第二章 アイドルは女王様 - 26 - ダークエルフ
第二章 アイドルは女王様 - 26 - ダークエルフ
もはや、脅威ではなくなっており、一番重要なのはそこのところである。
怪獣の破片が広範囲に散らばる中、圭太の傍らに二人の美少女が戻ってくる。
「勝ったよ、圭太さん」
両手に双剣を握ったまま、圭太の左に立った類が最初に話しかけてくる。
「類、まだ終わってないわよ?」
圭太の右に立つ舞が緊張感のある声で話しに割り込む。
「もちろん分かってる。でも、後は……」
それに類が答えかけたところで、圭太の周囲を埋め尽くすほど沢山の人影が現れた。
特徴のある黒い肌。尖った耳。ダークエルフの大群であった。
「……雑魚よ!」
舞がその言葉を口にした直後、二人は左右に跳ねる。
ほぼ同時に襲い掛かってきたダークエルフの大群を迎え撃つためだ。
圭太はダークエルフの大群に囲まれていたが、その周囲は完全に無風地帯となっていた。
類と舞が飛び込んだ瞬間に、幾つもの死体が出来上がる。
ダークエルフは剣だけでなく、魔法や弓といった飛び道具も使って圭太を狙ってくるが、それらの殆どは類と舞の二人によって防がれる。
奇跡的に流れてくる攻撃は、ぴったりと圭太に寄り添ったままのミアが使うシールド魔法と体術によって全て無力化された。
圧倒的であった数の敵は、ものの数分後には半分になりさらに数分後立つと一桁にまで減っていた。
こうなると襲い掛かってきたダークエルフ達は、自分たちが絶望的な状況にまで追い込まれているのだと悟らざるをえない。
それでも、ダークエルフ達は撤退するという選択をしなかった。
生き残ったダークエルフ達は互いの顔を見ると、アイコンタクトを交わす。
連携して何かを仕掛けてこようとしているのだろう。
それがなんであるのかを、圭太が知るすべはない。
もちろん、知ったからと言って何かをできるわけでもなかった。
ダークエルフが選択した行動は、本当の意味での最終手段である。
圧倒的多数をもっての、同時波状攻撃はなんの役にもたたないことはすでに実証されている。
遠距離からの魔法や弓による攻撃がすべて無力化されることも証明済みだ。
そうなれば一桁までに減らされたダークエルフに、唯一通用しそうな攻撃の選択肢などそう多く残されてはいなかったのである。
アイコンタクトを取ったダークエルフは、次の瞬間には行動を起こしていた。
一箇所に集結しようとしたのである。
その途中、類と舞の手によって、三人のダークエルフが斃されたがまったく構わず一箇所に集まる。




