表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】アサケ学園物語~猫型獣人の世界へようこそ~  作者: BIRD
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/89

第48話:モチの火魔法

深緑の森の中、二足歩行の黒い牛みたいな魔物たちに、スタスタと歩み寄る俺。


「「ブモッ?」」


なんだお前は? と言いたそうな声でハモる2頭は、ミノタウロスと呼ばれる魔物。

その肉は、日本の黒毛和牛に似てるらしい。


「「ブモォ~?」」


怪訝そうなミノタウロスたち。

俺は片手に剣を持ってるんだけど、身体強化は使ってない。

大柄で力も強い魔物に、ほとんど無防備で歩いて来る子供を見て、彼等は少し困惑してるっぽい。


左右からジリジリ近付いて来る、巨大黒毛和牛もといミノタウロスたち。

鼻息がかかるくらい至近距離まで接近した2頭。


はい、いらっしゃいませ。


上位火魔法(メラゾーマ)!」


モチがデッカイ火球を飛ばした。


火球は俺の間近まで来ていた2頭を直撃!


ミノタウロスたちは一気に猛火に包まれた後、地響きを立ててその場に倒れた。


「さすが異世界人、上位魔法が最上位並の火力だね」


モチの後ろで感心してるのはチッチ。


抽選会で最上位魔法セットを手に入れたチッチは、魔法学部の授業を受けに来ている。

今日は野外授業で、夏の森でミノタウロス狩りをしているところ。

モチは覚えたばかりの火魔法を使ってみたら、属性適正値が高く、普通の人より高火力になってるらしい。


そんなモチの右手、人差し指には赤いリングが嵌まっている。



「モチは前世で、不死鳥(フェニックス)と契約してたみたいだよ」


ロッサ先生からタマゴの説明を受けた後、教えてくれたのは不死鳥の主のイツキ。


俺が前世で福音鳥(ハピネス)と契約していたからピピルと話せるように、モチはイツキの召喚獣ホムラと話せるという。

つまり、モチの前世は不死鳥の契約者。

それなら、俺よりモチの方がいいかもと思い、赤いタマゴとリングをモチにあげた。


不死鳥は老衰死以外なら死者を蘇らせる事が可能との事で、爆死対策にモチの召喚獣になってもらおう。

モチの前世、爆裂の勇者が不死鳥と契約していたのも、自爆魔法対策だったのかな。



「火魔法が使えるなら、それを使ってると孵化に必要な魔力が早く貯まるよ」


ロッサ先生から教わったモチは今、張り切って火魔法を使いまくってるところだ。


「上位魔法をこんなに使い続けてへっちゃらなんて、モチの魔力どうなってるんだろうね」


チッチが苦笑してる。


そういや、モチの魔力切れなんて見た事ないな。


「転移者や転生者は魔力が桁違いなのは聞いてるけど、両方の効果がついてるのかな?」


俺たちのグループの目標数を狩り終えて、木イチゴに似た赤い実を採集している時、チッチがモチに聞いた。

異世界転移も異世界転生も、能力の大幅な上昇があるって話は先生から聞いた。


で、こっちの世界から日本に転生して、日本からこちらへ転移した場合はダブル効果がつくのでは?というのがチッチの予想。


確かにモチの火力は飛び抜けて高いし、ダブル効果はありそうな気がする。


「イオもダブル効果ついてるのかな?」


チッチが話をこちらに振ってくる。


「え、俺? どうだろ?」


俺はよく分からない。


だって、倒したのは黒オーク1頭だけだからね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ