第二章 アイドルは女王様 - 34 - 帝都へ
第二章 アイドルは女王様 - 34 - 帝都へ
「圭太さんは走光法を何度か使ったわよね? その応用を使うわ」
最初に答えたのは類だった。
その言葉に口を挟むのかと思われた舞だったが、類の顔を睨みつけたまま何も言わなかった。
「走光法って、あの目を閉じて歩くやつ?」
東京から異世界への移動を行った時と東京に戻る時だ。
圭太は目を閉じてから、光が見える方向へと進んでいった。
その後、目を開けた時圭太は異なった世界に立っていた。
今、類が話した走光法というのはそのことなのだろうと圭太はあたりをつける。
「そうよ、圭太さんが使ったのは走光法。でも、そのやり方だと、転移場所を特定することができないの。だから、その部分を魔法で補足する。これだと、送り込む先に魔法陣が必要となる召喚法や転移魔法と違って何処にでも移動することができる。ただ、走光法を使える人間にしかでないから、誰でもっていうわけにはいかないわ。でも、圭太さんなら問題ないわね」
さらに類が追加で説明してくれた。
もちろん説明されたからといって、圭太が理解できているというわけではない。
「わかった。ありがとう」
それでも圭太は一応お礼を言っておく。
とりあえず、すべてを理解している必要はないだろう。という流れに沿った判断を圭太はした。
「そんなことは、今はどうでもいいですよ。行きましょう」
美しくも愛らしい顔に、苦い表情を浮かべながら舞が言ってきた。
あまり協力的な発言ではないが、敵対的とまでは言えない言い方である。
気分良さそうな表情はしていなかったが、類は黙ってうなずいた。
それに、ここから先は行動の時間である。
類は左手を地面に向かって伸ばし、舞は右手を地面に向かって伸ばす。
圭太はその間に立っている。三人を見ていたミアは、一歩後ろに下がった。
地面の上に向かって伸ばした手を類と舞がそれぞれ動かすと、光の円が浮かび上がる。
それから人差し指と中指の二本をそれぞれ地面に向けて伸ばして細かく動かすと、円の中に文字が浮かび上がった。
「圭太さん、目を閉じて」
舞が指示をだす。
それに従って圭太が目を閉じると、軽くめまいのような物を感じた。
これは、今までになかったことだ。
「光を見つけたら、歩かないでいいから手を伸ばして」
今度は類が言ってくる。
圭太は何がなんだか分からないので、黙って従うだけだ。
言われた通りに手を伸ばしてみる。




