群れなす龍を穿て3
仙凛の殴った相手に光が入る。
「なんじゃ?」
「お曾婆ちゃんどうしたの?」
仙凛の曾孫のRan/Lanが動かす青龍に飛び乗った仙凛の眼前に写るのは、ヴァルミニオンの3倍以上の体躯を誇る、いかにもボス個体な敵。
ソレの目に当たるであろう部分に光が灯る。
『ああまた目覚めることが出来ようとは』
「喋った?!」
「流石は特別製と謳われておる番来龍の10番じゃな」
機械的といえど、確かな声を上げて喋り出した。
『しかも目の前には頂きを砕く者が居ようとは、本来ならば我が船を守るため全てを討つべきだが、無理な話だな』
「ホーウ、儂との一騎打ちを望むか。ランよ手出しは」
「元より出来そうにもありませんよ。私はお曾婆ちゃんを支えるから」
「ではシャム・グレイ号も頼めるかえ?」
「車掌君もいるからなんとかだね」
そう言い、灰色の機関車を走らせ、その上に乗る。
「待たせたのう。儂自身は飛べぬ故コレくらいは我慢しちょれ」
『割と自力で飛べそうな気もしますけど、我が名はヴァルボンブ。頂きを砕く者よ、我が砲の蜂の巣になると良い。………コレであってる?』
「何故そこで疑問を持つんじゃパーンチ!」
疑問を持ち首を傾げたように曲げたボンブ目掛けて思い切りぶん殴った。
『ぬう、ただの拳がコレほどとは、しかもすでに結構な損傷が生まれている。ならば初めから本気で行かして貰おう。雷火砲起動』
そういうと、砲身の中から本体部分らしきものが展開する。
「マズい」
変化した砲身の先が光だし、レーザーが飛び出す。
Ran/Lanと猫凛の手腕で避けるが、それでもいくつかのレーザーに当たりそうになる。
「はあっ!」
空震白虎の先端の振動で、レーザーを逸らすことで機関車への被弾を防いだ。
「お返しじゃあ!」
足に装備した足斬玄武の文字通りの足刀でボンブを蹴飛ばす。
『拳だけでなく棒も足も使えるとは、素晴らしい』
「お褒めに預かり光栄じゃのう」
『故に、コレはどう対処しますかな』
するとレーザーを自身の眼前に交差するように放つ。
そしてその一点に光を纏った威力の塊ができる。
「マズいのう、アレ防ぐのは無理じゃな」
「その割に口の端が上がってるよ」
心配してかRan/Lanが顔を出す。
「ランよ、昇れ」
「………頑張ってねお曾婆ちゃん」
「ハッ、誰に言うておる」
上昇するシャム・グレイ号、その上に立ち装備を変更する仙凛
「さて、流石にコレを装備しておろうがタダで行ってはやられかねんか」
至天封神。
アイテムポーチおよび装備品内にある四神シリーズユニークモンスター由来の武器の数に対して威力が上昇する籠手武器。
「其は神を討ちし拳」
コレは威力重視の武器であり武器スキルとしても威力及びに強度を増加させることができる。
「ただの拳に全てを焚べ」
それは自身のMPやHPなど、消費できる能力の全てを好きなだけ威力や強度に変換できると言うもの。
「今一度全てを砕け」
故にその拳は光出す。
「《封神の腕》」
そして飛び出す。
それと同時にヴァルボンブのレーザーの収束が放たれる。
『《光さす覇道》!』
「砕け散れ!」
大気を蹴る空震脚によるブーストで更に落下。
光の束になったボンブのレーザーと流星となって降る手刀がぶつかり合い………光の束が真っ二つに割れた。
「馬鹿な!!?」
驚くボンブの目の前に止まることなく手刀が降り注がれ、その巨体をも両断した。
「決まり手は空手チョップか。天空からの手刀とは、正直笑えようぞ」
「全然笑えんわーーーーー!!!!!」
落下し続ける今の状況をどうしようか頭を悩ませていると、電撃を放つようなバイクの駆動音に混じり、叫ぶ声が近づいてきた。
「あ、蘭じゃな」
「手ぇーーーーーーーーー!!!!!」
廻隣青龍を走らせ、こちらに手を伸ばすRan/Lanに笑いながらも手を掴み返す。
「良くやった」
「一気に突っ込んでいくもんだから、落ちていくの忘れてね?って思っちゃったよ」
「まあ儂らはここで一度離脱じゃ。あとは童らに任せようかのう」
『ヴァルボンブ:討伐完了』
『自律起動カウンター1/3』
プレイヤーネームとはいえ、Ran/Lanって表示してみんななんて読むかわからないと思うんで一応読みはランランで覚えていただければ。
あとあっさり終わったなと思われそうですけど、今回に至るまでにそこそこ体力を削っているためにこうなっています。
あとヴァルボンブ自体武装を犠牲にした装甲ならあっても、HPが高いだけで防御力はそこまでの相手なので、打ちどころ次第で割と簡単に行けます。
まあそもそも近づけないかどうかくらいには、弾幕で圧してくるような敵なんですけど、仙凛に放射型の攻撃も、一転集中型の攻撃も、所見攻略されちゃってるんだよね。
彼女がヤバいだけ。




