表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜40代、スマート年下男子に「3秒」で救われる。~効率化された時間で、私、愛されてもいいですか?~  作者: 寝不足魔王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/6

第1話:社畜の女神、3秒で堕ちる

はじめまして。本作を手に取っていただきありがとうございます。

40代、仕事に命を削る女性が、有能すぎる年下男子に救われ、甘やかされ、そして会社をひっくり返す物語です。

「スカッと」と「キュン」を同時に楽しんでいただければ幸いです。


「佐藤さん。この伝票一千枚、明日の朝までに手入力で集計しておいて。君、独身でしょ? 夜は暇だよね」


 肥大した腹を揺らし、加藤課長がデスクに書類の束を叩きつけた。

 佐藤凛、四十歳。大日奈商事の営業事務二課、課長代理。

 私の仕事は、仕事ができない上司の尻拭いと、マニュアルすら読まない若手のフォロー。そして、この理不尽な残業だ。


(……あああああ! 暇なわけないでしょ! 十二時間労働して帰って寝るだけの生活を暇って呼ぶな、この油だるま! 呪うわよ、その三段腹が全部マヨネーズに変わる呪いをかけてやるからな!)


「……承知いたしました。やっておきます」


 脳内で猛烈な罵倒を繰り広げながらも、私の口から出たのは鉄のように無機質な承諾だった。

 お局だ、冷徹人間だ、そう呼ばれているのは知っている。でも、私がやらなければこの部署は沈む。それだけが、私のプライドだった。


 時刻は午後八時。誰もいなくなったオフィスで、私はひたすら数字を打ち込む。

 ……ふと、給湯室から物音が聞こえた。

 今日から中途採用で入ってきた、一之瀬蓮(三十二歳)。

 転職初日から涼しい顔で定時退社したはずの彼が、なぜかそこに立っていた。


「……一之瀬さん? 忘れ物?」

「いえ。コーヒーを淹れに来ただけです。佐藤さん、まだそれやってるんですか」


 彼は足音もなく近づき、私のデスクの横に立った。

 ……近い。

 思わず背筋が凍る。普段、男性にこんな距離まで詰められることなんてない。


(えっ、待って。何、このいい匂い。石鹸? それとも香水? っていうか顔がいい。三十二歳ってこんなに発光してるものなの!? 私の四十歳の肌が枯れ木に見えるから近づかないで!)


「手伝いましょうか」

「いいわよ、これは私の仕事だから。……あなたにはまだ難しいし」

「難しい、ですか」


 一之瀬さんが、ふっと口角を上げた。

 彼は私の椅子を少し後ろに引かせると、身を屈めて私のパソコンを覗き込んできた。

 至近距離。彼の吐息が耳にかかる。


「佐藤さん。……それ、僕が組むマクロなら3秒で終わりますよ?」


 低い、心地よい低音が耳の奥で跳ねた。


(………………へ!?)


 脳内が真っ白になる。

 3秒? 私が三時間かけてやる予定のこの苦行が、3秒?

 いや、それより距離! 近い! 耳! 私の耳たぶが今、火を噴く勢いで熱いんだけど!?


「顔、真っ赤ですよ。佐藤さん」

「えっ、あ、いや、これは……暖房が……」

「嘘ですね。……可愛い」


(……は!? 今なんて!? 可愛い!? 私が!? 四十歳の社畜が!?)


 キーボードを叩く私の指先が、ガタガタと震え出す。

 一之瀬さんは、そんな私の動揺を楽しむように、さらに深く身を乗り出してマウスを握った。

 私の手に、彼の温かい手が触れる。


「そんなに震えなくても。……僕が全部、終わらせてあげますから」


 それが、私の止まっていた人生が、猛スピードで動き出した瞬間だった。


第1話をお読みいただきありがとうございました!

「3秒で終わりますよ」――そんな魔法の言葉、一度は言われてみたいものですね。

これから一之瀬くんによる、甘くて容赦ない業務効率化(と溺愛)が始まります。

少しでも「続きが気になる!」と思っていただけたら、評価やブクマで応援いただけると励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ