【side:H&N】 気付かないほどの猛攻
「ハアッ!」
「甘いわっ!」
リューの上段からの1撃、さらにソレをブラフにした2撃、3撃目をガイアが全て避ける。
そこから凛花のカウンターに、得物を持っていては避け切れないと確信したヤオは、最小の動きで武器を後方に飛ばしつつ避ける。
どちらも攻防一戦の状況に、緊張冷めやまぬ事態が続いている。
もはや、視聴者どころか実況も固唾を呑みじっと画面を見続けている。
いったい、どれだけの時間がかかったのかも分からず、時間が止まってしまっているのではとさえ思わせる。
視聴者全員が、緊張が解けることで負けると分かっている。
ソレほどの攻防が続いていた。
「ああもう良い加減落ちなさいよ!」
「スマンのう。じゃが、儂も最後まで負けたくないのでな!」
どの攻撃も、捌き切られることに焦りつつも、ヤオは確実性と必殺性の高い連撃を重ねている。
もはや、凛花に余裕を作らない。
隙を見せたとしても、攻撃を誘ってカウンターに持ち込むためのものだ。
だが、相手はそんなことを分かり切っている。
攻撃をしたかと思えば、わざとらしくスピードを落としてテンポを崩して来たり(1F〜3F程度の差なので、常人ではまずわからない)、わざとらしく大きくフェイントをかけてくる。
(さて、そろそろじゃな)
そんな状況を繰り広げる凛花も、狙いがあった。
ソレは、
「しまっ」
「ヨシッ!」
ついに、フェイントで開いた距離感で、リューの棍棒が空振りしてしまった。
そして伸びきった棒の先を殴り、相手の顔面に飛ばす。
ソレをヤオはなんとか避けるが、得物を失い、十分すぎる隙を産んでしまった。
「はっ!」
瞬間、凛花の拳がヤオの顔面を捉え
「まだああぁっ!!!」
ソレでも、ヤオが諦めずに凛花の右腕に噛み付く。
更に左腕も押さえ、残った腕で凛花に叩き込む。
そこに、凛花が頭突きで対抗する。
返されたヤオも、負けじと蹴りを喰らわせる。
もはや、泥試合となって来たお互い。
だが、決定的な差があった。
「フフッ、判断を誤ったのう」
瞬間、ヤオは自身が集中の糸が切れていることに気付いた。
完全に、己の体が同じ行動しか取れず、とっくに凛花の動きに対応できなくなっていることに気づけていなかったのだ。
だが凛花はその状況に気づいていた。
そして、ソレ以外の行動を取ろうとした結果、驚くほどに減速してしまっていた。
「さて、また儂が勝ってしまったな」
「次こそは」
『WINNER!ガイア!!!』
いつの間にか、ヤオの集中が切れていたのが敗因となりました。
他の都合とかは次回に
あと、どうしてもここで凛花に負けてほしくなかったのもある




