新しい素材を求めて
サウザンリーク
周囲を山々に囲まれた盆地で、花々と湖で出来た自然の出す美しいフィールド。
そしてその一部。瓦礫で塞がれていたらしい穴の先、白い花々のみの花畑に彼らはいた。
「印象だと翼の生えた白馬って感じだったけど、普通にそれ以外の色もいるんだな」
「てか白馬が見えん」
「確か白馬のやつはブライドペガサスっていうレア個体でゴザルね」
「イエ確かブライドではナイ白馬モいたハズデスよ」
分かりにくいな。どうせならいい素材が欲しいから、そのブライドってヤツを斬りたいんだが
「とりあえず適当に切りまくればいいか」
「何気にこのメンバーサポート可能な奴いてもほぼフルアタッカーなんだよね」
そうなんだよなー。
まあメインの戦法がみんなリアルのものに寄ってるからな。仕方ないか。
「じゃあいっそ倒した数が1番多い奴が優勝ってことでもするか?」
「良いでゴザルね!」
「リアルなら兎も角、コッチならまあいいか」
まあリアルの方じゃあ戦力差がそれなりに傾いてるからね。
リアルにない力を得ているコッチなら十分ってことだ。
「じゃあじゃあセンジュ、よーいドンの合図をしてくれ。俺らはもう準備オッケーなんで」
「まあ私は戦わないからまだいいか。位置についてー」
てことで秘境の出入り口部分に横並びに構える
「よーい、ドン!」
「二刀流・韋駄天通・開!」
「迅通アンド《卯月・隼》!」
「引力運動・対象指定・開始、ソシテ引斥混合・充填」
「人狼、《スケートパネル》」
ドンのタイミングで全員仲良くぶっ飛んで行った。
30分後
「いやあ狩った狩った」
気付けば少なからずダメージを受けていたことを確認しつつ出入り口に戻る。
後ろ脚で蹴り上げるとか、動きは馬のそれだ。
ペガサスとしてのイメージに似合わず、翼に風を溜め込んでいるようで、それを飛ばしたり、推進力に使って突進してくる戦法も面白い。
まあ1番気になったのは、飛び方だ。
イヤ飛び方というより跳び方だな。コイツら翼で飛ぶんじゃなくて、脚で空気を踏み込んでいる。翼はあくまで滑空に扱われているだけだ。
悪くないどころか寧ろ良い。武器を振るうにも、膂力があった方が威力を出せる。膂力ってのは、何よりも踏み込みがあって出せるものだ。
空中を踏み込む力を持つコイツらならちょうど良い。
エルメスさんマジサンキュー。
だがブライドペガサスは、ホントに見つけにくかった。普通の個体にも白馬なやつがいるため、念のために買ってあった鑑定用の眼鏡が役に立った。
けど………ホントにレアなんだよなぁ。
因みに他よりもデカく毛並みのいい個体がブライドペガサスだが、個人的にはほとんど差がないと思う。
「ウーム、囲まれルト少しキツイデスネー」
「アレでゴザルよね、全方位から被害度外視の突撃」
うんうんとか頷きながらA2とミストが合流したけど、すっごい物騒なこと言ってきたな。
「ちょっと魔力消費しすぎたかな」
自分の出した馬に乗ってレアも帰って来た。
「ではではリザルト発表でゴザルよ!」
ハバキリ:ペガサス30頭、ブライドペガサス2頭
Misthide:ペガサス28頭、ブライドペガサス5頭
A2:ペガサス45頭
leer•leben:ペガサス30頭
「うっわいい感じに近差なのな」
「コレダケ大量デモブライドペガサスってソンナニ見つからないハズですケド30分デ5頭もイケるとは」
「コレ私完全に最下位か」
「まあワタシチャンにかかればこんなものでゴザルよ」
てことでブライドペガサスの量を考えて、優勝はミストに決定だよ。
「ペガサスの素材はコレだけあれば充分として、あとはセンジュのハンマーの素材とミストたちの使うアイテムの素材とかの採取だな」
「場所が場所故に一旦別れるべきでゴザルね」
だなー、俺が必要なやつ湖の底にあるっぽいし。
「てことでどうだろうか」
素材を集め終わって早速あるものを作って貰おうと仙女ババアに紹介された相手に会っていた。
「なるほど、そういうスキルを持った防具ね」
PNをRan/Lanという彼女…つまるところ蘭花さんにペガサスの素材を出して尋ねた。
「別にそういうスキルがないわけでもないけど、アレは修練に時間を要するからね。今からじゃあ間に合わないしこっちの方が早いと」
「そういうことねー」
「ウンウン確かにブライドペガサスの分でそういう防具一式を作る事が出来る。しかもコレがあればもっと良いものが作れるかも」
そう言って取り出したのは、風と熱を纏った黒い鉱石のようなものだった。
こここの後の展開に必要なので入れさせてもらったよ。




