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新しい日常

俺が目を開けると、見覚えがある景色だった。


「俺はしっかりと役割をはたしましたよね?女神様?」


「はい」


目の前には女神が現れていた。


「あなたがいなければ、彼女は凌辱され、殺害。バルアスとタケルの間のも長い戦乱が続いたでしょう」


「そうですか。それは防げてよかったです。本当に」


俺は無事役割を果たせたってわけだ・・・


「それで?俺はこれからどうなるんですか?」


ここまでしたんだから、天国に行きたいな。


「在るべきところに戻っていただきます。ここに連れてきたのは、直接お礼が言いたかったからです」


元の世界に戻れるってことか。


「では、余生を楽しんでくださいね」


女神は手を振っていた。俺の意識がだんだんなくなった。



「ん?ここはどこだ?」


ふかふかのベットに自分頭にフィットする枕、ベットの横にはオリヴィアさんが寝ていた。


ああ、この世界に戻ってきたんだな。オリヴィアさんにまた会えてよかった。しばらくオリヴィアさんを見ていると彼女が起きた。


「ん?う~ん。私寝ていたの・・・で・・・」


オリヴィアさんはこちらを見て泣きだした。


「よ、よかった。目を覚ましていたのですね」


涙をぬぐって、笑いかける彼女に失礼ながら見惚れてしまった。


「私、心配したんですよ。3日も目を覚まさないのでもう・・・だめ・・・かと・・・」


オリヴィアさんは俺の手を取り、って俺に手がある?


「オリヴィアさん、俺に手が」


「ふふふ。手だけでは、ありませんよ」


オリヴィアさんは鏡を渡してきた。鏡で見てみると地球での俺の顔が映っていた。


「俺、元の姿に戻った」


やったー。剣や指輪はオリヴィアさんのそばにいられて嬉しかったが、やっぱり人間の体がいいな。


「よかったですね」


「ああ。そういえば、あれからどうなったんだ?」


「あのあとファウストとファウストが共謀していた者は全員逮捕、ヤジール峠に現れたローゼンバッハの配下は、討伐又は捕縛に成功しました」


「ってことは・・・」


「はい、お父様の冤罪が証明され、汚名返上することができました」


よかった。無謀な作戦かと思ったけど成功してよかった。


「そして私はチェルシーの名を名乗ることを許され、領地返還も決定しました。これも全てシロー様のおかげです」


「俺は、何もしていないよ。オリヴィアさんが頑張った成果だよ」


「そんなことはありません。シロー様の支えがあると思えばこそ、成し遂げられたのです」


「そう言ってくれて嬉しいよ。さて、これからどうするかなぁ~」


「・・・どういう意味でしょうか?」


「人間に戻ったからには働かないと生きていけないだろ?だから」


「私のそばにいてくださらないの・・・」


「・・・オリヴィアさんは今じゃ侯爵だ。貴族と平民が結婚できないことくらいわかっている。オリヴィアさんが他の男と一緒になるのを見るのは辛い・・・」


「その心配は無用じゃ」


入ってきたのは国王だった。


「陛下それはどういう意味でしょうか?」


「うむ、さきほどまで会議を行いある案が採用されたのじゃ」


「その案とは?」


「シロー・キクチに爵位を与えるということじゃ」


「「!!」」


「本当ですか」


「うむ」


「ちなみに俺、なにになるんですか?子爵?男爵ですか?」


「いや、それは決めておらんのじゃ。どちらを与えても、いずれ変わるじゃろうからな」


えっ、それって


オリヴィアさんは顔が真っ赤になっていた。


「結婚式は王国主催で行われるので、何か希望があれば、使いをよこしてほしいのじゃ。それではの。


国王はウインクして去っていた。


「「・・・」」


国王が去ってしばらく二人とも沈黙していた。


(このままじゃだめだな。よし)


「シロー様」


「!っはい」


「お父様が亡くなってから、私の人生は最悪の日々でした。家を領地を取られ、人々からは罵倒され、生きる意味を見出せませんでした」


オリヴィアさんの話を黙って聞くことにした。


「そして、暴漢に襲われもうだめかと思ったとき、私に声をかけてくれた方がいました」


「・・・」


「その方と暴漢を追い払い、一緒に暮らし始めました。その方との日々はかけがえのないものになってきました。その方は私にお父様の汚名返上するべきといいました。

私もお父様が無実と思っていましたが、どうすればいいのかわからず、諦めていました。しかし、その方の激励をしてくれました。そんな姿に私はその方に恋をしていまいました。好きです。私と結婚してくださいませんか?」


オリヴィアさんからプロポーズされてしまった。俺がしたかったのに。でも


「はい、こんな俺でよかったら」


「シロー様がいいのです」


なんか逆になっちゃったけど、オリヴィアさんと結婚できるのは最高です。


「あと、言い忘れていましたが、私シロー様の声が聞こえていましたよ」


「?それはわかっているよ?」


今まで会話をしてきたんだから、聞こえているには当たり前のはずなのに・・・


「勘違いされているようですね。シロー様は言ったと思っていることだけが伝わっているとお思いになっているようですが違うんです」


「え?」


「心の中で思っていることも私に伝わってきたんですよ」


そ、それってかなり・・・やばくね?


「ちょ、それってどこまで?今もわかるの?」


「さぁ?どうでしょうね」


俺の結婚生活はどうやらとっても大変になりそうです。


ご愛読ありがとうございました

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