第二章 アイドルは女王様 - 32 - 次の行動
第二章 アイドルは女王様 - 32 - 次の行動
「はぁ? 何いってんの? そもそも、あんたが帝都の防衛をしっかりしてれば圭太さんを王都に連れてくる必要なんどなかったんだから。好き勝手言ってんじゃないわよ!」
たった今、ダークエルフ達との死闘が終わったばかりなのに、すぐにでも新たな闘いが始まりそうな勢いだった。
「お二人のお話に割り込んですみません。でも、今一番考えなくてはならないのは、一刻も早く圭太様を安全な場所にお連れすることではないのでしょうか?」
それまで黙ってみていたミアだが、文字通り話に割り込んでくる。
すると、舞は類の顔を睨みつけながら、本心を押し殺すように話す。
「しかたないわね。一旦東京に戻りましょう。ここまで攻め込まれた以上、さすがに帝都の結界内より安全な場所はない」
舞の言葉は絞り出すかのようだった。本当に悔しいのが誰の目にも明らかであった。
「そうそう、最初から素直になればいいのよ。……それじゃ、圭太さん。東京にもどったら、ずっとあたし達と行動を共にしてもらうことになるわ。でも、心配しないで。NHP64のメンバー全員、帝都守護のためにより集められた精鋭よ。こんな不手際なんて起こさないから」
そんなことを言われても、圭太にはさらりと受け入れられる土壌は存在していない。
だから、いたって素朴な疑問が生じる。
「NHP64はアイドルグループだと思ってたんだが?」
頭に浮かんだ疑問をそのまま口にしてみる。
そう思っているのは、圭太だけではないはずだ。
日本人のほぼ全員がそう思っていることだろう。
「そう、NHP64はアイドルグループで間違いないわ。ただし、その真の目的は帝都を守護するための戦巫女達の戦闘集団よ。アイドルとしての活動はそのまま神楽となり、それは即ち神々に人々の祈りを捧げるための奉納なの。祈りは、そのまま戦巫女の力になって返ってくる。つまりあたし達の使う力は、神力そのものなの」
類が説明してくれるが、圭太が理解しきれたとは言いがたかった。
最もすべてを理解する必要がないということは分かっている。
ようするに、要となる部分を押さえておけばいいのだ。
頼りない圭太ではあっても、伊達に年齢を重ねているわけではない。
今した類の話の要は、NHP64が単なるアイドルグループではなく、戦巫女と呼ばれる戦闘集団であるという部分であろう。他のことは補足に過ぎない。




