第二章 アイドルは女王様 - 29 - ありえない戦闘
第二章 アイドルは女王様 - 29 - ありえない戦闘
その核爆発の中で、戦闘が再開されている。
ただし、現実には闘いと呼べるほどのものではなかった。
ダークエルフ達がその存亡を賭けてたてた計画。幾重にも保険を賭けて、最後の最後に準備した作戦は必死の計画であり、絶対に生き延びることはできない代わりに確実に敵を仕留めることができる計画であった……はずだった。
実際、こんなことが起こることなど誰一人として想像すらできなかった。
なぜなら、この事態は奇跡と言うにも無理があるレベルであったからだ。
起こるはずのない事態というより、デタラメなことが起きた。そう表現するしかない。
いずれにしても、生き延びたダークエルフにとってそんなことなどどうでもいいことであった。
数のうえでは上回っていても、類と舞の二人と戦うには戦力としては圧倒的に少なすぎる。
武器を手にした瞬間、間合いを詰められて弾き飛ばされる。
十数メートルほど飛ばされた瞬間、ダークエルフの体は光の中で一瞬だけ影を残して消えてしまう。
核爆発の影響が及ばなくなる範囲を超えてしまい、数百万度の熱線に晒されることになり一瞬で蒸発してしまったのだ。
おそらく自分が死んだことすら認識できなかっただろう。
全てのダークエルフをまったく躊躇することなく放り出した類と舞の二人は、圭太の横に戻ってくる。
「ありがとう、圭太さん」
圭太の左腕に自分の腕を絡ませて類が話しかけてくる。
「ごめんなさい、圭太さん。あたしが助けようと思ったのに……」
右の腕に自分の腕を絡ませて、泣き出しそうな声で舞が言ってくる。
「えーっと……」
まったく心当たりのない圭太は、何か言おうとしてそれ以上は何も言葉が出てこなかった。
そんな圭太を両脇から見ている類と舞は、両側から挟むように口づけする。
「分からなくてもいいよ。圭太さんは、あたしが守るから。そこにいる、頼りない女なんかに任せたあたしが間違ってたわ」
自分の胸の中に圭太の腕をぎゅっと抱きしめて、闘いが終わったとたん早速しかける。
「あら? あたしが行くまでデカブツに手間取っていた女のセリフとは思えないわね? しかも、ダークエルフの進入まで許して。あんたなんかに、圭太さんを守ることはできるわけないでしょ?」
自分の胸を圭太の右腕に思いっきり押し付けてアピールしながら舞が言い返す。




