家にいられないというような理由だったと思う。

数日後、本当にKが来て6畳部屋にデカいベッドマットを置き、私と息子の部屋は3畳に移った。


夫は仕事に行き、Kと私と息子の3人が家にいるという奇妙な日も何日もあった。

食事を用意しても手をつけず、夫が渡した合鍵で自由に我が家へ出入りし、私をいないもののように扱い、タバコも吸った。

私達の家が蝕まれ、奪われていくような感覚。


夫は私達よりもKを優先し、Kが誘えば私の食事を食べずにパチンコや外食に出かけていくこともあった。

2人でパチスロの打ち子というバイトを始めてからは、更に家には私と息子の2人きりになった。

Kへの文句を夫に言っても、取り付く島もないといった状態で「友達の悪口を言われると気分が悪い」と私が悪者だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ