【side:H&N】 結局はゲームであることの違い
「あークソ!もっと戦うだけの集中力があればなー」
「無理じゃよ。お主フルダイブ型VRはコレが初めての口じゃろう?」
戦いが終わり、凛花とステラ、ヤオとツヴァイで共にお食事兼反省会を行っていた(JJのところで)。
反省内容とは、つまりヤオの集中力が切れてしまったことだ。
「確かに慣れていませんけど、VRとはいえ十分動けるはずでしょう?」
「否じゃよ。VRは現実と違い体全体を動かすわけでは無いからのう」
「うん?VRでも体全体を動かしているのと同義の動きができt………ああそういうことですか」
「気付いたな?では聞くが、ゲーム内で発生した擬似的な肉体の疲労やら何やらは何処へ行くと思うかえ?」
VRMMOでは、一時的に体全体への脳の出力を全てドリームギアに出力させて動けるようになっている。
逆にゲーム内で得た情報は、全て脳へ直接送られる。
通常五感を持つ体全体で受け取る情報をだ。
擬似的なものとはいえ、体が発するべき疲労や痛みというものを全て脳だけで負担している。
「ココばかりはリアルにし過ぎた運営のせいじゃろう」
「で、でもそういうのであれば一般人にも現れるのでは?」
「ウム。実際気付いておるし、脳の処理能力が高いヤツほどVRMMOに強いというのがeスポーツ?とかいう連中の見解じゃったな」
「いつの間にそんな情報が。あとeスポーツは競技であって団体のように言うのは少し誤りが」
その通り。
どこまでもリアルになり過ぎた分、武人…とまで行かずとも、スポーツ選手でも同様の悩みを抱える者がいた。
曰く、下手にストレスが蓄積されすぎるだけで満足に動けなくなると。
「まさか」
「そのまさかじゃよ。体の動かし方を理解しておるものほど、体の疲労の感覚をよう理解できる。ソレら全てが脳へと蓄積されておるわけでは無いのにな。じゃがVRでは全て蓄積された分、許容量が極端に減ってしまっておるのじゃよ」
ソレを聞いて、ヤオも完全に納得したようだ。
凛花が、自身の攻撃のテンポをずらしたり、フェイントをかけていた様子に、いつも以上に体が重くなるのを感じていた。
ただのストレスだろうと無理矢理体を動かしていたが、今思えば体が覚えるはずの疲労が一気に押し寄せていたのだろう。
「お主も今一度鍛錬が必要じゃな」
「そうですね。思考能力の強化にも繋げられそうですし、やってみましょう。というか、あなたは何故そんなにVRを熟知しているのですか?」
「ハハッ!そりゃお主儂じゃからといえば1発じゃよ。とはいえ実際に体を動かしてある程度しなけりゃ気付かんかったからの。今は童共にもダンジョンリレーという形式で鍛えさせとる」
その言葉に、ヤオは引く。
仙女の鍛錬となると、たとえゲームでも死にかねないような鍛え方を強いるからだ。
(ぶっちゃけそこらの殺し屋育成機関より酷いともっぱらの話題ですからね)
ここらへん独自解釈だし
痛覚とか抑制されている状況で何言ってんだとか思われそうだけど
痛覚とまでは言わずとも感じてはいるし
ストレスとか疲労とかは別の問題なのでこのような感じになりました




