第一章 二人の嫁、襲来 - 24 - オーガ戦
第一章 二人の嫁、襲来 - 24 - オーガ戦
類はいつの間にか、どこかからか取り出した剣を両手で構えながらそんなことを言っている。
「はっ。ようは、ぶちのめせばいいよの。ぜんぜん問題じゃないわ」
舞は両の拳を胸の前で打ち鳴らす。すると、再び輝き始めた。
「ったく、これだから野蛮人は。なんでも、力で解決しようなんて乙女のすることじゃないわよ」
類は近づいてくるオーガを、まったく怯むことなく睨みながら舞に向かって嫌味を言った。
「ちっ、あんたにだけは言われたくないわよ」
そりゃそうだろうと、聞くものを納得させる答えを舞がしたところで、時間切れだ。
「お先!」
まず最初に類が動く。
オーガの足元に一気に飛び込んで、左足首を剣で狙ったのだ。
ところが凄まじいことに、オーガは類のスピードに反応した。
横に跳ねて剣を交わしながら、巨大なトレーラー程もある棍棒を類に向かって叩きつける。
どう見ても、15メートルもの巨体の持ち主の動きではなかった。
だが、圭太はさらに凄まじいものを目撃することになった。
ギィーンという大きな金属音とともに、棍棒の動きが止まったのである。
それがなぜか、見ていればすぐに分かる。
太さならばトレーラーの倍はある棍棒を、その場で類が受け止めたのだ。
こんなマネができるということは、必然的に類の膂力はオーガと同等かそれ以上ということになる。
もちろんその間、舞が黙って見ていたわけではない。
類が受け止めた棍棒を踏み台にして、オーガの頭上に達していた。
そして、光る両腕を自分の頭上で組み合わせると、目一杯の力でオーガの頭に叩きつけた。
すると、オーガの頭は陥没しただけではなく、体の中にめり込んでしまう。
一見すると首なしの怪物に見えた。
さらに驚くべきことに、この状態でもオーガは生きていた。
しばらく踊りを踊るみたいに、くるくると周りながら手足を振り回していたがそれだけだった。
だが、さすがにこのままでは敵と戦えていないことに気がついたらしい。踊り回るのをやめる。
どうやらオーガにとって頭はそれほど大切ではないらしいが、ただ目が見えないままだと敵の位置がわからないということを理解したのだ。
両手で自分の頭をつかんで、引っ張り出そうとする。
だが、結局それはできなかった。
両腕を類によって切り落とされたあと、胴体と頭を舞によってなめし革のように叩き潰されてしまったからである。
けっこうあっさりと勝負はついてしまった。




